教育訓練の権利・義務
教育は、企業発展のためにも経営上重要な施策です。しかし、重要な施策であるにもかかわらず、受ける側は不平、不満を言ったり、出席しても居眠りしたりという状況が多いのが現状でしょう。
人間は「権利」を強調しないと「義務」の履行を認識しにくいという傾向があるので、教育を受ける権利と義務を明確化するような規定が、心理的にも、また会社の姿勢を示すものとしても有効になると思われます。
注意しなければならないのは、教育訓練の時間が労働時間に当たるかどうかです。
社内教育や研修の受講について、上記規定のように指示があったときは、必ず受けなければならないとした場合、その教育・研修中は、労働時間となり、それが勤務時間外に及べば、割増賃金の支払も必要となります。 ただし、研修への参加が社員の任意とされている場合には、労働時間とはなりません。当然、割増賃金を支払う必要はありません。このあたりのことを、就業規則には明確に定めておきましょう。
自己啓発義務
「従業員は、自己啓発、自己研鑽して常に能力の向上に努める義務がある」ということを明示しておくことが、不況を克服する人事として必要なことではないかと思われます。
これからの企業の成長には、個々のマンパワー、個々の能力に依存する部分がますます大きくなるといえます。人事政策としては、個々の自助努力、自己啓発なども評価の対象とすべきでしょう。
留学・研修費用の返還
一定期間の勤続勤務があれば弁済免除するという、留学費用の金銭消費貸借契約とし、費用返還が労働契約の履行・不履行と無関係に定められている場合は、労働基準法16条に抵触しないと考えられます。なお、一定の期間については、民法626条との均衡から5年以内が望ましいでしょう。
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