あけぼのタクシー(民事解雇)事件 最高裁第1小(昭和62・4・2)

(分類)

 賃金  解雇

 (概要)

 使用者の責めに帰すべき事由で解雇された労働者が解雇期間中に他の職に就いて利益を得たときは、使用者は当該労働者に解雇期間中の賃金を支払うにあたり、当該利益(中間収入)の額を賃金額から控除できるとするもの。

 但し、労働基準法第26条により、上の賃金額のうち、労働基準法12条1項の平均賃金の6割に達するまでの部分については、利益控除の対象とすることが禁じられているとするもの。

 賃金から控除しうる中間利益は、その利益の発生した期間が賃金の支給の対象となる期間と時期的に対応する必要が有るとするもの。

 中間収入の額が、平均賃金の額の4割を超える場合には、平均賃金算定の基礎に算入されない賃金(一時金)の全額を対象として利益額(中間収入)を控除できるとし、控訴審判決の一時金全額のバックペイを認めた部分を破棄し、支給対象期間内に得た利益の額を控除して残額があるかの審理を尽くすべきであるとして差戻したもの。

 すなわち、中間収入の額が平均賃金の額の4割を超える場合、中間収入の控除の限度額を「解雇期間中の一時金等を含む得べかりし賃金額から平均賃金の6割を減じた額」としたものと考えられる。

 (関係法令)

 労働基準法  労働組合法  民法  

 (判例集・解説)

 労判506・20   判時1244・126  

(関連判例)

 あけぼのタクシー(バックペイ)事件 最高裁第1小(昭和62.4.2)
 いずみ福祉会中間利益控除事件 最高裁第3小(平成18.3.28)
 第二鳩タクシー事件 最高裁大(昭和52・2・23) ノースウエスト航空事件 最高裁第2小(昭和62・7・17)  
 日新製鋼事件 最高裁第2小(平成2・11・26)  

 

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