渋沢倉庫事件 東京地裁判決(昭和59年3月29日)

(分類)

 再雇用

(概要)

 会社を定年退職した従業員が、右会社には定年退職者を再雇用する労働慣行があったとして、会社は予め一般的に再雇用の申込みをしているとみるべきであり、右従業員はこれを承諾したから雇用契約が成立しているとして雇用関係の存在確認を求めた事例。

 右認定事実によれば、被告会社の就業規則上定年退職者を再雇用すべき義務を被告会社が負う旨の規定は存しないし、本件再雇用規則の運用の実態としても、定年退職者が希望すれば関係会社等に再就職の斡旋をする慣行があることが認められるにとどまり、定年退職者が再雇用を希望すれば、特別の理由のない限り被告会社自身が再雇用したり、被告会社が再雇用したうえ関係会社へ出向させるといった慣行が存在することを認めるに足りず、他にこのような慣行の存在を認めるに足りる証拠はない。(中略)以上によれば、原告主張のような再雇用の労働慣行が存在するとは認められないから、これを前提として、原、被告間に再雇用契約が成立している旨の原告の主張は、その前提を欠き、失当である。

(関係法令)

 労働基準法2章

(判例集・解説)

 労経速報1186号3頁  労働判例429号39頁

 

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