中日本興業事件 東京地決定(昭和27年7月9日)

(分類)

 退職

(概要)

 経営紛争に際して命ぜられるままに「辞任届」を出した労働者の地位保全、賃金支払の仮処分事件。 (申請認容)

 申請人X1、X2については「辞任届」なる書面をA宛に提出していることが認められるがこれは、平穏に真意から出された退職の意思表示ではなく、申請人等主張の如く突如経営者なりと称して映画館に侵入し来ったA一派の半暴力的な態度に押され、紛争の渦中に巻き込まれないために、命ぜられるままの書面を一応作成して提出したに過ぎないことが疎明されるから右Aに辞任の意思表示を受ける権限があったか否かを判断するまでもなく、右「辞任届」の提出は右X1、X2の雇傭契約上の地位を消滅せしむるに由なきこと勿論である。

(関係法令)

 民法627条

(判例集・解説)

 労働民例集3巻4号352頁

 

労働相談・人事制度は 伊﨑社会保険労務士 にお任せください。  労働相談はこちらへ

人事制度・労務管理はこちらへ