日平産業事件 横浜地裁判決(昭和38年4月22日)

(分類)

 懲戒解雇

(概要)

 経歴詐称(レッドパージによる解雇の秘匿)を理由とする懲戒解雇に対し、効力停止の仮処分が申請された事例。 (棄却)

 なお、申請人は、労働者がレッド・パージを受けたことを使用者が採否決定の資料としてよいかどうか問題である旨主張するが、企業秩序の維持安定のため使用者がレッド・パージ者の雇入を拒否するかどうかは使用者の自由に決し得るところであり、職業安定法第3条はもとより労働基準法第22条第3項もかかる使用者の雇入の自由まで封ずるものではないから、申請人の経歴詐称がA会社造船所をレッド・パージにより解雇されたことを秘匿するためのものであったとしても特にその不信義性を阻却するもので鶴見はなく、被申請人が申請人のレッド・パージを秘匿した点をも含めて前記経歴詐称により申請人を懲戒解雇にしたとしても何ら不当であるとは認められない。

(関係法令)

 職業安定法3条  労働基準法3条,22条3項

(判例集・解説)

 労働民例集14巻2号545頁  労働経済旬報553号28頁  ジュリスト314号87頁

 

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