資格取得の届出

 雇用保険の適用事業所の従業員は、適用除外者(被保険者とならない人)を除き、労働保険雇用保険の被保険者となります。そのため、事業主は新たに従業員を雇入れた時などには「雇用保険被保険者資格取得届」をハローワークに提出しなければなりません。

 雇用保険の披保険者となるのは、所定労働時間が週20時間以上で、31日以上引き続き雇用されることが見込まれる場合です。

【提出時期】  
  (1) 適用事業所を開設したとき
 (2) 適用事業所になったとき
 (3) 適用事業所で、適用除外とならない従業員を雇入れたとき
 (4) 適用事業所で、適用除外だった従業員が適用除外でなくなったとき

【提出期日】

 上記の事実のあった日が属する月の翌月10日まで

【提出先】

 事業所の所在地を管轄するハローワーク

【提出書類】

 届書にて 「雇用保険被保険者資格取得届」

  ⑪賃金(支払の態様 – 賃金月額 : 単位 千円)
   千円未満を四捨五入して千円単位とすること。

【添付書類】
・雇用保険に加入していた社員(再就職の場合)については雇用保険被保険者証  (過去に雇用保険に加入したことのある人からは、雇用保険被保険者証を提出してもらうこと。)
・短時間被保険者としての採用者は雇用契約書の控(写)
・兼務役員を被保険者にするときは、「兼務役員雇用実態証明書」
・季節的に雇用される者、短期の雇用の就くことを常態とする者も、雇用契約書を締結し、資格取得届に添付します。

 ハローワークは資格取得の確認を行って、事業主に確認したことを通知します。 「資格取得確認等通知書(事業主通知用)」「雇用保険被保険者証」[資格取得確認等通知書(被保険者通知用)]「雇用保険被保険者資格喪失届・氏名変更届」等が交付されます。

 雇用保険資格取得等確認通知書は会社で保管します。 雇用保険被保険者証は、すみやかに従業員に交付します。

 

社会保険の手続き

 従業員を採用したときは、社会保険の被保険者となるので、手続きが必要です。
 ただし、パートタイマーやアルバイト等は、下記の条件両方に該当する人が社会保険の被保険者となることにご留意ください。
 ① 1日の所定労働時間数が、正社員の4分の3以上であること 
 ② 1週間の所定労働時間数が、正社員の4分の3以上であること

 

「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」

 採用した日から5日以内に事業所管轄の年金事務センターに提出

※資格取得年月日から60日以上経過している場合は、賃金台帳と出勤簿のコピーが必要となります。

 

「健康保険被扶養者(異動)届」(採用した従業員に被扶養者がいるとき)

 採用した日から5日以内に事業所管轄の年金事務センターに提出

 

「国民年金第3号被保険者資格取得届」

 採用した従業員の配偶者(20歳以上60歳未満)が扶養になるとき
 採用した日から14日以内に事業所管轄の年金事務センターに提出

 

資格取得時の決定

 新規に被保険者の資格を取得した人の標準報酬月額は、次の方法によって決めます。

(1) 月給・週給など一定の期間によって定められている報酬については、その報酬の額を月額に換算した額

(2) 日給・時間給・出来高給・請負給などの報酬については、その事業所で前月に同じような業務に従事し、同じような報酬を受けた人の報酬の平均額

(1)または(2)の方法で計算することのできないときは、資格取得の月前1ヵ月間に同じ地方で同じような業務に従事し、同じような報酬を受けた人の報酬の額

(1)または(2)までの2つ以上に該当する報酬を受けている場合には、それぞれの方法により算定した額の合計額  (健康保険法 第42条)

 資格取得時の届によって決定した標準報酬月額は、報酬の額に著しい変動がなければ、そのまま変わらない。  資格取得によって決まった標準報酬月額は、その資格取得の日が5月末までのときはその年の8月分まで原則として変わらない。

 6月1日以後年末までの資格取得のときは、原則として翌年の8月分まではその標準報酬月額が使われる。

 

○特別支給の老齢厚生年金の受給者である被保険者で、定年による退職後継続して再雇用される人について

 使用関係がいったん中断したものとみなし、「健康保険・厚生年金保険資格喪失届」と「健康保険・厚生年金保険資格取得届」を同時に提出(同日得喪)しても差し支えないとされています。

 「被保険者資格取得届」には、新たな雇用契約を結んだことを明らかにできる書類の添付が必要です。
 ・退職したことがわかる書類
 ・退職辞令の写し
 ・再雇用時の「雇用契約書」 または事業主の証明書

 *定年を規定した就業規則を提出することが好ましい。

 

 「被保険者資格喪失届」および「被保険者資格取得届」を年金事務センターに同時に提出いただきますが、厚生年金基金や健康保険組合に加入している事業所の場合は、当該基金、健康保険組合にも確認が必要となります。

 健康保険の傷病手当金を受けている方の場合、この新たな「被保険者資格取得届」を提出されると、再雇用後の標準報酬月額をもとに給付額の計算が行われることになります。

 

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