外国人労働者の労務管理

 外国人の方は、入管法に定められた在留資格の範囲において、日本での活動が認められていますが、在留資格により労働が制限されています。

 外国人が持っている在留資格を就労の観点から見た場合、3つのグループに分けることが出来ます。

 

(1) 就労に制限のない在留資格

 「定住者」「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」

 身分や地位に基づいて在留活動が認められるもので、日本人同様に『職業選択の自由』が認められており、就労活動に制限はありません

 

(2) 在留資格に定められた範囲で就労が認められる在留資格  17種類

 外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、投資・経営、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術、人文知識・国際業務、企業内転勤、興行、技能、特定活動(ワーキングホリデー、技能実習生等)

 

(3) 原則として就労が認められていない在留資格(資格外活動)

  「留学」「就学」「研修」「家族滞在」「文化活動」「短期滞在」

「留学」・・・大学生や大学院生、専門学校生などの留学生、日本語学校の学生
「家族滞在」・・・就労ビザを持つ外国人の家族として日本在留を認められている人
「短期滞在」・・・観光客や会議参加のために日本へ短期で来ている人

 このうち、留学生や就学生、家族滞在者などは、入管から資格外活動の許可がある場合に限り、一定期間、一定の時間数でアルバイトをすることが出来ます。

 週に働ける時間数が決まっています。  
  留学生 1週間の稼働時間が28時間  就学生 1日4時間以内  など

 外国人を採用するに当たっては、その外国人が日本国内で就労可能かどうか確認することが必要です。

 採用時に、在留資格カード、パスパート、外国人登録証明書等で確認します。

 不法就労に当たる外国人を雇い入れないようにお願いします。

 「短期滞在」や「研修」などの就労が認められない在留資格で在留している外国人や在留期間を超えてあるいは上陸の許可を受けることなく滞在している外国人は就労できません。 

 不法就労外国人を雇用した事業主、不法就労となる外国人をあっせんした者等不法就労を助長した者は、入管法第73条の2により3年以下の懲役若しくは300万以下の罰金また併科に処せられます。

 

外国人労働者における労務関係の手続き

(1) 外国人雇用状況の報告  

 全ての事業主において、外国人労働者の雇入れ、離職の際にはその氏名、在留資格などについてハローワークへの報告が義務づけられています。

 対象となるのは、日本の国籍を有しない方で、在留資格「外交」「公用」以外の方が届出の対象となります。

 「特別永住者」は届出の対象にはなりません。

 届出は雇用保険の被保険者となる外国人の場合は、資格取得届や資格喪失届の「備考欄」に・国籍・地域・在留資格・在留期間・資格外活動許可の有無を記載します。

 雇用保険の被保険者とならない場合については、「外国人雇用状況届出書」を作成し、ハローワークに提出する必要があります。

Image of business people keeping their hands in pile symbolizing support and power

 

 届出を怠ると、30万円以下の罰金が科されます。

(2) ローマ字氏名届の提出  

 国民年金・厚生年金保険は外国人も加入の対象となりますが、その年金記録の適正管理のために、平成26年10月より「ローマ字氏名届」の提出が義務付けられました。    
 被保険者被保険者資格取得届及び氏名変更届を提出する際に、これまでの届出に加えて「ローマ字氏名届(様式第7号の2)」を添えて提出します。
 配偶者が外国籍の場合、国民年金3号被保険者の届出の際にも同様に、ローマ字により氏名を表記した書類を添えて提出することとされました。

(3) 外国人雇用労務責任者の選任

 常時10人以上外国人労働者を雇用するときは、人事課長等を外国人労働者の雇用労務に関する責任者として選任する必要があります。

 

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