秋北バス事件 最高裁大(昭和43・12・25)

(分類)

 就業規則   定年

(概要)

 労働条件を定型的に定めた就業規則は、一種の社会的規範としての性質を有するだけでなく、それが合理的な労働条件を定めているものである限り、経営主体と労働者との間の労働条件はその就業規則によるという事実たる慣習が成立しているものとして、その法的規範性が認められるに至っているものということができるとするもの。

 当該事業場の労働者は、就業規則の存在及び内容を現実に知っていると否とにかかわらず、また、これに対して個別に同意を与えたかどうかを問わず、当然にその適用を受けるとするもの。

 新たな就業規則の作成または変更によって、既得の権利を奪い、労働者に不利益な労働条件を一方的に課すことは、原則として許されないと解すべきであるが、・・当該規則条項が合理的なものである限り、個々の労働者において、これに同意しないことを理由として、その適用を拒否することは許されないとするもの。

 主任以上の職にある従業員に対して55歳定年制を新設することについて、定年制の企業運営上の意義、定年制の当時の実情、一般職との比較、嘱託再雇用の可能性等から不合理とはいえないとするもの。

(関係法令)

 労働基準法  民法

(判例集・解説)

 民集22・13・3459    判時542・14  

(関連判例)

 大曲市農協事件 最高裁第3小(昭和63・2・16)   
 タケダシステム事件 最高裁第2小(昭和58・11・25)  
 第一小型ハイヤー事件(平4) 最高裁第2小(平成4・7・13) 
 御国ハイヤー事件(昭58) 最高裁第2小(昭和58・7・15) 
 第四銀行事件 最高裁第2小(平成9・2・28) 
 朝日火災海上保険(石堂)事件 最高裁第1小(平成9・3・27)
 朝日火災海上保険(高田)事件 最高裁第3小(平成8・3・26)
 電電公社帯広局事件 最高裁第1小(昭和61・3・13)  
 朝日新聞小倉支店事件(地位保全仮処分申請) 最高裁大(昭和27・10・22)
 香港上海銀行事件 最高裁第1小(平成1・9・7) 
 日立製作所武蔵工場事件 最高裁第1小(平成3・11・28)
 京都新聞社事件 最高裁第1小(昭和60・11・28)
 羽後銀行(北都銀行)事件 最高裁第3小(平成12.9.12)
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 みちのく銀行専任職事件 最高裁第1小(平成12年9月7日)  
 中根製作所事件 最高裁第3小決定(平成12・11・28)
 フジ興産事件 最高裁第2小(平成15.10.10)  
 福岡雙葉学園事件 最高裁第3小(平成19.12.18)  

 

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