障害年金の種類
障害年金の種類
障害年金には国民年金の障害基礎年金と厚生年金の障害厚生年金と共済組合の障害共済年金の3種類があります。
障害年金では「初診日においてどの制度に加入していたか」ということで、障害基礎年金、障害厚生年金、障害共済年金の3つのうちのどの制度から障害年金が支給されるかが決まります。
初診日が国民年金加入中にあった場合は、障害等級が1級または2級に該当しないと受給できません。
それに対して、厚生年金や共済年金に加入中であった場合は、障害等級が1級、2級、3級に該当すれば受給できることになります。障害基礎年金に比べ、障害厚生年金・障害共済年金はより手厚い年金制度になっています。
障害基礎年金
障害基礎年金は、自営業者や専業主婦、学生などが加入する国民年金の加入していたときに初診日がある病気やケガによって障害の状態になった場合に受給できる年金です。
この年金は以下のような場合に受給ができます。
・自営業者や専業主婦、学生等が加入する国民年金加入中に初診日のある病気やケガで障害状態になった場合
・年金に未加入であった20歳前の病気やケガにより障害の状態になった場合
・国民年金に加入したことのある人で、60歳~65歳未満の間に初診日のある病気やケガで障害の状態になった場合
障害等級は1級と2級があります。3級はありません。
同じ病気の人でも初診日が厚生年金なのか国民年金なのかで、もらえたりもらえなかったりするのです。
経過措置による障害基礎年金
平成6年の年金改正前は、3級に不該当のまま3年が経過すると障害年金が失権となる規定が設けられていました。平成6年の法改正で65歳になるまでの間は支給停止に変わり、すでに失権の取扱いとなってしまっている受給権について救済する経過措置が設けられました。
受給要件
平成6年11月9日前に障害基礎年金または旧国民年金法による障害年金の受給権を有していたことがあり、平成6年11月9日において受給権を有していない者が、障害厚生年金等の支給事由となった傷病により
① 平成6年11月9日において障害等級1、2級の障害の状態に該当するとき
または
② 平成6年11月10日から65歳に達する日の前日までに障害等級1、2級の障害の状態に該当したとき
平成6年11月9日または障害等級1,2級の障害の状態に該当したときから65歳に達する日の前日までに、障害基礎年金の支給を請求することができるようになりました。
20歳前の障害基礎年金
国民年金や厚生年金に加入していない20歳前に初診日がある障害になったとき、障害等級2級以上に該当すれば、20歳から障害基礎年金がもらえます。
障害認定日は原則として、初診日から1年6ヶ月を経過した日(またはその前に傷病が治癒した日)ですが、この日が20歳に達する日の前にある場合、20歳に達した日が障害認定日とされます。
障害認定日に障害等級1級、2級に該当すれば、障害基礎年金がもらえます。
また、その時点で該当せず、その後65歳に達するまでに1級又は2級に該当すれば、事後重症の障害基礎年金となります。
20歳前障害に該当する場合は、保険料納付要件は問われません(無拠出年金)。
20歳前障害による障害基礎年金は保険料納付の必要がない無拠出の年金給付であるため、給付が国庫負担や他の被保険者の保険料で賄われていることから、本人の所得に基づく所得制限があります。前年の所得(本人のみの所得、家族の所得は合算されない)が、その方の所得税法に定める扶養控除配偶者及び扶養親族の有無及び数に応じて、政令で定める額を超える場合は、その年の8月から翌年の7月まで、その全部又は2分の一に相当する額が支給停止されます。
20歳前障害による障害基礎年金は保険料納付要件を問われない福祉年金的制度でして、次の場合は支給停止になります。
① 恩給法による年金をもらっている場合
② 労災による年金をもらっている場合
③ その他の公的年金をもらっている場合
④ 監獄、労役場その他これに準ずる施設に拘禁されている場合
⑤ 少年院その他これに準ずる施設に拘禁されている場合
⑥ 日本国内に住所を有しないとき
20歳前の厚生年金加入中に初診日がある場合(たとえば高校卒業して18歳で就職し、20歳前に障害になった場合)の障害は、20歳前障害に該当せず、障害厚生年金の適用になります。
この場合、1級、2級であれば障害基礎年金と障害厚生年金の両方がもらえます。
3級なら障害厚生年金のみになります。
障害厚生年金
障害厚生年金は、会社員などが加入する厚生年金の加入期間中に初診日がある病気やケガによって障害の状態になった場合に受給できる年金です。
障害厚生年金は1級~3級まであります。
1級・2級の場合は、障害基礎年金と障害厚生年金が併せて支給されます。程度の軽い障害の場合は、3級の障害厚生年金だけが支給されます。
経過措置による障害厚生年金
受給要件
平成6年11月9日前に障害厚生年金または旧厚生年金法による障害年金の受給権を有していたことがあり、平成6年11月9日において受給権を有していない者が、障害厚生年金等の支給事由となった傷病により
① 平成6年11月9日において障害等級1,2.3の障害の状態に該当するとき
または
② 平成6年11月10日から65歳に達する日の前日までに障害等級1、2、3級の障害の 状態に該当したとき
平成6年11月9日または障害等級1・2・3級の障害の状態に該当したときから65歳に達する日の前日までに、障害基礎年金の支給を請求することができました。
障害共済年金
障害共済年金は、公務員などが加入する共済組合の組合員加入期間中に初診日がある病気やケガによって障害の状態になった場合に受給できる年金です。
障害手当金
傷病により初め医師または歯科医師の診療を受けた日(初診日)において被保険者であった人が、その初診日から起算して5年を経過する日までの間にその傷病が治った日に、労働が制限を受けるかまたは労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残す場合に支給されます。
その治癒日において、障害の程度が3級より軽度に該当したことによります。
障害手当金は年金でなく一時金です。
障害手当金を一旦受給してしまうと、その後、障害の程度がどんなに悪化した場合でも、他の新たな傷病を発症していない限り、障害年金を再度請求することは出来なくなります。
ある傷病で障害厚生年金をすでに受給されている方に、さらに別の傷病が発生し、その傷病がもとで障害が残った(障害年金の等級には当てはまらない程度の障害)場合、後から発生した障害に対して障害手当金は支給されません。
腎障害など内科的疾患の場合は、症状固定が条件の障害手当金は支給されません。内科的疾患の場合は、症状が固定したとされることが医学的にないと考えられるからです。
*障害手当金の請求書というものはありません。
障害年金のことは『大分別府障害年金サポートセンター』の 伊﨑社会保険労務士 にお任せください。