人工肛門の造設

 大腸や肛門の病気を治療するために、大腸から肛門まで全部、あるいは直腸から肛門までを切除しなければならない場合があります。その際、腹壁に孔(あな)を開け、切除する場所の手前の腸管を孔から引きだし、そこから便を体外へ排泄できるようにしたのが人工肛門です。

 人工肛門は、造る目的と場所、その形によって、いくつかに分類できます。腸閉塞、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎 クローン病)や先天性腸疾患(ヒルシュスプリング病 鎖肛)などの治療の一環として人工肛門がつくられることがあります。この人工肛門は、時期がくれば、もとの状態に戻せる場合があります。このような目的でつくられたものを一時的人工肛門といいます。  これに対して、直腸癌や肛門癌などの治療のために、肛門を切除してしまう場合の人工肛門を、永久的人工肛門といいます。

 人工肛門とは、人工的に造られた肛門(便の出口)のことで、ストーマともいいます。人工肛門という器具があるわけでなく、ご自身の腸の一部をお腹の壁に出して、そこから便が出るようにしたものです。結腸で造る場合と小腸(回腸(かいちょう))で造る場合があります。

 

 人工肛門、人工膀胱、尿路変更、それぞれ単独のものは3級です。

 障害の程度を認定する時期は、次により取り扱います。人工肛門を造設し又は尿路変更術を施した場合は、それらを行った日から起算して6月を経過した日(初診日から起算して1年6月を超える場合を除く)とします。

 人工肛門を造設し、かつ、新膀胱を造設した場合は、人工肛門を造設した日から起算して6月を経過した日又は新膀胱を造設した日のいずれか遅い日(初診日から起算して1年6月を超える場合を除く。)とします。

 人工肛門を造設し、かつ、尿路変更術を施した場合は、それらを行った日のいずれか遅い日から起算して6月を経過した日(初診日から起算して1年6月を超える場合を除く)とします。

 人工肛門を造設し、かつ、完全排尿障害状態にある場合は、人工肛門を造設した日又は完全排尿障害状態に至った日のいずれか遅い日から起算して6月を経過した日(初診日から起算して1年6月を超える場合を除く)とします。

 全身状態、術後の経過及び予後、原疾患の性質、進行状況等によっては、総合的に判断して上位等級に認定されることがあります。

 人工肛門のみならず、他にも新膀胱を造設していたり、全身状態が悪かったりする場合は、総合的な判断から2級以上のさらに上位の等級に認定される可能性があります。

 人工臓器の造設などを行なった場合は、「その他障害用の診断書」(様式第120号の7)を使用します。

 

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