球脊髄性筋萎縮症

 球脊髄性筋萎縮症とは、Spinal and Bulbar Muscular Atrophy: SBMAの訳で、脳の一部や脊髄の運動神経細胞の障害により、しゃべったり、飲み込んだりするときに使う筋肉や舌の筋肉、さらには手足の筋肉が萎縮する病気です。

 日本全国で2000~3000人くらいの患者さんがいるものと推定されます。
 男性のみにおこる遺伝性の病気です。通常30~60歳ごろに発症することが多いとされています。

 この病気の原因は、男性ホルモン(アンドロゲン)を受け取るアンドロゲン受容体という蛋白質の遺伝子に異常があることがわかっています。アンドロゲ ン受容体の遺伝子の中にはCAGという暗号(核酸)の繰り返しがあり、その数が正常の人では36個以下ですが、患者さんでは38個以上に増えています。

 この病気では、しゃべりにくい、食事の際にむせやすい、顔がぴくつく、手足がやせて力が入らないといった症状が中心です。また、男性ホルモンの作用が多少低下するため、乳房が大きくなることもあります。

治療法
 現在のところ決定的な治療法はありませんが、男性ホルモンの分泌を抑える治療法の臨床試験が進められています。

 症状はゆっくりと進行します。40歳代くらいで発症する人の場合、10年程度の経過でむせやすくなり、15年程度の経過で車イス生活になることが多いようです。むせが強くなると、食べ物が誤って気管に入り肺炎をおこしやすくなります。

 日常生活で手足を適度に動かすことは、廃用性萎縮の予防となり重要です。むせやすい場合、水分にとろみをつけるなど食形態の工夫を行うことが、誤嚥性肺炎の防止につながります。

 

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