『国民年金』と『厚生年金保険』

 年金とは「年金保険」の略であり、「保険」という名が示すように、保険料の掛け金に見合った支給が原則です。

 国民年金法と厚生年金保険法という法律の名称。厚生年金保険は「保険」という用語が入っていますが、国民年金は国民年金保険とは言いません。

 また、厚生年金は「保険給付」と言いますが、国民年金は「給付」でやはり保険給付とは言いません。

 国民年金も、原則は保険料を払った人だけが払った分に応じて年金を受け取る、一方保険料を払わなかった人には年金は出ないという「保険」の仕組みをとっています。

 ところが、国民年金の場合、保険料を支払うだけの余裕がない場合、保険料を全額または一部免除してもらえることになっています。また、学生や専業主婦も原則的には、保険料を支払わなくてもかまいません。さらに、一定の障害を持つ人には、全く保険料を納めたことがなくても、給付を受けることが出来るというケースもあります。つまり、国民年金は「保険」を超えた福祉的な側面がありますので、あえて保険という単語を入れていないわけです。

 ですので、国民年金保険、保険給付とは言わず「国民年金法」「給付」という用語が使われています。

※とはいっても、国民年金も「被保険者」、「保険料」という用語は使います。国民年金も基本は「保険」です。