介護の費用

介護の費用  施設と在宅

 在宅介護は月々5万円が目安

 日常生活のすべてに助けが必要な状態でも、さまざまな介護サービスを利用すれば、自宅でお世話することは可能です。在宅介護なら、月々の自己負担は5万円以内。認知症で寝たきりのおひとり様でも、最期まで自宅で過ごす方もいます。

要支援2の人の場合

 (日常生活の支援が必要な状態)

 1カ月にかかる費用 約3,400円 

要介護3の人の場合

 (食事、入浴、 排せつなど日常的な動作すべてに介助が必要な状態)

 1カ月にかかる費用 約24,000円

要介護5の人の場合

 (寝たきりで、日常生活のすべてに介助が必要な状態)

 1カ月にかかる費用 約39,000円

 他に、通所介護の食費(1回約500円)、ショートステイの居住費(1日約2000円)、食費(1日約1400円)などがかかる。

 

在宅介護で使えるサービス

 訪問介護

  身体介護……食事、排せつ、衣類の着脱、入浴などの手伝い。 

  生活介助……掃除、洗濯、買い物など家事の手伝い。

 通所介護(デイサービス)

  日帰りで施設に出かけ、介護サービスやリハビリなどを受けられる。 

 訪問看護

  看護師が自宅に訪れ、病状の観察、脈拍や血圧測定、注射、点滴、服薬管理などを行う。

 ショートステイ

  短期間、施設などに宿泊しながら介護サービスを受けられる(連続しての利用は30日まで)。

 介護施設

  月々5~30万円が目安

 

特別養護老人ホーム(特養)を利用する場合  

 要介護3以上に限られる

  公的施設である特養には、初期費用はなく、月額で利用料がかかる。補助金や助成金が入るので、利用料は民間より安い。

  相部屋(月額) 約5~10万円

  個室(月額) 約13~15万円

民間の有料老人ホームを利用する場合

 民間の施設は、提供できるサービスが幅広い。利用料は特別養護老人ホーム(左)より高く、設備などによって価格差が大きい。

  入居時に払う費用 約0~数千万円

  月額利用料 約12~30万円

 

 在宅介護は約300万円

 施設は約600万円の貯蓄を

 経済的な面から見れば、在宅介護にはメリットがあります。ただし、肉体的、精神的な負担も大きいので、一人で抱え込まないことが大切です。

 一方、施設の利用にはお金がかかります。平均介護期間は約5年(注)なので、少なく見ても、約600万円の蓄えは必要です。しかも、施設に入れたからといって、必ず高齢者が幸せな介護が受けられるとは限りません。施設を事前によく見て、納得できる所を探しましょう。

 特に大事なのは、「介護のために安易に仕事を辞めないこと」。

 仕事を辞めたら楽になると思っても、収入が減ったり、気分転換の時間がなくなったりして、かえって大変になるからです。

 在宅と施設のメリット・デメリットを冷静に検討して上手に利用したいものです。