東京一極集中で地方も復活

 「東京では仕事が余り、地方では人が余っている」以上、この流れを止めることはできないでしょう。強制的に移住を禁じたり、東京での企業活動を制限するわけにはいかないからです。

 東京の再開発は、日本全体にとって大きな意味を持つ。幸福実現党が主張するように、核シェルターを兼ねた地下空間の開発や大地震を見据えた耐震・耐火住宅への建て替え促進など、首都防衛を強化する方向で大改造を施すべきです。

 主な政党が主張している安易な地域主権の議論は、かえって地方を衰退させる恐れがあるので要注意です。

 日本のGDPは中国に追い抜かれ、巷間は悲観論に満ちています。しかし、東京は依然、世界一の経済都市です。PWC(プライスウォーターハウスクーパース)の2008年統計によれば、東京圏は世界一位の座にあり、2025年においても依然、トップの座は揺らがないとの予測が出ています。東京は国家と比較しても、都内総生産がオーストラリア、メキシコ、韓国のGDPに匹敵する巨大な経済パワーを有しています。

 しかし、「都市力」という観点から東京を見た場合、東京には多くの課題があります。

 PWCの「世界の都市力比較 2012」(Cities of Opportunity,PWC, 2012) によれば、世界の主要都市27都市の比較の中で、東京は交通、インフラ、技術革新等において高い評価を得ているものの、「産業・生活のコスト」「自然災害のリスク」は最下位(27位)、「オフィスの賃貸料」は27都市中、2番目に高い26位という結果になっており、「都市力」総合ランキングは世界第10位に甘んじています。アジアの諸都市と比較しても、東京はシンガポールや香港の後塵を拝し、ソウル、北京、上海の追い上げを受けています。

 こうした国際比較からも、住宅やオフィスの賃貸料が高くて狭い上、自然災害に弱い東京の課題が見えてきます。こうした課題は、東京の都市計画の失敗に由来します。

 マンハッタンは広い道路で整然と仕切られた大きな街区に高層ビルが林立しています。一方、東京は細く、曲がりくねった道路に囲まれた小街区に低層の建物が密集しており、土地の利用効率が悪い都市構造になっています。

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