アンチエイジング 人間の中に眠る「驚異の再生力」

 ずっと若々しくありたい。それは男女問わず、万人の願いでしょう。

 高齢化が進む社会では、生涯若々しく、元気でいることが重要となります。そのような中、注目を集めているのが、アンチエイジング(抗老化)の研究です。現在、その研究が世界各国で行われています。近い将来、「実年齢より50歳、若く見える」というのも、夢でなくなるかもしれません。

 

瞑想で、細胞レベルの若返りが活発に

 アンチエイジングのカギの一つが、テロメアです。テロメアとは、細胞の染色体の末端部分のこと。テロメアは細胞が分裂するたびに短くなっていき、一定以上短くなると細胞分裂ができなくなり、若い細胞が生まれなくなります。これがシワやたるみ、シミなどの老化の原因です。

 米カリフォルニア大学ロサンゼルス校のエリザベス・ブラックバーン博士は、テロメア研究でノーベル生理学・医学賞を受賞した第一人者。現在、テロメアを伸ばす酵素「テロメアーゼ」を増やし、テロメアを伸ばせるかについて研究を進めています。同大学の研究チームは、自宅で簡単にテロメアーゼを増やす実験に成功しています。その方法は「瞑想」です。40代以上の女性23人に、瞑想を毎日12分、2ヵ月間行ってもらったところ、テロメアーゼが平均43%も増加したという(5月16日NHK総合「クローズアップ現代+」)。ブラックバーン博士は、著書『テロメア・エフェクト』の中で、瞑想以外にも、「軽めの有酸素運動」「野菜や魚、海藻を中心としたバランスのよい食事」「7時間以上の睡眠」「人との温かい関わり」など、これまでも健康によいとされてきた生活習慣が、テロメアレベルでも効果的だと指摘しています。

 

長寿遺伝子を活性化させるには、腹八分目の食事

 また、最近の研究では、「長寿遺伝子」と呼ばれる遺伝子の存在も明らかになっています。これは「サーチュイン遺伝子」と名付けられ、人間の細胞にはこの遺伝子が50~100個あると言われています。

 ただ、この遺伝子は普段は眠っています。遺伝子が活性化すると、細胞内でエネルギーを作り出すミトコンドリアが増え、古くなったミトコンドリアや異常なタンパク質が除去されます。結果、細胞を傷つける活性酸素の除去、細胞の修復、脂肪の燃焼、動脈硬化や糖尿病、シワやシミの予防などにつながります。

 つまり、サーチュイン遺伝子を活性化させられれば、老化を遅らせ、寿命を延ばすことが可能なのです。

 サーチュイン遺伝子を活性化させる方法の一つが、「カロリー制限」です。金沢医科大学の研究グループは、2011年、30~60代の男性にカロリーを25%制限した食生活を7週間続けてもらったところ、サーチュイン遺伝子がつくる酵素の量が約4~10倍も増えたことを、世界に先駆けて明らかにしました。昔から「腹八分目の食事」と言われていますが、これは医学的にも理に適っていたことが示されたのです。

 また、米ハーバード大学の研究チームは、赤ワインに含まれるポリフェノールの一種「レスベラトロール」をマウスに投与したところ、サーチュイン遺伝子が活性化され、寿命が延びたことを示しています。

 

人間の体には、再生パワーが眠っている

 こうした研究が進めば、将来的には肉体の若さを保ち、老後の病気を防ぐことができるようになるかもしれません。

 さらに、科学的にも興味深いのが、「人体の再生パワー」です。古代エジプトでは、水晶などの力を用いて、戦などで失った手足を再生させるという「再生術」が行われていました。

 人体について、幸福の科学大川隆法総裁は、「人間の遺伝子のなかには、人体すべての設計図が入っているわけであり、内臓であろうと、骨であろうと、脳であろうと、頭蓋骨であろうと、手足であろうと、人生の途上において、けがや病気で体の一部分が使えなくなったとしても、遺伝子の力を素直に働かせることができれば、その部分を再生することは可能なはずです」と指摘しています(『超・絶対健康法』)。

 アンチエイジングや再生医療の研究が進み、瞑想を取り入れたり、生活習慣を改善したりすれば、人間の中に眠る再生力を引き出すことができるかもしれません。

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