アベノミクスの限界

 景気をよくして日本経済を成長させるなかで税収も伴ってくるという考え方と、財政再建が先だという考え方のどちらを取るのかが戦っている。

 安倍政権発足時の景気をよくしたい等の思いはよかったことで株価が上昇し、もう一歩で成功するところだったが、期待できたのは2013年夏ぐらいまでである。

 費税増税の導入を決めた秋あたりから正体はバレており、アベノミクスは成功はしていないと判定されます。

 幸福の科学の大川隆法総裁は、『忍耐の時代の経営戦略』で、次のように説いておられます。

「一年余りのアベノミクスの成果ですが、私の判定では残念ながら50点も出ていません。はっきり言えば、「成功はしなかった」ということです。「失敗した」と言えば、言い方が悪いかもしれませんが、「成功はしていない」というのが私の判定です。つまり、もう一歩で成功するところだったわけです。たとえて言えば、ノックをしたら、もう少しで小屋のドアが開いてヒツジさんが出てきたのに、オオカミが、自分から長い鼻や大きな口を見せてしまったような感じでしょうか。あるいは、「おばあさんですよ」と言ったのに、オオカミの足が下からのぞいて、爪が見えてしまったというようなものかもしれません。確かに、「出だし」はよかったのです。幸福の科学の教えにあるように、まずは、何事も「思い」から出発するので、ある程度、「こういう思いを持っている」とか、「こういう願いを持っている」とかいうのがあった上で、それを実現しようとする方向に世界は動いていきます。その「思い」を成功させる方向で、人や物、情報など、いろいろな要素が協力するかたちで集まってくると、だんだんに実現していきますし、さらに、そのステージが上がるたびに精度を増すべくイノベーションをかけていけば、進んでいくわけです。ただし、智慧の介在は、当然必要になるでしょう。安倍政権については、その発足時にあった「景気をよくしたい」「経済を回復して、『ジャパン・イズ・バック』としたい」という思いはよかったため、その思いに反応して、首相就任以前から株価の上昇が始まっていました。一年の成果としては、日経平均が、ここ数年では、最低で七千円台ぐらいまで行ったところから、2013年は、1万6千円台で終わったわけです。倍ぐらいの上がり方をしたことからすると、「思い」が当たった面があるのではないでしょうか。ただ、実態はよく見なければいけないでしょう。まだ、ムードの部分だけで止まっているところがあり、そうした掛け声を何度か聞いているうちに、「景気がよくなった」と思っているのですが、残念ながら、期待できたのは去年(2013年)の夏ぐらいまでです。消費税増税の導入を決めた秋のあたりから、「オオカミさんの白い足の正体がバレて爪が見え、一呑みにできるような大きな口を開けたら牙が覗いた」というようなところがあります。やはり、「本当の意味で、企業の景気をよくして、日本経済を成長させ、日本自体の体力をつける。そうしたなかで、当然ながら税収も伴ってくるのだ」という考え方を取るのか、「財政再建のほうが先で、とにかく政府を潰れないようにすることが大切なのだ」という考え方を取るのか。基本的に、こうした二通りの考え方が戦っているのです」

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