マイナンバー制の問題

 マイナンバー制度とは、国民一人一人に生涯使う番号を割り当て、あちこちに分散する個人情報を、役所が一元管理するものです。

参考

 マイナンバー法は、2013年5月に「国民の利便性」「行政効率化」「公平・公正な社会の実現」を目的として、「税・社会保障・災害対策」の3分野に利用を限定して成立しました。

 ところが、本格運用開始前の2015年9月に「預金口座」(任意)、「特定健診の結果」などとヒモ付き化させる等の「利用範囲を拡大する法改正」が行なわれました。

 

 マイナンバー制の問題

1 「財産税」への道になる

 マイナンバーが銀行口座などと連結すると、税務当局は個人の資産を把握できます。その結果、金融資産などに課税する「財産税」を掛けることが容易になります。実際、「マイナンバーによって金融資産課税へのハードルが下がる」とする識者の声もあります。 しかし、財産税をかけることは、富裕層や資本を海外へ流出させることになるのです。

2 国家による“監視社会”を招く

 マイナンバー制度が銀行口座やクレジットカード、健康保険証、戸籍などに拡大していくと、収入から資産、そして生活まで、国家の管理下に置かれてしまいます。国家によってプライバシーが侵害され、国民の「自由」が奪われていきます。 また、万一、独裁的な権力が誕生した場合、治安維持や事件捜査を名目に、個人情報を調べ上げ、国民を監視することができます。

3 情報流出リスクが高い

 以前、125万件に及ぶ年金情報の漏洩が発覚しましたが、利用範囲が拡大するためマイナンバー制度の情報流出リスクはさらに大きいと言えます。しかも、情報が芋づる式に漏れるため、被害も甚大です。 また、諸外国では、こうした共通の社会保障番号に対する危険性が指摘されています。アメリカでは、「なりすまし」による被害が、2006年~2008年の3年間で1170万件となり、被害額は毎年5兆円に上るという調査もあります。韓国では、昨年1月、約2000万件の住民登録番号などが流出。アメリカや韓国では、共通番号の使用を見直す動きが始まっています。

4 民間企業への負担が大きい

 民間企業は自前でセキュリティシステムを用意しなければならず、対応におけるコスト負担の平均額は約109万円。従業員数が多くになるにつれて上昇し、1000人超の企業は平均約581万円を負担することになります(帝国データバンク調べ)。民間にとっては、メリットよりも義務感の方が大きいと言えるでしょう。 また、民間企業は、社員のマイナンバーを厳正に管理することが求められます。万一、従業員などの情報を外部に漏らすと、最高で4年以下の懲役や200万以下の罰金刑を科せられます。

5 多額の費用がかかるが、効果はあまり期待できない

 マイナンバー制度の導入には、約3000億の予算が必要とも言われ、総工費が高すぎるとされた「新国立競技場」を上回る費用が掛かります。しかし、数千億単位の投資をしたとしても、捕捉できる税収は未知数で、投資額を下回るという研究もあります。 費用対効果が期待できないならば、監視社会を招き、個人情報流出の危険を犯してまで導入する必要などありません。

 

マイナンバーの何が怖いのでしょうか。

1 我々の収入や資産、生活の全てが国家の監視下におかれる

 つまり、我々のお金の流れが丸裸にされるということなのです。 2018年に予定通りマイナンバーの利用範囲が「預金口座」(任意)、「特定健診の結果」などに拡大されれば、撤回は困難です(2021年には義務化を検討)。マイナンバーは、国家による「のぞき見、監視社会」へとつながり、私たちの「資産」の全容が容易に把握できるようになった結果、資産への課税が強化(増税)される恐れもあります。

2 情報流出による被害が大きい

 実際、マイナンバーを導入した国々では、様々なトラブルにより、制度の見直しが行われています。 

 現在、マイナンバー法の適用範囲は「社会保障」「税」「災害対策」に限定されています。 しかし今後は、健康保険証やクレジットカード、銀行口座などにもヒモ付けする予定になっています。 さらに、NHKの受信料の徴収や各種ポイントカード、交通系ICカードにまで拡大しようという話も出ているといいます。

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