宗教と医学の協調が治療効果を高める

生活習慣病に対応できない西洋医学

 生活習慣を改めることなしに、生活習慣病を治すことは難しい。いくら薬を飲む「習慣」を身につけたところで、根本解決にはならず、いつまでも薬を飲み続けることになってしまう。その意味で、生活習慣病の治療において、医者は十分な役割を果たせていない。

 糖尿病の治療を受けている日本人は500万人以上に上り、症状が重くなって人工透析を受ける患者は毎年約1万5千人のペースで増え続けている。透析の医療費は1人当たり年間約500万円かかり、2012年の糖尿病の治療費は年間で計1.2兆円に達した。生活習慣の改善がいかに難しいかを示している。

 また、日本人の死因第1位の がん も、飲酒、喫煙、食生活やストレスなどの生活習慣が主な原因である。がん細胞自体は体の中で毎日生まれているが、免疫細胞がそれを退治してくれている。生活習慣が乱れて免疫力が低下すると、がん細胞の増殖が上回って発症に至るので、がんも生活習慣病の一種と言える。

 だが、西洋医学は、人間をあくまで物質や機械として捉えて、病気はその故障のように解釈する傾向が強い。そのため、治療方法も、手術や薬など物質的なアプローチに偏っている。

 生活習慣に基づく現代の病気に西洋医学は十分対応できていないわけだが、生活習慣のもとには、一人ひとりの性格や考え方、意識の問題がある。ならば、医者に求められる見識も当然変化しなければならない。

 

薬剤師・栄養学博士(米AHCN大学)・ボディトレーナー 宇多川久美子さんより

 医学は日進月歩で、新しい薬が開発され続けています。しかしながら、全国で患者数は増え、医療費はかさむ一方です。

 私は数年前まで、調剤薬局に勤めていました。高血圧の薬などを患者さんに渡す際には、「一生のお付き合いになりますから」と伝えていました。しかし、「一生の付き合い」ということは、「薬で病気は治らない」ことを意味します。特に、慢性疾患では、薬は症状を抑えるだけで、治すことはできません。

 薬が有効なのは、あくまで緊急時です。出血多量なら止血剤が必要だし、重症の感染症にかかったら、抗生剤を使うべきです。一方、生活習慣病は、偏食や過度のストレス、運動不足などの習慣が原因なので、それを正さない限り治りません。

 むしろ、薬を日常的に服用することは、健康にかなりマイナスです。薬を飲むことで、体中の酵素が奪われてしまうのです。すると、代謝も悪くなり、体温が下がります。体温の低下は免疫力も下げてしまいます。習慣的に薬を飲んでいると、肝心の免疫力が落ちてしまい、病気にかかりやすくなるわけです。

 そもそも、薬は合成物質であり、体にとっては異物です。ワクチンも含めて、副作用のない薬はありません。薬と毒は表裏一体なのです。

 

自分の中に名医がいる

 血圧やコレステロールの基準値はどんどん厳しくなり、そこを超えると薬が処方されます。しかし、人の体型もさまざまです。たとえ血圧が150mmHgあったとしても、快適に暮らせているなら それがその人の正常値ではないでしょうか。実際、高血圧の薬を飲み始めてから、「体がだるくなった」という声を聞くことがあります。血圧が高い人には、何か高くないといけない理由があって、調整が働いているのだと思います。体の中には、自分にとっての名医がいると考えてください。

 風邪やインフルエンザにかかると熱が出ますが、これも体が免疫力を高めようとしている証拠です。解熱剤で下げるのが必ずしもよいとは言えないのです。

 生活習慣病の患者は、「運動する時間がない」などの理由で、薬に頼りがちですが、薬は習慣まで治してくれません。まず、「自分の体を苦しめてきた習慣は何か」を考えることが大事です。意識が変われば、行動が変わり、行動が変われば、習慣も変わります。

 

宗教と医学の協調が治療効果を高める

 この100年ほどの間、医学が目覚ましい進歩を遂げているのは事実です。抗生物質の発明によって、感染症で亡くなる人は激減。また、医療技術の向上によって、妊娠・出産時に亡くなる女性は100分の1以下に減るなど、人類は多くの恩恵を受けている。

 だが、唯物論に基づく現代医学は、「人間の本質は肉体に宿る魂」という真実を見落としている。これが現代医学の治療に限界をつくっていることは否めない。あくまでも、肉体を「物」として捉えているため、それを治療するのに、手術や薬など物質的な手法に頼らざるを得ないでいる。過剰な治療の背景には、こうした考え方の行き詰まりもある。

 一方、宗教は心の持ち方という、内側からのアプローチで病気を治すことを試みる。ならば、外側からの物質的なアプローチを中心とする医学が宗教と協調し、補完し合えば、治療効果が高まる。その意味でも、医学自体が霊的真実に目を開くことが求められる。

心をなくした医学には問題がある

 病気そのものについては、薬やメスなどの物理的なアプローチだけでなく、心へのアプローチも考えるべきです。 

 幸福の科学では、病気が治るメカニズムにおいて、医師による治療の効果を認めつつも、心の変化が重要であると考えている。人間の本体は魂、心であり、その心が「怒り」や「失望」などの間違った思いを持ちつづけると、それが肉体に現れて病気となる。そのため、がんなどで医者にさじを投げられたにもかかわらず、反省や祈りによって回復したというケースも多く報告されている。生活習慣病は間違った習慣やバランスが崩れた生活が原因であるが、これも心の乱れからくるものといえる。

 今後、病気の予防についても、医学と宗教の協力が必要になってくるでしょう。

 人間の体はおよそ60兆個にも上る細胞からできていて、日々、古い細胞が死んで新しい細胞がつくられている。たとえ外見上は変化していないように見えても、実際には、1年も経たないうちに人間の体の中身はすっかり入れ替わっている。

 新たにどのような細胞をつくるか決めているのは、必ずしも遺伝子ではなく、その人の心の持ち方によるところが大きい。その意味でも、自分の心を振り返る「反省」や「感謝」は病気を好転させる力がある。

 大学の医学部では、心の持つ力などについて教えないため、多くの医者はそれを知らないし関心もないかもしれない。

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