永久国債は年金国債とは違います

 ここで言うのは、普通の国債のように「10年で返す」といった期限がない「永久国債」。「永久国債」にあたるものが発行された前例は、18世紀のイギリスや、江戸時代の薩摩藩、明治時代の日本にもあります。これは、無利子で返済期日のない永久国債。普通の国債のように転売することも、使わずに子孫に相続することもできます。

 一方、年金交付国債は交付国債の一種で、基礎年金の国庫負担の財源不足を補うために年金財源として交付される国債です。

民主党政権下において、基礎年金の国庫負担分のうち2.5兆円を賄うために、2012年度に いわゆる埋蔵金で賄いました。国庫負担で不足する財源を将来の消費増税での返済を当て込んで一時的に賄う仕組みであったため、「負担の先送りだ」との批判が出て問題となりました。

参考

 事実上財政破綻したギリシャや、その寸前のイタリアなどは、実質的にこの「年金債」で財政危機を深刻化させた。つまり、公的年金・医療に充てる資金を他国からの借金に頼っていたため、今回のユーロ危機を招いたのです。

 アメリカの地方自治体も、この「年金債」を発行していた。例えば、オバマ大統領の地元のイリノイ州は、年金給付金の支払いのメドが2011年以降つかなかったため、年金債を発行した。さらに資産売却を進めるなどして資金調達に努めているが、この年金債に買い手がつかなくなったら、財政破綻してしまう。

 借金をして年金など社会保障にお金を回すというのは、それこそ、将来世代に重いツケを回すことになるのです。

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