先の大戦をフェアに評価する

大川隆法 未来への羅針盤 ワールド・ティーチャー・メッセージ No.247

インド独立と日本の戦い

 戦後史は改ざんされているので、相当手直しする必要があります。

 インドはイギリスから150年も独立できず、抵抗運動をやってもいつも負けてばかりでした。しかし、日本の戦争があったおかげで、結果的に独立できています。それに感謝しているインド人はかなりいますが、日本は正確に評価されていないと思います。

 インド独立のために死んだ日本人は何万人もいます。特にアジアの国々が独立したのは、白人が日本の軍隊に敗れていく姿を現実に見たことがかなり大きかったのです。

 イギリスの「不沈戦艦」と言われたプリンス・オブ・ウェールズやレパルスなど、当時の最新鋭艦が日本の航空爆撃機で沈められました。アメリカも、ハワイの真珠湾で「航空艦隊決戦」という人類史上初めての作戦で日本の猛攻を受けています。

 当時、「有色人種は、絶対に白色人種に勝てない」という思想が蔓延していました。インド人もカースト制のさらにその上に白人がいるように思っていて、どうしても勝てなかったのです。アジア、アフリカ諸国が独立できたことへの日本の貢献は非常に大きいので、日本が行ったことが全部悪だったかのように言うのは間違っています。本当に解放戦争をするつもりで戦った人たちはかなりいて、日本神道の主流の神様たちも応援した面があります。

 もちろん、戦争そのものには悲惨な面があるので、それを部分的にとらえれば何とも言えないところはあります。

 ただ、マッカーサーは「平壌に原爆を落としたい」と言った段階で、実は日本が間違っていなかったことが分かっていたのです。それまで、欧米の人々は日本を「オウム教」のように、皆狂っていると思っていました。現人神である天皇が治めていて、木でも石でも、サル でもヘビでも、何でも拝むような、未開の宗教の民族だと思っていました。白人が日本人の絵を サル として描くことがありましたが、相手が サル だと思って攻撃していたのです。地球の裏側だからよく分からなかったのでしょう。

 現実には、アメリカはインディアンの土地を奪い、ハワイやグアムも取りましたが、なぜあちらもこちらも取っていいのでしょうか。実際は侵略戦争です。

 歴史は勝者がつくっているものなので、仕方がないと言えばそうなのですが、時代の流れの中では勝者と敗者が入れ替わり、価値観が変わります。もっと日本は自立する必要があります。

 当時のアメリカには、もう一段、マクロでの考え方がなかったのではないでしょうか。日本がヒトラーかサダム・フセインに治められているように見えていたのだと思います。

 開戦時の大統領であるルーズベルトも、アメリカは戦争をしないと公約して大統領になったので、日本から戦争を仕掛けさせようと策を巡らせていたことが分かっています。日本に石油や鉄など、エネルギーや物資が入らないように包囲したら、国が成り立たなくなって絶対に戦争を始めるということを知っていて締め上げました。戦争前には、オンボロの木造船をフィリピン辺りでふらふらと走らせ、日本を挑発したりしています。

 ハワイ王朝を滅ぼしてアメリカ領にしたことにも正当性はないのです。ただ、その結果が元より良くなったと感じるなら、受け入れる余地はあるかと思います。

 

アメリカの原爆投下の是非

 ルーズベルトの後を引き継いだトルーマンが原爆を落としたのは、戦略上アメリカ人を死なせないようにして勝つために、それがよいと判断したということだと思います。

 ただ、その後、アメリカはベトナム戦争、アフガン戦争、イラク戦争と、ずっと戦争をしては死者が出て被害が出て、じわじわと国が病み、それがボディ・ブローのように効いています。

 原爆は日本も研究していたので、実は一歩違いで先にやられた面はあり、文明実験として日本に使われたのは悲しいことです。しかし、本来は使ってはならない兵器です。保持していて外交カードとして脅すのが限度で、実際には使えないカードです。

 原爆の投下については、今の時点ではアメリカの大きな問題です。アメリカは、どこかで大きな負けを経験しなければいけないのだろうと思いますが、自分たちは死なずに、相手だけが死ぬような兵器だけで戦い続けると、それが分からないところはあると思います。

 朝鮮半島に原爆を落とすということについて言えば、やはり落とすべきではないでしょう。ただ、結果的に朝鮮半島が分断されたままになっていることは不幸です。これは、中国が強くなったためそうなっています。しかし、東西ドイツの壁が破れたように、情報統制が破れたときに南北の壁は破れると思います。

 北朝鮮の人たちは、韓国やアメリカ、日本は「非常に悪い」と信じ込まされています。実際どうなのかが分かり、民衆の力が解放されればいずれ統一されるでしょう。韓国の自由と民主主義側の考え方で北をのみ込むスタイルが望ましい。また、南北両国の軍隊を合わせると二百万人近くなるので、絶対にこれを軍縮させ、軍事費用を減らして復興に充てさせないといけません。

 その時、日本が自主防衛した上でアメリカと共同すれば十分に対抗できますが、それができなければ、中国が朝鮮半島をのみ込み覇権を握る時代となるでしょう。

 CNNは中国にも入っていますが、天安門事件の二十年記念の放送は 8分間ブラックアウトして映らなくなりました。戦車隊が国民を大勢殺している映像を写したくないので、国家が操作したのです。全体主義的なものが残っていて「悪い国」です。

 結局、アメリカが助けた中国が「悪い国」になり、大勢の中国人が苦しみました。そして、一方で台湾が発展したことの説明がつかないのです。中国は、「日本のせいで私たちは不幸になった」と言い続け、「教科書問題だ」「靖国問題だ」などと延々と国内に宣伝しています。でも、実際は自分たちが経済原理を知らず、政治体制が悪いために発展が遅れたのです。

 

アメリカの戦争犯罪

 「マッカーサーが平壌に原爆を落としてそれで済ませたらよかったのか」ということについては、やはりやめてよかったと思っています。

 それに加え、アメリカの戦争犯罪も、実際はあるわけです。東京大空襲で何万もの民間人を一晩で焼き殺すというのはやってはいけないことです。日本は真面目に軍隊同士の決戦をしていますが、これは近代の戦争のルールでも認められています。ハワイの真珠湾攻撃でも、軍艦は攻撃しても民間は全然攻撃していません。すごくフェアです。

 一方、アメリカは、兵站を絶つため武装していない日本の輸送船から沈めました。都市に焼夷弾を落とし、広島・長崎に原爆を落とし、民間人をたくさん殺したことは国際法上戦争犯罪に当たります。でも、勝っているので誰も文句を言わないのです。

 朝鮮戦争が原爆を落とさずに止まったのは、それはそれでよかったと思います。しかし、日本の「植民地解放戦争」の中に大義名分が半分以上はあったことの方が重要です。

 もし、日本が戦わなければ、まだアジア・アフリカで植民地が続いていた可能性は高い。欧米の国に勝てる国など一国もありませんでしたし、朝鮮半島もロシア領になるところでした。

 日本はアメリカ以外には全部勝っています。イギリスにもフランスにもドイツにも勝っているので、「人種や肌の色の違いではない」と示したというある程度の使命はあったと思います。それは見直されるべきでしょう。

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