国家が滅びる理由

 世界の歴史には、海洋国家として貿易で繁栄した日本と良く似た国が2つあります。それは、カルタゴとベネチアです。

 紀元前800年代に存在したカルタゴは、ローマ帝国に2度のポエニ戦争で敗れながら、経済・貿易大国として再度繁栄するほどの優秀な国家でした。

 しかし、三度目のポエニ戦争でローマに敗れた時、再び繁栄しないよう、ローマはカルタゴ国民を虐殺、または奴隷にしました。

港町は焼き払われ、都市は破壊し尽くされ、国土には雑草一本すら生えないよう塩が撒かれた程です。こうしてカルタゴは消滅したのです。

 もう一つ、17世紀ころ、イタリアの北東部にあったベネチア共和国は、ヨーロッパでも最強と言われ、7地中海の海上都市として栄えました。

 その後、国家の成熟と共に子供の数も減り軍事的にも衰退、18世紀末にナポレオンに戦わずして降伏してしまったのです。

 かつて栄華を極めた二つの国家が消滅した共通の理由を、自国の歴史に誇りを失ったことと夢を失ったからであると、識者は後世に指摘しています。

 

日本の歴史、伝統に誇りを持ち、希望の国づくりを

 日本は、成熟社会、少子化で活力を失い「下山の思想」を推奨するような風潮があります。

 しかし、私たち日本国民は、自国の歴史を再度見直し、その日本の国の優秀さを再認識する必要があります。

 「保守主義の父」と呼ばれるエドマンド・バークは、歴史や伝統は私たちの先人達の智恵の結晶であり、長期間に渡って培われて来た社会制度を性急に変革することは、大きな混乱をもたらすとして、フランス革命を批判しました。バークは、「旧来の社会通念や生活規則が除去されるならば、その場合の損失はけだし計り知れぬものがあろう。我々は、その瞬間から自らの行動を律する羅針盤を持たなくなって、自分が目指す港の所在さえも分明には識別できなくなるだろう」(『フランス革命についての省察』,1790)と述べています。

 バークは、「伝統と切り離された国家は暴走する」ことを予言し、その後の共産主義革命や日本の民主党政権などの伝統的価値観を否定する政府の暴走、迷走を言い当てています。

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