ドラキュラは実在する? その驚きの「正体」とは

「吸血鬼ドラキュラ」とは? そのモデルとなった人物とは?

 現在、私たちがイメージする「吸血鬼」とは、「棺桶のふたが開き、深夜に死者が甦り、夜の街を徘徊し、美しい女性を見つけては首に牙を立て、生き血を吸う」というのが代表的です。

 このような「吸血鬼」像をつくりあげたのは、イギリスの作家ブラム・ストーカー(1847~1912年)の代表作『ドラキュラ』(1897年)である。この作品は絶賛を浴び、その後も連綿と続くドラキュラ映画の原型となった。

 この小説『ドラキュラ』のモデルとなったのが、15世紀ルーマニアのワラキア公ブラド3世(ブラド・ツェペシュ)です。「串刺し公」の仇名を持ち、当時強大な勢力を持っていたオスマントルコ帝国と小国ながら渡り合い、トルコ兵2万人を串刺しにして、恐れをなしたトルコ軍を打ち破った。そのため、ルーマニアでは祖国を守った英雄として今でも尊敬を集めている。その残忍な行為の数々から、ブラド3世のニックネーム「ドラキュラ」を使って吸血鬼に仕立て上げたのです。

 もう一人、モデルになったと言われているのが、「血の伯爵夫人」として有名なハンガリー王国の貴族 エリーザベト・バートリ(1560~1614年)です。650人もの若い女性を殺し、その生き血で風呂につかり、永遠の若さを得ようとした。まさに吸血鬼と呼ぶにふさわしい人物です。

 

ドラキュラの謎

ドラキュラの謎 (1) 吸血鬼は本当に実在するのか?

 「吸血鬼ドラキュラ」といっても、物語の人物であり、モデルになった2人も残虐だったとはいえ、人間だったことに変わりはない。ではなぜ、「ドラキュラ」のイメージが広く世界に浸透したのでしょうか。

 歴史を振り返ると、古くから「吸血鬼」伝説は世界の至る所にあった。ルーマニアやロシアなどを含むスラブ民族は、4世紀ごろから吸血鬼の存在を信じていた。スラブの民話では「吸血鬼は血を飲み、銀を恐れる」とされた。そして、吸血鬼によって殺された者は吸血鬼として復活し、何らかの手段で殺されるまで新たな吸血鬼を増殖させることになる。この伝説がその後の「ドラキュラ」像形成につながったのは間違いなさそうです。

 また、古代ローマでは、コロシウムで行われた剣闘士の勝負で、片方が斬り殺されると、観衆は競って死んだ剣闘士の血をすすったという。血を吸うことで剣闘士のように強くなれると信じられていたらしい(『ローマ帝国衰亡史』エドワード・ギボン著など)。

 ヨーロッパが「暗黒の中世」と言われた時代、14世紀になってペストの大流行と同時に、吸血鬼信仰による事件がヨーロッパ各地で続発している。ペスト患者が死んだと思われると、感染を恐れ、死をよく確かめもせず、急いで埋葬された。数日後、異変を感じて墓所を掘り返すと、死体が血にまみれている。これを見て、人々は「死者が吸血鬼になった」と怯え大騒ぎになる。このような「吸血鬼騒動」があちこちで起きた。だが、その多くは仮死状態で埋められ、外に出ようともがいた跡だったらしい。

 ところで、夜な夜な棺桶から抜け出し、美女の生き血を吸う 吸血鬼ドラキュラ。20世紀以降、世界中で100作以上も吸血鬼に関する映画が製作されるほど、根強い人気を続けている「秘密」とは何でしょうか?

 その「秘密」を解明すべく、幸福の科学大川隆法総裁が吸血鬼ドラキュラの正体をリーディングした。その結果、驚くべき「正体」が明らかとなった。

 驚いたことに、霊言で現われたブラム・ストーカー自身が「吸血鬼」そのものだった。ストーカーの霊は、「われらは非常に頭のよい種族であるので、血液そのものを吸い取ることによって生きていく」と語った。ストーカーによれば、生贄の思想や食人の習慣を持っているのが「進化した種族」であり、「霊的に進化した者を摂取することによって、人間は進化する」と、独特の理論を展開した。

 続いて現われたヴラド3世の霊も、「人間の血を吸うことによって、その人の持っている生命力から、先祖から伝わってきた文化、すべてが吸収できる。そして体の中に入ってくる。だから自己拡張が起きるんだ」と、ストーカーと同様の思想を披歴した。さらに、キリスト教徒を迫害した暴虐な皇帝ネロは「我々の中の英雄の一人」であり、ヒトラーは「神格を持った者の一人」だと語った。ヴラド3世の話は次第に大きくなり、「私が本当に神の中の神なんだ。宇宙を支配する神が今地球に来てやってるんだよ。駄目な種族を滅ぼし、よい種族だけを残す。これこそが地球の進化じゃないか」と、自らを宇宙から来た「進化の神」だと主張した。

 ほかにも「吸血鬼」と言われた人が数多くいる。その代表的なものを挙げてみます。

 15世紀前半のフランスの男爵ジル・ド・レ(1404~1440年)は錬金術や黒魔術に耽溺し、140人から800人以上もの少年を殺した。

 16世紀スコットランドの山賊ソニー・ビーン一家は、旅人を襲って殺害し、解体して食糧に加工し、食べていたという。殺された人は数十人から300人以上という説もある。

 20世紀に入ってからも、9人の男女を殺害した「ロンドンの吸血鬼」と呼ばれたジョン・ジョージ・ヘイグ(1909~1949年)がいる。ヘイグの手記によれば、9人の犠牲者すべての喉を切り裂き、そこからあふれる血をコップに集めて飲んだという。

 ドイツでも、「デュッセルドルフの吸血鬼」と呼ばれた男ベーター・キュルテン(1883~1932年)は80件の強姦、暴行、殺人を行った。

 同じくドイツの「ハノーバーの吸血鬼」、フリッツ・ハールマン(1879年~1925年)は28人から48人を殺害。犠牲者の喉を噛み破って殺害し、犠牲者の肉を闇市場で缶詰のとして売り歩いたとも噂された。

 アメリカのスティーブン・カブラン博士は、著書『真実のバンパイア』で、現在のアメリカに少なくとも615人の吸血鬼が実在することを確認したと報告している。

 吸血鬼伝説は、ヨーロッパだけではない。中国のキョンシーも死体から甦り生き血を吸う吸血鬼である。

 日本でも生き血を吸う鬼女のような伝説はあるが、あまりポピュラーとはいえない。

 

ドラキュラの謎 (2)「黒魔術」との関係は?

 吸血鬼がヨーロッパに偏っているのも謎である。吸血鬼の伝説がヨーロッパに多い理由として一つ考えられるのが「黒魔術」との関係です。

 ヨーロッパでは正統なキリスト教の流れのほかに、「魔術」の系統が連綿と流れている。現代でも映画「ハリー・ポッター」シリーズに出てくるのが、魔法・魔術の世界である。この源流は、キリスト教以前のケルト人、ゲルマン人、スラブ人などが信仰していた土着の宗教にある。

 中でも中心的なのが、紀元前400年頃に現在のイギリス、フランス、ドイツや東欧一帯を支配していたケルト人が信仰していた「ドルイド教」である。

 ドルイド教の神官ドルイドは、呪術師、魔術師とも呼ばれた。ドルイド教では首狩りや人身御供なども行われた。ゲルマン族の一部族も、ケルト人と同じ首狩り、人身御供の習慣があった。

 現代日本でも盛んになっているハロウィンは、もともとはケルトの祭りです。1年の終わりである10月31日の夜に死者の霊が家族を訪ねてくるが、同時に有害な精霊や魔女もやってくるため、身を守るために仮面をかぶり、魔よけの焚き木をたく。(ハロウィンで仮装されるものには、幽霊、魔女、コウモリ、ゾンビ、ドラキュラ、フランケンシュタインなども含まれる。)そのケルト人も、紀元前1世紀にはローマ帝国のカエサルらによって征服された。その後に盛んとなったキリスト教によって、ドルイド教も表向きは姿を消したと見られている。

 そのケルト人も、紀元前1世紀には、ローマ帝国のカエサルらによって征服され、その後に盛んとなったキリスト教によって、ドルイド教も表向きは姿を消したと見られている。

 だが、魔法や魔術は、ヨーロッパの裏世界の中で連綿と受け継がれた。それに対する迫害も歴史を見れば数多い。有名な中世の「魔女狩り」も、魔女や魔術師に対して人々が恐れていたことを表す事件である。

 魔女狩りで対象となったのは、悪魔と契約を結び、悪魔の力を借りて、災厄をもたらす邪悪な魔術、いわゆる「黒魔術」を行う人々であった。だが、集団ヒステリー的に異端審問され、拷問、処刑された魔女(男性も含む)の多くは普通の人々であったという。

 近代では、「20世紀最大の魔術師」と言われたアレイスター・クロウリー(1875~ 1947年イギリス)が有名です。彼は、『ドラキュラ』の作者ブラム・ストーカーも所属していた秘密結社「黄金の夜明け団」に20代で入団し、魔術を学んだ。その後、悪魔を召喚する魔術実験を繰り返し、100冊以上の魔術に関する著書を書いた。

 このクロウリーは黒魔術師だとも言われたが、本人自身は「黒魔術ではない」と否定している。確かに、彼は第2次大戦でイギリスを救う重要な役割を果たしたと言われる。ヒトラー率いるドイツ軍の英本土上陸を阻止するために、イギリス中の魔女を集め、呪術の儀式を繰り返し行った。

 ヒトラーも、魔術系秘密結社「トゥーレ協会」の会員だったことが知られている。トゥーレ協会は激しい反ユダヤ主義を掲げ、ゲルマン民族に黄金時代をもたらそうとする神秘主義団体である。このトゥーレ協会には、ヒトラー以下、ナチス副総統のルドルフ・ヘス、党理論家のローゼンベルク、ナチ親衛隊最高司令官ハインリヒ・ヒムラーら幹部も会員になっていた。

 スイスの心理学者ユングは、「ヒトラーは真に神秘的な呪師の範疇に属する人間である。彼は予言者の目をしている。彼の力は政治的なものではない。それは魔術である」と指摘している(『世界不思議大全(1)』より)。

 第2次大戦でドイツ軍がフランスを占領し、破竹の勢いで進軍して、イギリス本土上陸作戦が間近と見られながら、ヒトラーは上陸作戦を敢行しなかった。その陰には、イギリス首相チャーチルの指示で、クロウリーら魔術師グループが魔術によって、阻止したという事実があったという。ドイツ対イギリスの戦争は、「魔術対魔術」の戦争でもあったのです。

 

ドラキュラの謎 (3) 「白魔術」とは何か?

 魔術の区分として「黒魔術」と「白魔術」がある。黒魔術とは悪魔など邪悪な超自然的存在の力を借りて行う魔術であり、人や社会に害悪をもたらすものである。白魔術とは、天使や有用な精霊など善なる超自然的存在の力を借りて、善なる意図のもとに行われる魔術を言う。

 白魔術と黒魔術は便宜的な区分であって、魔術を行う術師の心の持ち方が善であるか、悪であるかによって分かれるという考え方もある。

 黒魔術が、吸血鬼ドラキュラや悪魔と関係が深いのに対して、白魔術は明るい面を強調し、精霊や天使などと関係が深い。

 だが、どちらの魔術も、現代では物語や映画、テーマパークの世界の中に閉じ込められて生き延びている。科学が発達し、キリスト教や仏教などの高い教えを持つ高等宗教の前では、古くなった「裏側」の世界なのでしょうか。それとも、もっと深い「何か」があるのでしょうか。 

 

ドラキュラの謎 (4) ドラキュラと宇宙人との関係は?

 1960年代から70年代にかけて、アメリカで牛などの家畜の目や性器などが切り取られて死亡しているという報告が多発した。判明しているだけでも1万頭以上の牛が被害に遭った。これが「キャトルミューティレーション」と言われる事件である。

 これらの事件が起きる前後に、未確認飛行物体の目撃報告が複数あることや、死体にレーザーを使ったような鋭利な切断面があること、血液がすべて抜き取られていることなどの異常性から、「宇宙人の仕業ではないか」と騒がれた。

 これもまた「吸血鬼」現象なのか、それとも、宇宙人による何らかの実験なのか。いまだに「真犯人」は特定されていない。

 私たちが生きているこの地球には、まだまだ未解明の事象がいっぱいある。科学がいくら発達しても、不思議で不可解な出来事は消えない。私たちは、そのような不思議の中から新たな「何か」を知ることができるのではないでしょうか。

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