スマホを置いて本を読もう

 電車に乗れば、右も左もスマホを触る人ばかり。

注意!! スマホを活用しているはずが、いつしかスマホに自分が動かされる生活になっていないでしょうか

 

長時間のスマホ使用で学力が下がる

 スマホに依存していると学力が低下することが明らかになりました。東北大学加齢医学研究所が、仙台市立の小中学校の児童生徒約7万人の標準学力検査とアンケートのデータを解析したところ、
 「2時間以上勉強しスマホの使用時間が1時間未満の生徒の数学の平均点は75点」
 「勉強は30分未満でスマホを持たない生徒は平均63点」
 「2時間以上勉強しスマホを4時間以上使う生徒は平均58点」
でした。

 勉強時間が長くても、スマホの利用時間が長い生徒の学力は、勉強時間が短い生徒よりも低いという結果であったのです。

 東北大学の川島隆太教授は、「スマホを捨てれば、偏差値10向上も夢ではない」「10年後の未来、格差社会の元凶は、スマホ等やLINE等によってもたらされる」などと、スマホの害悪について論じている。

 

中高生の読解力が下がっている

 最近の学生を見ると理解力が浅い人が多いという。ある概念を教えると表面的に理解し、その定義の奥深いところまで分かろうとしない傾向にある。高等教育の関係者によると、反射型人間が増えているとのこと。

 学力の基礎である読解力の低下には さまざまな原因があるが、近年最大の要因は「IT中毒」と指摘する声が広がっている。

 

スマホは書籍を駆逐する?

 スマホの利用時間が増えるにつれて読書する時間が減り、日本人の2人に1人は「全く本を読まない」と言われる。

 NHKの「クローズアップ現代」で、スマホはインターネットという「巨大な図書館」にアクセスできるツールであり、また、スマホの利用により情報を処理する速度も上がると分析した。しかし、読書をしないと、自分の考えをまとめる能力は育たないという専門家の意見も紹介した。読書を通して、知識が手に入るだけでなく、著者の人生を追体験でき、感情や意思の刺激も受けられるため、知的訓練として読書の価値は高いとした。

番組では、読書の知的訓練としての価値に焦点を当てた。書籍の情報価値はスマホに劣らない。

 確かに、スマホを使えば、どこにいてもネットにアクセスできる。ネット上では、様々な政府のレポートや、電子化された古い書籍が無料で手に入る。その意味では、紀元前300年ごろのエジプトにあった、世界中の文献をすべて収容することを目指したアレキサンドリア図書館と表現するにふさわしいかもしれない。しかし、一方で、ネット上には個人のブログや発信者不明のうわさ話、根拠が示されない誹謗中傷も多く存在する。執筆者や編集者が責任を持ち、事実確認などの緻密な作業を経てつくられる書籍とは、情報の価値が全く異なる。

 2人に1人が本を読まない状況だからこそ、読書が持つ価値は高まっているとも言える。

スマホ認知症 「情報の過剰摂取」に注意

活字離れ

 文部科学省の国立教育政策研究所は、読解力低下の原因として、生徒間でインターネット上のSNSでの比較的短い文章のやり取りが増えていることを指摘。「論理的で一定の分量のある文章を読む機会が減っている」とした。

 内閣府による「青少年のインターネット利用環境実態調査」では、1日にスマートフォンを使う時間として「2時間以上」と答えた中学生は2015年度で48.1%、高校生では66.8%、「5時間以上」と答えた高校生も12.5%いた。

低下する中学生の読解力

 「スマホ依存」の子供が増えて読書時間が減り、学力が落ちていることは、子供に限らず大人にとっても一定の警告と考えるべきです。

 文化庁の「国語に関する世論調査」によると、16歳以上で「読書量が減った」と回答した人は2014年に65.1%を占めた。読書時間が減る理由として、「スマホなどの電子機器で時間が取られる」と答えた人は2009年から14年にかけて12ポイント上昇している。

 ついつい、スマホを触ってしまうという人も多いかもしれない。ただ、それによって奪われた「時間」にも注意する必要がある。

 幸福の科学大川隆法総裁は、著書『日本の繁栄は、絶対に揺るがない』でインターネットの危険性について次のように述べておられました。

「インターネットや携帯電話を使っている時間が、かなりあるのではないでしょうか。これらの時間が増えた分、逆に、減った時間、消えた時間があるはずです。それは、実は『考える時間』です。『思索し、考え、思想をつくる時間』が消えています。それから、『判断を下すための時間』も消えています。さらに、もう一つ、消えているものがあります。それは『本を読む時間』です」

 

紙媒体の方が記憶に残る

 日本の教育現場では、効率化を進めるためにタブレットなどのペーパーレス化が推進されている。だが、電子書籍と紙媒体を比較すると、電子書籍は読む時の疲労感が大きく、注意力も散漫になる。紙媒体の方が記憶に長く定着するという指摘がある。電子書籍は持ち運びに便利だが、人間の精神に悪影響を与え、記憶に残りづらいのであれば、逆に効率が悪い。

 ITを導入すれば、本当に人間が賢くなるのか疑問である。一見効率が悪いように見える読書の教育効果にも目を向けるべきではないでしょうか。

 

読書はなぜ大切か

 3つの観点があります。

「深さ」
 文章は自分と向き合って紡がれるものなので、会話のときより深い考えが表れます。例えば、人は挫折体験について多くは語らないものですが、本ではそれを詳しく読める。つまり、人を深く知ることができるのです。

「幅」
 
現代は幅広い分野の本を自由に学ぶことができます。読書によって、たとえばアパレル業界や科学のように自分が携わっていない業種についても知ることができる。新たな発想が得られることもあります。

「時間」
 ネットやテレビなどと比べて、本は時間をかけて作られています。また、多くの人に読まれて今も残っている本には、その時間に耐えるだけの内容があります。最新ニュースも大事ですが、それはすぐに流れ去るもの。頭の容量が同じならば、時間が経っても色あせない本の内容を頭に入れたほうが自分のためになるのは間違いありません。

読書とは、現代的座禅である

読書のメリット

 読書をすれば、自分が経験したことがないことでも他の人の人生を生きたかのような体験をすることができる。また、直接会うことのできない偉人の考えに本を通して触れることができる。深い思索によって生まれた文章は、スマホやインターネットをながめているだけではなかなか出会えない。こうしたより高い価値のある文章に触れることが、学力だけでなく人生の糧につながる。

 大人も子供も読書の価値に再び目を向け、日本人の活字離れに歯止めをかける必要がある。

 

読書という行為は、生まれて今日まで歩んできた人生の集大成の扉を開く行為です

なぜ本を読む必要があるのか

 ベストセラーと言っても、1万部以上売れる本はあまりない。働いている人は8千万人くらいですから、1万部と言っても実は8千人に1人しか読んでいない。従って、本から得た重要な情報は、他の人は知らないし、使っていない。であるから、これからは貴重な情報になる。よい本を選んで読んでいくことがお薦めです。

 大川隆法総裁は、学生向けに行った法話で、読書の効用について語られた。

 本は、情報の精度や貴重さにおいて他の媒体と一線を画する。製作にかけた時間や内容の練り込みにおいて本は格段にレベルが違う。ブログなら誰でも書けるが、本はそれなりの実績とキャリアがなければ書かせてもらえない。「本を出せる」というだけで大変なことだし、いわんや1万部を超えるベストセラーとなると、相当な情報価値があるものです。多くの場合、一冊の本には、著者が一生をかけてつかんだ知恵が盛り込まれている。それが数時間から1日で得られる。10冊読めば、本を書けるほど優秀な(古典なら歴史に名を残すほどの)人物の知恵を10人分取り込めることになる。100冊なら100人分、千冊なら千人分ということになる。これは物凄い知恵の集積効果と時間短縮効果である。成功者に読書家が多いというのもうなずける。となれば、寸暇を惜しんで読書をすれば、それだけ成功に近づくことになる。ちょっとした移動時間の30分を読書に充てるだけでも、漫然と時間を過ごす人と比べて、人生に大きな差がつくはずである。

 

いつどこで読めばよいのか

 「忙しくて本が読めない」と言う人は多い。しかし、読書の本当の効果を知れば、読書に時間とお金をかけることは、後でものすごいリターンが得られることが分かる。読書は「消費」ではなく「投資」なのです。

 であれば、読書時間は多いほどよい。すると、いかに読書時間を確保するかが重要になる。読書術とは時間活用術なのです。読書に費やす時間の価値を本当に確信することができれば、時間活用における読書の優先順位が上がり、読書時間をいくらでも創り出すことが可能になる。

 通勤・通学時間の活用はむろん、食事やトイレの時間を活用した「ながら読書」、ちょっとした空き時間を活用した「細切れ読書」などを併用すれば、1日1~2時間の時間は確保できる。ムダな時間を発見して、いかに読書時間にシフトしていくかです。

 読書時間を効率的にするためには、「読み方」も重要な要素です。

 例えば、速読の技術がなくても、早く読む方法として有効なのが「かため読み」。

 同じ系統の本を続けて読めば、だんだん知っている知識が増えていくため、読み飛ばせる箇所が増えていき、結果的に読むスピードが早くなる。軽い本から重い本へと進むのがコツです。

 また、「つるったぐり読書法」もお勧めです。好きな著者が参考文献として使っている本を読み、次にその本で紹介されている本を読むという形で、芋のつるを引っ張ってたぐるように読み進める読書法。関連する本を連続して読むことで、知識を体系化しながら落とし込んでいけるメリットがある。

 こうした読書技術を組み合わせれば、効率的に内容を吸収することができる。

 人間がこの世に生まれてくるのは、学び続けるためです。従って、命ある限り、自分を向上させる必要があるのですが、学びのツールとして一番ふさわしいのが本です。

 よく「忙しいから本が読めない」という人がいますが、これは間違いです。そうではなく、「本を読まないから、その人は忙しい」のです。

 何でも自分で経験しなければダメだと考える「体験主義者」の方がいます。しかし、その人が70年、80年の人生で得られる情報は、たかが知れているかもしれません。すると、何十人、何百人、何千人の先人が、何をすれば成功して、何をすれば失敗したかを、本を読んで知っていれば、人生に無駄がないと言えるでしょう。

 例えば、商売をする人であれば、松下幸之助の考え方や発想を先にインプットしておけば、最初から最短距離でゴールを目指せるわけです。

 本を読めば、何十年分の経験の知恵を1日もあれば得られるのです。これは、もうワープをしているのと同じであり、時間旅行そのものです。

 スマホに支配されない時間術

時空を超えて著者の魂と触れ合うのが読書の魅力

 時空を超えて、著者の魂と触れ合うことができるのも読書の魅力です。本には、著者の魂が込められているからです。『論語』を読めば、孔子の2500年前のメッセージをリアルに感じることができますし、プラトンの本を読むと古代ギリシャの世界が浮かび上がります

 

ルーツをたどりながら読むDNAリーディング

 具体的な読み方としては「DNAリーディング」という読書法を提唱する。その本の内容のルーツを辿りながら関連する本を読んでいくやり方です。

 例えば、『引き寄せの法則』という本が少し前に流行しましたが、そのルーツはナポレオン・ヒルやデール・カーネギーです。さらに遡ると、ニューソート運動につながり、エマソンに至ります。エマソンはスウェーデンボルグを愛読していたし、スウェーデンボルグのルーツを辿るとプラトンに行き着く。

 ビジネスにおける倫理を学ぶなら、例えば、稲盛和夫 → 松下幸之助 → 渋沢栄一 → 石田梅岩 という順番で読んでいきます。逆に、マルサスの『人口論』から入って、ダーウィンの『種の起源』、マルクスの『資本論』 と現代に近づけて読み進めていく方法もあります。

 

真の成功を目指すなら教養人への道を歩もう

「自分としての考え方がある程度確立し、自分なりの意見を出せるようになるためには、いろいろな分野の書物を最低千冊ぐらいは読んでおく必要がある」

 大川隆法総裁は、著書『人生の王道を語る』の中でこのように指摘し、「教養人への道」を歩むことを勧めている。そして、教養の道を進むことで、他の人々との差が明らかに出てくると言う。

 その差とは、「人々の心が読める」「世界の本質が見えるようになってくる」、そして「他の人々に教えられるようになっていく」の3つです。

 千冊以上の本を読むには、相当な時間をかける必要がある。しかし、それだけの投資効果は確実に得られるし、その蓄積の効果は、一朝一夕では追いつけない歴然とした差を他の人との間に生み出す。

 成功者の多くが、その成功に先立って、雌伏の時代に膨大な読書をしているのは、決して偶然ではない。そもそも、すぐには効果の出ない努力を5年、10年と積み重ねていけること自体が 非凡であり、その人の意志の強さを示している。

 こうした蓄積の果てに得られる成功は、簡単には揺るがない。どうせ成功を目指すなら、真の実力と膨大な教養に裏打ちされた本物の成功を目指したいものです。読書はそのための最強の手段の一つなのです。

 

読書が苦手な人は

 難しい本を読むことが読書だと考えていませんか? そうではなく、例えば女優が書いたエッセイから始めてもよいのです。新しい分野を勉強したい時も、マンガなどから始めると、とっつきやすいかも。用語などが頭に入ると専門書がぐっと読みやすくなります。

 スマホを家に置いて、本を持ってカフェに行くと、密度の濃い時間を過ごせるかもしれません。

 

時間の使い方の集積が人生を形づくる

 一定の見識のある人物が書いた本は、編集者という文章のプロの目を通していたり、本人の信用をかけた作品でもある。日頃から、そうした質の高い本を読んでいる人と、ネット上の「つぶやき」に時間を費やしている人では、文章などの読解力に自然と差がつく。

 もちろん、スマホ自体に罪はない。調べ物やさまざまな手続きの時間短縮などで、私たちの生活を豊かにしてきた面もある。

 常日頃どのような情報に接しているか、何に時間を使っているかという集積が、その人の人生を形づくり、未来を開く力になることは間違いない。

大を成す人の習慣の力

自分を取り戻す読書ライフ

 スマホを置いて読書をすることは、読書を通じ、自分自身と対話する時間を持つことにもつながります。「自分を取り戻す」ためにも「読書」はお勧めです。

 厚生労働省が発表している「健康づくりのための睡眠指針 2014」でも、床に就いた後に携帯電話などの光の刺激があると覚醒してしまい、睡眠に問題が出る例が多いと指摘されております。スマホ依存から脱却することで、健康にも良い影響があるようです。

 読書 「知的生活」

読書を続ける人に特有の力は仕事においても武器になる

 高い言語能力や説得力は、仕事におけるコミュニケーションや交渉の場面で役に立つ。また、アイデアが豊富で枯れなければ、企画立案や問題解決の際に様々な案を出すことができる。

 さらに、情報を客観的にとらえ様々な立場から考える力は、特に管理職になってから必要とされる伏流水のように生きてくるのです。

 読書家の方は、あまり自分のことを語らない方が多い。ただ、その方のオーラというか、人としての器の大きさがにじみ出ているのです。

 さらに、読書が面白いのは、物語の背景まで知ることができることです。ネットでも簡単に言葉を探せますが、その言葉の奥深さが理解できます。

 同じ「読む」という行為なのに、なぜ ネット ではなく、本を読むことで人生が変わるのでしょうか。

 大川隆法総裁は、情報について『智慧の法』で以下のように述べています。

「『情報』が自分で使えるレベルになったもの、学力になったり、仕事で有用になったものを『知識』という。『知識』が経験に裏打ちされて、人生観を高めるレベルにまでなったもの、悟りのための導きの言葉にまでなったもの、それが『智慧』である」

 読書には情報が知識や智慧に昇華するのを助ける力があります。著者と対話するように読むことで「考える力」が培われ、新たなアイデアや仕事を生み出すことができるようになります。これが、他人に流されるのではなく、自分で人生を設計し創り出すことを可能にするのです。今日から読書の時間を増やし、人生を変えていきましょう。

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