「働き方改革」を考える

働き方改革とは

 2018年6月29日、働き方改革関連法が参院本会議で可決され成立しました。

 政府・与党が今年最大の国会テーマとして位置づけてきたもので、労働基準法など8つの法改正を一括して審議してきた。

 安倍首相は、「70年ぶりの大改革であります。長時間労働を是正していく。そして、非正規という言葉を一掃していく。子育て、あるいは介護をしながら働くことができるように多様な働き方を可能にする法制度が制定されたと思っています」と、その意義を強調した。

 日本の労働環境には、昨今話題になっている長時間労働、「正規」・「非正規」という2つの働き方の不合理な処遇の差、子育てや介護等との両立、副業・兼業など働き方の多様化など様々な課題があることに加え、労働生産性の向上を阻む多くの問題が存在します。

働き方改革の背景

働き方改革の進めるときのポイント

 働き方改革関連法は1つの法律ではなく、労働基準法や労働契約法など合計8つの法律で構成されている。「時間外労働への罰則付きの上限規制」「同一労働・同一賃金」「高収入の一部専門職を労働時間の規制から外す高度プロフェッショナル制度」などがその柱で、2019年4月から順次導入されていきます。

 幸福の科学大川隆法総裁は、説法「高貴なる義務を果たすために」で働き方改革について以下のように話しています。

「言っていることを聞いてみると、『労働は悪』みたいな考えが入っているように見えてしょうがないんですよ」

 そうした労働観は「ユダヤ・キリスト教的価値観」の中にもあると指摘されました。聖書では、人間はエデンの園で罪を犯した結果、額に汗して働かなければいけなくなった。いわば「囚人としての労働」のような位置づけがある。

 新入社員を対象に日本生産性本部(東京)が行ったアンケートによると、「働き方は人並みで十分」と答えた新人は年々増加しており、2018年には61.6%にも上りました。「人並み以上に働きたい」と答えた新人は31.3%にとどまり、2倍近い差がついています。

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 しかし、「仕事というのは、自分の人生の魂の時間を輝かせるための大切な方法」として、労働性悪説的な風潮は幸福を生みません。もちろん、極端な長時間労働などは社員にとっても会社にとっても悪影響を及ぼします。しかし、労働そのものを否定し、「仕事嫌い」を増やす風潮は、日本経済を停滞させ、日本人の幸福の総量を減らしてしまいます。

 戦後の労働基準法制定以来、70年ぶりの大改革として安倍首相が打ち出した柱は、規制強化増税という「大きな政府」そのものの政策であった。

 

 ここからは、働き方改革法の各々について見ていきます。

時間外労働(残業)の見直し

 残業は月45時間、年360時間を原則とし、特別な事情がある場合でも、月100時間未満、年720時間を限度に設定するとしています。違反すれば企業側に懲役や罰金が科せられます。残業規制の導入は日本の労働法制で初めてです。

働き方改革「残業時間の規制」

 こうした動きの背景には、会社の勤務時間を「苦しみ」と捉える人が増えていることがあるのかもしれません。欧米には、旧約聖書の「アダムとイブの物語」の影響で、「労働は神から与えられた罰」という価値観があります。老後は働かずに過ごしたいと考える方がおられます。2017年度の調査によると、新入社員は給料が増えることよりも、残業や休日が増えることを求める「自分ファースト」志向だそうです。「長時間労働はツライ」というだけでなく、「労働は苦しみだ」という考えを持つビジネスマンが増えているのかもしれません。

 社員が過度な残業で心身を病むようなことは、企業として防がなくてはなりません。しかし、政府が全国一律に長時間労働を禁止すれば、経営が悪化する企業も相次ぎ、日本経済は悪化の一途をたどります。かえって国民を苦しめることになりかねません。

 日本人は元々「勤勉に働くことは善であり、喜びである」との考えを持っていました。勤勉さを徳目や行動の規範と考えた最初の人物は、江戸時代初期の禅僧・鈴木正三です。鈴木は旗本として徳川家に仕え、その後出家し、「すべての仕事は仏道修行になる」との思想を広めました。

 60歳以上の高齢者に収入を伴う仕事をしたいかと尋ねたところ、約45%が仕事をしたいと答えています(2015年の内閣府による「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」)。

 働く時間は、人生の大部分を占めます。「仕事によって社会に貢献できる喜び」を学び直すことで、日本人全体の幸福感も増すのではないでしょうか。

 長時間労働

長時間労働の規制は現場に混乱を生む

 成果が上がらないのに長時間労働を強いる会社の存在は確かに理不尽です。ただし、それは その会社のマネジメントの問題です。本当に生産性の低い働き方を長く続けていれば、その会社は倒産することになるでしょう。会社と従業員の契約の下、長時間働いているというだけで、政府が口を挟むことには違和感があります。

働き方改革に見る「共産主義化」の嫌な流れ

 どうしても長時間仕事をしなくてはいけない時期もありますし、純粋に仕事が好きで、研究開発や新規プロジェクトに没頭することもあります。こうしたことを無視して、一律に「長時間労働=悪」とすることは、企業にとっても従業員にとってもマイナスです。

 残業を望むかどうかの調査でも、残業禁止を希望しないと答えた人の割合は52%で、残業禁止を希望すると答えた人の割合48%を上回りました。

 残業禁止を希望しないという人の意見には、「仕事量は変わらない」「人手不足なので現実的ではない」というものに加え、「残業には『嫌な』残業と『必要な』残業がある。望んでの残業まで規制されては困る」「あと一歩こだわりたい時に不都合」のように、仕事のクオリティを高めたいという前向きなものが見られます。

 政府の善意によって企業が倒産したり、失業者が増えたとしても、政府はその責任をとってくれません。

 また、そもそも政府が、労働時間や賃金を決めることが正しいのでしょうか。

 政府による規制は、企業の経済活動のハードルになり、経済活動の自由を奪います。つまり、安倍政権は、資本主義経済から国家社会主義的な統制経済へと傾いていると言わざるをえません。政府は企業に口を出すより、多くの無駄な規制を取り払い、企業の自由な経済活動を守るべきなのです

 参考

 過度な長時間労働は改善すべきですが、働く意欲のある企業や個人にも、一律に労働時間短縮を強制すれば、日本の競争力は低下するでしょう。

 労働時間の規制強化は、勤労を悪とする風潮を生み、不況を招きます。会社や国家を繁栄させるには、働くことを喜びとする勤勉の精神が必要です。

 

  「働き方」への政府の介入は最小限にとどめ、経営者、労働者双方にもっと自由を与えるべきです。

 なぜ「過度のブラック企業叩き」や、「政府による労働の介入」がよくないのでしょうか。一言で言うと、「企業の経営が悪化するから」です。

 利益が減れば、不況が来たり、事業の一部が失敗した時に倒産する可能性が高まります。また、人件費が上がれば、新しく人を雇うこともできなくなります。企業の経営が悪化するしわ寄せは、結局、社員自身に行ってしまうのです。

 政府は民間の労働にあまり口を挟んではいけないのですが、「政府が規制しないと、企業はいくらでも低賃金労働・長時間労働をさせられるじゃないか」と思われる。

 ただ、政府が口を挟まなくても、企業は「労働市場」のチェックを受けます。あまりに低賃金で、過酷な労働をさせている ブラック企業 からは、人材は逃げ出して、もっと待遇のいい企業へ行ってしまうはずです。企業はいい人材が集まるように、少しでもいい賃金と、労働環境を提供しようと努力せざるを得ない。一種の競争原理が働くのです。

 

ブラック企業規制

 働き手不足で悩む企業は仕事が回らず、倒産も増える可能性が高い。そうなれば、社員はそれこそ路頭に迷ってしまいます。

ブラック企業

 非正規職員を対象とした総務省統計局の調査によれば、非正規という雇用形態についた理由で、最も多いのは「自分の都合の良い時間に働きたい」というもの。男性の25%、女性の28.1%が理由に挙げています。

 続いて多いのが「正社員の仕事がなかったから」という理由です。こちらは男性の24.8%、女性の11.5%です。

 希望した会社に入れず、やむを得ず非正規を選んだという人もいるでしょうが、自主的に非正規という働き方を選ぶ人も多いという。

 こうした背景を踏まえれば、ある程度、正社員と非正規社員の待遇の差があることはやむを得ない面もあります。正社員は、急な仕事にも対応せねばならず、仕事の責任を負っています。組織への貢献度などを考えると、働く時間だけで給与額を決めることはできません。

 労働関係の法律のほとんどは、「弱い立場である労働者を守る」という発想でつくられています。雇用を創り出している経営者を守る仕組みがないことは問題です。労働者の権利のみを主張し、義務を果たさない社員に対し、経営者は打つ手がありません。例えば、日中はあまり仕事をしないで夕方からダラダラと仕事をしていた社員を解雇したところ、後日、残業代請求の裁判を起こすというようなものです。こうしたケースがまかり通れば、他のまじめな従業員の仕事もなくなり、日本経済にとっても損失です。

 労働者が長時間労働や非正規雇用に苦しんでいるという前提に立った「働き方改革」は、経営者をますます苦しめることになる。

 長時間労働の原因を調査したアンケートでは、「長く働かないとやっていけない」と答えた人が約6%存在しました。成果よりも時間に価値を置くため、「同じ仕事なら、長い時間をかけたほうが得」になるわけです。

 最大の原因に、「仕事量が多い、人手が足りない」というものであるが、これも企業が人手を増やしにくい事情があるからです。

 いったん正社員として雇うと、勤務態度に問題がある人でも なかなか辞めさせることができない。企業は雇用に慎重にならざるを得ない。

 こうした法律の背景には、「時間あたりの仕事の価値はみんな同じ」「労働者は企業家に苦役を強いられ、搾取されている」などという考え方がある。

 悪質な企業も存在するため、ある程度働く人を守るルールが必要です。だが、仕事を苦役と考えることはあまりに悲しい。

 

働くことの価値を問い直す

 大川隆法総裁は、「仕事そのものは、人間の本質に極めて近いところにあると考えられます。つまり、『仏が、自分と同じような創造の喜びを人間に与えようとして、仕事というものを与えたのだ』と考えてよいのです」(『仕事と愛』)と説かれております。

仕事は苦役か それとも喜びか

 世の中に新しい価値を生み出すことに生きがいを見出し、時間を忘れて働く社員や企業は、「モーレツ社員」や「ブラック企業」と呼ばれるのかもしれない。しかし、こうした「天職」に巡り合った人にとって、「これ以上働くな」と言われることは「余計なお世話」です。

 勤勉に働くことを喜びとし、幸福を感じられる人が増えてこそ、会社も国家も繁栄する。

 「本当の働き方改革」の成功は、経営者が仕事への限りない情熱を従業員に伝えられるかどうかにかかっている。

 

「働き方」より「働く意味」が大事

 現在の風潮として「長時間労働」だけに注目が集まっていることです。もちろん時間的な面からの改善もすべきでしょうが、自殺に至ってしまった背景には、「働く意味」が見えなくなっていたという面もあるのではないでしょうか。

 働き方改革が、単なる労働時間の削減などの”働かない改革”になってしまわないように、「働く意味」にも注目して、生き生きと働ける社会づくりを目指したいところです。

参考

 激しい競争も、子供の成長に悪影響だとされ、成績評価は相対的なものから絶対的なものに変更。成績による順序付けの機会も減り、高い評価を得ることが容易化した。

 一方の働き方改革では、「モーレツ社員」を良しとする風評が指弾され、労働時間を減らす方向にある。加えて、「最低賃金の引き上げ」「同一労働同一賃金」など、非正規雇用と正規雇用の”格差”も是正していく方針です。

 勉強や仕事の時間を減らし、評価や給料を平等化する。ゆとり教育と働き方改革の考え方は、酷似していると言える。

 豊かな人格形成と生きる力の獲得を目指した「ゆとり教育」だったが、成果として現れたのは「学力と精神性の低下」だった。働き方改革も、似たような結果を生みかねない。

 労働時間の短縮、成果の平等化。これらが導くものは、日本人が培ってきた勤勉の精神の喪失である。

 勤勉の精神が損なわれれば、日本の国際競争力は低下し、経済停滞にもつながる。給与は下がり、生活も厳しくなる。生活のゆとりを目指したはずの働き方改革が、逆に、ゆとりを奪う結果になりかねない。

 戦後の日本が経済成長できたのは、勤勉の精神に基づき、努力を続けてきた先人がいたからに他ならない。勤勉に働く人が増えてこそ、国は発展し、国民は豊かになる。

 国民の生活を思うのであれば、勤勉の精神が評価される社会を構築すべきではないでしょうか。

 政府が企業の労働時間や賃金などの決定に口を出すことは、本来、資本主義社会では差し控えられるべきもの。介入は、「結果平等」を求める共産主義の思想につながりかねないからである。

 

同一労働・同一賃金」

 同一労働同一賃金が目指すのは、正規か非正規かという雇用形態にかかわらない均等・均衡待遇の確保です。

 正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解消をはかるために両者を比較し、前提が同じなら待遇も同じ(均等)、前提が異なるなら、バランスのとれた待遇(均衡)を求めるものです。

 同一労働同一賃金の目的は、非正規労働者の待遇改善なので、均等・均衡をベースに待遇を見直した結果、労働者の待遇を下げるようなことがあってはならないとされています。

 業務内容に基づいて賃金を決め、休暇取得や研修も、正規社員と同じようにできるようにするものである。

働き方改革「同一労働、同一賃金」

 「同一労働・同一賃金」はマルクス主義的な考え方です。ここにあるのは、「働く時間=価値」という考えです。「商品の価値は、その生産に費やされた労働時間によって決まる」という労働価値説に近いと言える。

 たとえ同じ時間仕事をしていたとしても、人によって生み出す価値は違います。また、正規社員と非正規社員では、「仕事に対する責任の重さ」も違います。正規社員は転勤もありますし、残業や休日出勤をすることもあります。非正規雇用は「転勤も残業もありません。働く時間もある程度柔軟にできます。ただし、その分給料は安い。」という制度です。「同じ仕事」に見えても、背景にあるものが違います。「正規雇用と非正規雇用で同じ仕事をしているなら賃金を同じにする」ということを法律で規制すれば、規制強化に他なりません。「非正規の賃金を上げろ」と会社側に求めるのは、いささか理不尽です。会社側としても、「うちには余裕がないので、給料を上げる代わりに雇う数を減らす」となってしまいかねません。

 大川隆法総裁も、「政府としては、そちらのほうを正規社員にして給料を上げさせようとするわけですが、『全部を正規にしろ』と言ったら、契約社員などのほうが切られ始めてくるのです」(『仕事ができるとはどういうことなのか』)と指摘しています。

 

働き方改革は「ゆとり教育」の再来か

 ゆとり教育は、1980年代から2010年代前半にかけて導入された。「詰め込み教育」や「偏差値至上主義」への批判が高まったことで、教科の統合や土曜日の休業化など、教育内容と授業時間が大幅に削減された。

 ゆとり教育によって日本人の学力が低下しました。方程式や四則計算などの正答率は、ゆとり教育が実施された後著しく下がっている。

 テストでは測れない「生きる力を育てる」とも謳われたが、それも達成できたかは疑問である。日本青少年研究所が2000年に日米中の三ヵ国の高校生を対象にした調査では、次の結果が明らかになった。

 「他人よりも少しでも給料の高い仕事に就きたい」という質問について、日本人の73.6%が肯定した。アメリカ人は53.3%、中国人は28.4%であった。

 「偉くなると責任ばかり負うから嫌だ」というものには、日本人の51%が肯定。アメリカ人の16.4%、中国人の36.4%と比較しても高い値だった。

 「責任を負う地位には就きたくないが、他人よりも高い給料が欲しい」ということである。豊かな人格形成と生きる力の獲得を目指した「ゆとり教育」だったが、成果として現れたのは「学力と精神性の低下」であった。「働き方改革」も似たような結果を生みかねない。

参考

再評価されるべき「勤勉の精神」

 労働時間の短縮、成果の平等化。これらが導くものは、日本人が培ってきた勤勉の精神の喪失です。

 勤勉の精神が損なわれれば、日本の国際競争力は低下し、経済停滞にもつながる。給与は下がり、生活も厳しくなる。生活のゆとりを目指したはずの働き方改革が ゆとりを奪う結果になりかねない。

 戦後の日本が経済成長できたのは、勤勉の精神に基づき、努力を続けてきた先人がいたからに他ならない。勤勉に働く人が増えてこそ、国は発展し、国民は豊かになる。

 国民の生活を思うのであれば、勤勉の精神が評価される社会を構築すべきです。

 成功している企業は、努力をしている。その努力を、健全な資本主義の精神と見るか、権力者による搾取や強制労働と見なすか。同じものを見ても、善意で見るか、悪意で見るかで解釈は変わる。

 もちろん、どんな企業でも行き過ぎもあれば、行き違いもある。だからといって、企業全体をブラックと見なすのは、健全な考え方ではない。

 資本主義の精神を蝕むブラック企業批判には警戒が必要です。

 賃金を上げ、しかも有給を消化させたり長時間労働を減らすとなれば、トータルの人員を増やす必要に迫られる一方で、ますます正社員を雇用するハードルは高くなる。その余裕がない企業は、業務の一部を人件費の安い海外などに外注するほかに競争力を維持する方法はなくなってしまい、産業の空洞化を招きかねない。もちろん、競争力がなくなれば、倒産のリスクもある。

 休むことで効率が上がったり、遊ぶことで柔軟な企画ができたりといった効果は期待できるが、一律に規制することは、個々の企業の競争力をそぐことになりかねない。仕事量には業界ごとに波がある。また、起業したばかりの企業が軌道に乗るまでの間は、寝食を忘れて仕事をするものです。アップル社を作ったスティーブ・ジョブズは寝食を忘れて何週間も開発に没頭しました。日本でも、松下電器の松下幸之助、ホンダの本田宗一郎などは、早朝から深夜まで研究をつづける日々を送っていたそうです。

 目指すべきは、「休みが多い人生」ではなく、「充実した人生」です。子育て中の女性が働きやすくなるためにも、職場に近い託児所を増やすことや、子育てに向いた住宅が手に入りやすくなること、通勤インフラの充実が先である。政府は有給の取得を義務化する前に、やるべきことがあると思う。

「103万円の壁」「130万円の壁」

「働くことは幸福」という考えに基づく制度へ

「報酬体系の見直し」

これまでの考え方

 働いた時間に比例した報酬を払う

  一律の「最低賃金」を設定し、残業の場合は割増料金を払う。仕事 の質や成果は問われず、短時間で仕事を終える能力の高い人より、サボっていても長く会社にいた人の報酬の方が多くなることも。

   ↓

これからの考え方

 成果に焦点を当てた報酬体系へ

  各自の努力や仕事に対する姿勢、仕事の責任や成果に応じて給与を払うことで、努力が報われやすくなり、時間効率を上げるモチベーションが高まる。一部の専門職などは、自宅での仕事もしやすくなる。

 時間の長さではなく、努力や工夫を重ねて、生み出した価値に焦点を当てるべきです。勤務時間の制約を受けない代わりに、残業規制を外す「高度プロフェッショナル制度」を創設するとしていますが、政府は細かい制限を設けず、企業と従業員が合意すれば導入できるようにすべきです。

 

「正社員優遇の是正」

これまでの考え方

 正社員に対する過度の優遇

  会社への忠誠心が強まる一方、権利主張の強い社員も出る。また、解雇規制が厳しく、企業が雇用に慎重になるため、新卒での就職活動に失敗したり、一度退職したりすると正社員になることが難しい。

   ↓

これからの考え方

 再就職や新たなチャレンジを可能にする

  厳しすぎる解雇規制を緩和することによって、企業側が雇用に積極的になり、再チャレンジが可能な社会に。

  転職しやすくなることで、個人の成長に応じて仕事の内容や報酬をステップアップさせていくこともできる。

 正社員への過度な保護をなくすことで、企業と従業員の自由度が増し、再就職や転職もしやすくなります。やる気のある非正規社員の正社員化が進んだり、自分に合わない企業から転職しやすくなったりします。「天職」にめぐり合う可能性が高まり、「働く喜び」を実感する人も増えるでしょう。

 

仕事は魂を輝かせるための大切な方法

 「高度プロフェッショナル制度」(特定高度専門業務・成果型労働制)は、年収1075万円以上の高度専門人材を労働時間規制から外すことです。金融ディーラーやコンサルタントなどの専門職が対象のようです。

高度プロフェッショナル制度

 野党は、「長時間労働を助長し、過労死が増える。対象業務の拡大や年収要件の引き下げが行われるのではないか」と反対してきました。

 しかし、この制度が意味するところは、「働く時間ではなく、成果で評価する」ということです。短時間で成果を上げれば、定時に関わらず帰宅することができるので、時間でなく成果で評価される働き方を希望する人にとってはありがたい制度と言える。

 大川隆法総裁は、法話「高貴なる義務を果たせ」の中で以下のように指摘しております。

「仕事は、魂を輝かせるための大切な方法の一つだと思います。仕事の中に魂を込めて、多くの人々のために、後世のために遺せるようなものをつくっていくことはとても大事です。魂を込めて仕事をしていけば、自分自身の喜びになり、それが同時に社会に還元されて、社会の皆様の幸福になり、喜びが増幅するような社会をつくっていく。仕事の中には、本来そうした高貴なものを生み出していく機能があると思うのです」

 

 そのほかにも、働き方改革関連法では、以下のことが成立しました。

勤務時間インターバル規制

 勤務と勤務の間を一定時間空けて健康維持を目指す制度です。

・深夜残業になっても、休息時間をしっかり取れる

・高度プロフェッショナル制度 など長時間労働の際の「健康維持対策」に役立つ

 過労死を誘引してしまうような長時間労働の常態化を抑制し、ワークライフバランスや健康を維持できる方策のひとつです。

 安倍晋三首相が参院予算委員会で、退社から翌日の出社まで一定時間の休息を設ける「インターバル規制」について、「導入の環境整備を進めていく」と表明した。

 民進党の蓮舫代表は法制化を求めているが、安倍政権はインターバル規制を導入した中小企業に対する助成金の創設を進め、企業の自主的な取り組みを促す方針です。昨年閣議決定した「1億総活躍プラン」にも盛り込み、2017年度予算案に約4億円を計上した。

 それでも、「企業の自主的な取り組みでは広がりに限界がある。まずは法制化して休息取得を義務付け、最終的には欧州の諸外国並みの11時間休息を取り入れるべき」と訴える声もある。

参考

 日本でも、大手広告会社・電通の女性新入社員が過労自殺したことを受け、各企業が「働き方改革」を迫られている。しかし、中小企業を含めたすべての企業に対して「インターバル規制」を法制化することは、日本経済を弱体化させる恐れがある。

 インターバル規制についての厚労省の調査によると、回答した約1750社のうち「導入済み」と答えた企業はわずか 2%。「導入予定」「導入の是非を検討」と回答した企業も合わせて 9%にとどまっている。

 猫の手も借りたい中小企業がインターバル規制を導入した場合、どうしても人員不足になり、業務継続の危機に陥る可能性がある。経団連の榊原定征会長もインタビューで「(規制の)義務化は産業界の実態に合わない」と発言し、導入を牽制している。

 

「働き方改革」には生産性の改善が必要

 インターバル規制を先駆的に導入したのは欧州連合(EU)です。インターバル規制推進派からは「日本もEUのようにすべきだ」という声がある。しかし、EUは職務給制度が採用されているケースが多く、各人の仕事の範囲が明確です。一方、日本の場合は一人が幅広い仕事をこなしているケースが多く、属人的な要素が強い面がある。EUでの働き方を、そっくりそのまま日本に適用できるわけではない。

 本来の意味で働き方を改革するには、生産性向上に向けた各企業の業務改善が必要です。「長時間労働 = 悪」として取り締まったり、政府が一律でインターバル規制をかけたりしても、中身のある働き方改革にはつながらない。

参考

年次有給休暇の取得義務化

 有給休暇を5日間義務化する制度です。

 年10日以上の有給休暇が付与される場合は、そのうち5日間の取得が義務付けられる。

 

 本来、仕事とは喜びです。だからこそ政府がすべきなのは、「良質な雇用を生み出すこと」と言えます。ロボットや宇宙、リニア新幹線、再生医療など、成長が見込まれる事業に集中投資を行い、良質な雇用を生み出すことは、政府が先頭に立ってやるべきと思います。

 

 行き過ぎた市場への介入は、長期的には経済の衰退につながる働き方改革の中には、企業の自由を広げる規制緩和の考え方を入れるべきです。

参考

 あまり指摘されていないことだが、安倍政権の「働き方改革」はあまりに国家ビジョンなき政策と言えるのではないでしょうか。その中身を見ると、長時間労働の抑制や、同一労働同一賃金の実現、女性の活躍に向けた待遇改善、ワークライフバランスの実現、子育て支援など、ありとあらゆるメニューを詰め込んだ印象がぬぐえない。さらに政府内では、国際ルールに反して、内部留保への課税論も浮上しているのだから、もはや何でもアリなのです。政権が掲げる一億総活躍の政策は言ってみれば「社会主義的」であるのだが、恐ろしいことに、これを批判するメディアも少ない。これが、安倍政権の何でもアリを食い止められない大きな理由である。

 確かに、日本企業の画一的な働き方に問題があるのは事実でしょう。だが、働き方と共に、企業活動の自由を広げる政策も合わせて行わなければ、経営側の自由がどんどん制約されかねない。政府は、個々の企業に口出しをするよりも、規制緩和や財政出動などの成長戦略を打ち出すべきでしょう。

参考

規制緩和や減税などで企業の自由度を増すことが本当の「働き方改革」

仕事をすること自体が幸福