今も続く欧米の植民地主義との戦い

 中東・アラブでは、欧米による人種差別や植民地支配の遺産を今も引きずっている。

 第一次大戦で中東・アラブを支配していたオスマン・トルコ帝国が敗れ、英仏などの列強は、トルコの旧領土を都合よく分割し、実質的な植民地とした。今のイラクやシリアなどの国境線は、英仏が勝手に引いたものである。

 イスラム国が独自の支配地域をつくろうとするのも、シリアの内戦も、欧米による国境線を引き直そうという抵抗運動の意味合いが強い。

「欧米の植民地主義」との戦いは、何らかの独立を勝ち取るまで今後何十年と続いていく。その一つのモデルは、明治維新で近代国家をつくり、国の独立を守り、最後はアジア全域の植民地を欧米から解放した日本である。

 その意味で、日本には中東・アラブでの「近代国家づくり」に対し経済・技術支援などできることがあるのです。