霊性・宗教性が「うつ」症状を抑制し、ストレス対処を改善する

 霊性・宗教性が高い人は低い人に較べ、死亡率が18%低下していました。つまり、「『霊性・宗教性』は、ヒトの寿命を延長する作用がある」ことが明らかになったのです。疾患別では、脳卒中、冠動脈疾患などの心血管性疾患による死亡が、霊性・宗教性によって28%も低下していました。

 さらに興味深いことに、「喫煙、飲酒、運動不足、社会・経済的地位」などの生活習慣危険因子を統計補正しても、霊性・宗教性による寿命延長作用はやはり認められ、「霊性・宗教性が肉体に直接作用し、寿命を延ばしている」ことが示唆されました。

 霊性・宗教性を種類別に分けてさらに分析したところ、祈り、経典学習、瞑想など「非組織活動」の死亡率への影響は認められませんでしたが、健常者を対象とした死亡率が、宗教行事への参加や伝道活動などの『組織活動』により23%低下していたのです。

  医学がどんなに進歩しようとも、人間の本質は肉体に宿っている魂であるという真実に変わりはない。人間の肉体を支配しているのは心であるからこそ、いつの時代も、正しい心の持ち方を教える宗教によって病気が治る事例が後を絶たないのです。

 しかし、現代の医者は、医療現場でそうした事例に直面しても、偶然か何かで片付けてしまうことが多い。それを追求して世に問う医者もいるが、残念ながら、人間が霊的存在であることを明確に認めている人はまだ少ない。「科学で実証されないものの存在は認めない」という姿勢が、医学の世界では頑強なまでに貫かれている。

 しかし、科学の本来の目的は未知なるものの探究にあるはずです。これまでの学問の前提が崩れるからといって、未知なるものを避け続けてよいのでしょうか。

 幸福の科学大川隆法総裁は、『救世の法』のなかで信仰と科学の関係について以下のように述べておられます。

「私たちは科学を決して否定していません。『科学のなかにも、神の真理、仏の真理は流れている。人類を幸福にする原理の一部は入っている』と言っています。  科学の未来は、実は、この信仰の上に成り立つものです。この信仰があって初めて、霊的存在やあの世の世界の探究が始まります」

 医学をさらに進歩させ、病気で苦しむ人々を救っていくためには、医者はもっと目に見えない世界の真実に心を開いていく必要があります。

 

「ストレス」が高いがん患者は死亡率が9割方高いケースがある

 がん の発症には、遺伝要因、環境要因(汚染、感染、地質学的因子など)、生活習慣(喫煙、飲酒、食事、運動など)が大きく関わっています。しかし、ストレスによる影響は不明のままでした。ここ30年、「ストレスとがん」の関連を調査した研究は数多く報告されてはきましたが、「関連があった」とする報告もあれば「なかった」との報告もあり、混沌としていて結論が出ていなかったのです。

 分析の結果、ストレスが高い人はストレスが低い患者に比べて、がん発症が20%も高くなり、がん発症後も、ストレスが高い患者では、がんの種類によってがん死亡率が高いことがわかりました(Nature Clinical Practice Oncology 5: 466-475, 2008)。

 例えば、肝・胆道系がんでは、ストレスが高い患者は低い患者にくらべ、がん死亡が88%も高くなっています。これらの結果は世界初の報告であり、実際に「ストレスががんに悪影響を及ぼす」ことを示しています。

 注目すべきこととして、このストレスによるがんへの悪影響は、従来ストレスとがんを結びつける介在因子と考えられてきた「喫煙、飲酒、運動不足、社会・経済的地位」などの生活習慣危険因子を統計補正しても、やはり強く認められました。つまり、「ストレスが肉体に直接作用し、がん発症を促し、予後を悪化させている」ことが示唆されたわけです。

 

ストレスを中和する宗教的な考え方

4人に1人が「うつになることがある」

 「うつ」的な気持ちになることがあると答えた人は全体の25パーセント、4人に1人に上るという。

 もし、うつ状態になったらという質問にをしても、「気分転換する」「話を聞いてもらう」と答える人が多いが、「自分のいいところも考える」「神仏や宗教に救いを求める」と答える人は少数。几帳面な半面、自分や社会のマイナス面にばかり目がいきやすい日本人の気質や、戦後の唯物論的風潮の名残りが見て取れる。

 参考

「土俵の外」に出れば別の生きがいだってある

 特に うつ に陥るような人は、世間的な競争に疲れると「自分なんて価値がない。生きていてもしょうがない」とまで思いがちです。だが、伝統的にこの部分の中和剤として働いてきたのが宗教なのです。

 宗教では、『この世の世界の基準や競争とは別の世界がもう一つある』という考え方をします。『土俵の外があり、そこに出てみると土俵の上とは違うものがあるのです。人それぞれ幸福感も違うし、偉さもまた別なものがあり、生きがいだって別のものがあるのですよ』ということを宗教は教えるわけです。その意味で、高度なストレス社会において宗教の果たすべき役割は大きいのです。

 誰でも目の前の勝ち負けや常識に縛られがちになる。しかし、そうした ものさし とは別のものさしを持つことが うつ を防ぎ、ひいては自殺者を減らす決め手になる。

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