カタカムナ 忘れ去られた神の名

 「カタカムナ」とは、上古代の約1万2000年以上も前に日本で栄えた高度な文明の名であるとされている。

 「カタカムナ文字」又は「カタカムナ文明」が存在したという痕跡は、縄文時代以降の遺跡や記録には全く見つかっていない。楢崎皐月(ならざき こうげつ)氏は、1949年(昭和24年)、カタカムナ文献の発見者であり、カタカムナ文字の解読者であるが、兵庫県六甲山系金鳥山付近で、大地の電位測定の為の調査を行っていたところ、「平十字(ひらとうじ)」と名乗る猟師風の男性に出会ったことから始まった。楢崎氏は、長年の研究を重ね、古事記その他の古文献を参考にし、カタカムナ文字の解読に成功した。

参考

 カタカムナ文献とは、カタカムナ ウタヒ80首からなり、基本的には5音・7音の区切りで詠われていることから、日本の和歌や俳句の源流であると言えるかもしれません。また、古事記の「上巻」に登場する御神名が、天石屋戸の物語のところまで、その順番でほとんど登場するので、古事記編纂で、稗田阿礼が誦習(ショウシュウ)した際に参考にしたという帝紀、旧辞の一つである可能性もある。

 カタカムナ ウタヒの内容は、「カタカムナ」という生命の根源が、すべての生命、物質の核であり、そこからトキトコロが発信放射され、生命活動が維持されている。そして、これは宇宙の全ての物質、生命体の中に相似なる象(カタチ)として存在するという、その摂理が潜象物理として描かれているのである。

 

「カタカムナ」と「ホツマツタエ」

 ホツマツタエ は、有史以前の日本の古代文字の一つで、秀真(ホツマ)文字で書かれた「古代日本の聖典」とも言われております。ホツマツタエは、BC7世紀ころ書かれたものが7割、AC2世紀ころに編纂されたものが3割とされており、全文ホツマ文字が使われています。

 ホツマ文字は、 ひらがな、カタカナでもない、ひらがな、カタカナの原語とも云うべき図象古文字である。日本には、漢字が伝来する前に於いて、固有の文字として大和言葉とも云うべき図象古文字のホツマ文字が存在していた。これが日本語の起源である。近現代言語学は、いわゆるこの常識を否定している。漢字渡来以前に於いて、日本には言語が存在しなかったとして、日本の古くよりの図象古代文字に対する研究を放棄している。

 ところで、カタカムナ と ホツマ は、その字体は全く違うものなのに、共通項がいくつかある。

 ・五七調である。

 ・母音、子音合わせて音が48で、現在と同じ

 ・古事記などとも共通の神様の名前やその他名詞が出てくる(イザナミ、イザナギ、アメノミナカヌシ、アマテル、タカミムスビ、タカマカハラ など)。

 ・この世界の成り立ちを説明している。 ・日本には上古代から伝わる高度な文明があり、それは、現在の日本語の発音に残されていることを実感させる。

 ひらがな、カタカナは「あいうえお」などの50音で構成されているが、ホツマ文字では48音である。欠けている2音はヤ行「やいゆえよ」の「い」「え」である。現代日本語の表記ではヤ行の「い」「え」は識別されていないのでホツマ文字の48音に戻っていることになる。ホツマ文字の48音に一つ一つに神的な意味が込められている。これは、宇宙天地の五元素としてのウツホ(空)、カゼ(風)、ホ(火、日)、ミヅ(水)、ハ二(土、埴)を五母音のアイウエオに形採(象、かたど)って一方の列とし、子音(アカサタナハマヤラワ)を他方の列として組み合わせることによって成り立っている。ホツマ文字48音のそれぞれが宇宙天地の作用の一つづつを音韻化しており、それを図象化している。始まりの「ア」は父・天の意であり、終わりの「ワ」は母・地の意であり、その間に46音字が格納されている。これにより、ホツマ文字48音は非常に規則正しく構成された表意表音文字になっている。「母音要素と子音要素の組み合わせで成り立つ1音1字の文字」にして、その文字群が高度な科学性と美しい規則性を持ち、現在の「あいうえお」の原点となる48文字の基本文字から成りたち、48文字それぞれが互いに調和していると云う独特の構造を示していることにある。変体文字を含めると197文字が確認されている。  これによると、ホツマ文字が世界に先駆けて例のない高度科学文字であることになる。現在の日本語は、カタカムナ文字やホツマ文字の神代図象文字を継承していないが、見かけ上は代わりにひらがな、カタカナ、漢字、洋数字から成る混淆文へと転化しているが、驚くことにカタカムナ文字やホツマ文字時代に確立されていた「48文字、48音」からなる言語を綿々と骨格にして今日に至っている。いわば、民族の生命として今日に脈々と伝え続けている。「48文字、48音」の素晴しさは次のことにある。それらは、1字1音が天地の成り立ち、仕組みを象(かたど)り文字化言語化されている。ホツマ文字は言葉を霊的に捉えており、ここにホツマ文字48音の言霊性が宿っている。これを言霊思想という。この日本母語が日本文化の基底を為している。ホツマ文字は、この言霊思想に基づき、天地が或るリズムを以て共鳴しているとみなして、宇宙の振動及び事象を韻律で表現している。故に「天の節」のリズムを受けて「五、七調」、「五、七、七調」で文章化されることになる。これが和歌の発生に繫がる。即ち、和歌は、ホツマ文字の「48文字、48音」に連動して生み出されていることになる。また、和歌の五・七・五・七・七の31文字は、古代太陰暦の1ヵ月の日数を意味している。ホツマ文字で表音表記されていた日本語は、その後の歴史の波に揉まれ姿かたちを変えていくことになるが、「48音韻律」を捨てることはなかった。むしろ、「48音韻律」を基底に据えて、表面の姿かたちを変えたように思われる。

 研究で、ホツマ文字48音をアカサタナ列に並び変え、カタカムナ文字もアカサタナ列に並び変え、併記して確認してみると一致しているとのことである。「カタカナ(片仮名)」と言う言葉も、「カタカムナ」から来ているのでしょうか。

 

兵庫県にあった世界最古のカタカムナ文明

 楢崎皐月は戦前、満州に渡り、石原莞爾、辻正信、服部卓四郎らとともに満州の発展に寄与、特に当時世界一の製薬会社だった「星製薬(現在は品川)」の星一と「植物波農法」などの植物研究に取り組み、モルヒネなどの研究開発にも関わります。そのような中、楢崎が吉林にある道院を訪ねた際、廟の道士である蘆有三から瞬間沸騰する茶釜を見せられ、「上古代の日本には『アシア族』といって、八鏡文字を編み出し、特殊な鉄の鋳造技術等の高度文明を持つ人々がいて、それが中華文明の基礎になった」という古伝を聞かされます。謎を抱えたまま終戦で帰国、星製薬で大気電気の研究を続けていた楢崎は、昭和24年、兵庫県六甲山でカタカムナ神社の宮司・平十字(ひらとうじ)に遭遇、「カタカムナ文献」を見せられました。そこには「宇宙の構造」や「生命体の本質」など、最先端の科学、哲学が記されていたのです。

 このような文献が見つかるところからすると、人類学的な人間の起源は別として、日本が文明社会の起源だった可能性が出てきます。では、なぜ超古代の日本にこのような高度な文明が存在したのか? 鍵は、いわゆる「天孫降臨神話」にあると言われております。

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