多世界解釈

 量子力学の描く多世界解釈でのマルチヴァースについてお話しします。この理論はミクロの世界を支配している法則です。我々の腕時計やパソコンの半導体の内部では量子力学に従って電子が運動しています。しかし、この理論は本当に常識では考えられないような理論の展開になっています。つまり、すべての粒子は波であり、しかも、伝播してくる波を観測すれば収縮して場所が決まりますが、それは確率的なのです。観測ごとにその結果は変わってきますから、波としての確率的な予言しかできません。有名な「シュレディンガーの猫」の話があります。箱の中に猫と放射性物質を入れます。放射性物質は崩壊すると毒物質を発生させます。崩壊すると猫は死にますが、箱を外側から観察している人間にとっては生きているか死んでいるかわかりません。両方の状態が同じ確率で波として存在している。箱を開ければ、生きているかどうかわかります。つまり、観測するまでは生きている状態と死んでる状態が重なっている状態だという妙な理論です。この理論をもう少し論理的に説明できるのが「多世界解釈」というものです。つまり、猫が生きている世界と死んでいる世界、そこに両方の確率があれば、確率ごとに世界は分裂していくという立場です。例としてタイムマシンも この理論に当てはまるわけです。量子力学の描く世界では、このように宇宙は無限に分岐しているというものです。これも、証明できるかという話とは無縁の原理ではあります。