メートル法

 余談ですが、とあるセミナーで、北極から赤道までの距離はぴったり1万キロメートル、赤道から南極までの距離はぴったり1万キロメートルで誤差 ゼロ だいう話をしたところ、ある方から、そんな偶然あるわけがないと笑われたことがあります。

 距離(長さ)だが、1875年のメートル条約で 1メートルが定義された。地球の北極と南極を結ぶ経 線の長さの 4000万分の1を 1メートルとし、『メートル原器』という白金とイリジウム合金で定義された。このメートル原器には二つの目盛りが刻まれており、複製品が条約加盟国に配布された。ところが、数学では『線分』は幅がないものとして定義されるが、実際の原器の刻みは当然ながら幅があるので、誤差が 0.2µmほど存在した、比率にして 2×107 程度である。これでは精密測定には向かないという事で、元素が出す特殊な光を使う事が提案された。化学で炎色反応の実験をした事があるかもしれないが、このような特定の元素が発する特定の波長の光を使うというわけである。1927年にメートル原器から定義が代わり、カドミウム(Cd)が出す赤い光の波長に基づいて 1メートルが定義されたのです。