中国が宇宙で覇権を握れば宇宙は戦闘領域に

 なぜ、トランプ政権は中国の「宇宙強国」の野望を迎え撃とうとしているのか。

1 資源獲得競争

 まず挙げられるのが「資源獲得競争」で勝つためである。

 月には、スマートフォンや電子製品に使われる希少金属(レアメタル)など、鉱物資源が豊富に眠る。さらには、「ヘリウム3」という資源が大量に存在する。これは「夢のエネルギー」と言われ、「プラズマ核融合発電」の実現を目指している中国にとってはなくてはならない。これをアメリカは先んじて手に入れんとしている。まさに、大航海時代の資源獲得競争が宇宙を舞台に再来しているのです。

2 火星探査への足掛かり

 次に挙げられるのが、「火星進出への橋頭保」を築くためです。

 月面に基地をつくることができれば、火星への探査が容易になる。

3 宇宙空間を戦闘領域に変える中国

 三つ目に挙げられるのが、「米中戦争を制する」だめです。

 米国防情報局(DIA)の報告書によると、中国は宇宙空間を戦闘領域に変えている。対衛星兵器(衛星攻撃衛星)や人工衛星を標的としたレーザー兵器、超音速ミサイルを開発しているという。

 中国は地上に大型のレーザー施設を持っている。例えば、新疆ウイグル自治区の天山山脈に施設があることが確認されている。実際にアメリカの偵察衛星が何度もレーザー照射を受けているのです。

 中国はこのレーザー兵器の小型版を、自前の宇宙ステーションや、月面軍事基地に持ち込むのではないかと推測されています。これで敵国の衛星を完全に破壊できるという。さらに『衛星攻撃衛星』もつくっています。

 こうした兵器に自国の衛星が破壊されれば、地上では携帯、インターネット、銀行機能、発電所も停止してしまう。

 

宇宙空間は戦いの最前線

 日本が宇宙開発を本格化させなければ、安全保障面でも懸念がある。

 日本では、自国の人工衛星を護るための宇宙状況監視(SSA)がスタートしました。しかし、これはあくまでも監視が中心であって、レーザー兵器からの攻撃を抑止することはできません。

 日本も、抑止を考えるのであれば、小型化したレーザー兵器を人工衛星に搭載することも検討していくべきです。

 かつての大航海時代の様相も呈してきた宇宙進出。宇宙へのコミットなくして、日本の未来の基幹産業も危うい。同時に「宇宙空間が戦いの最前線になる」というマインド転換をすることが、いま求められている。