五欲をコントロール

 この世に生を持っている以上、欲望(財欲、色欲、食欲、名聞欲、睡眠欲)からは逃れられないが、これをコントロールすることはできる。

 すべては心より生じ、幸福も不幸も心より生まれてくる。

 心に支配されることなく、心を支配せよ。心を主とすることなく、心の主となるべし。

 幸福の科学大川隆法総裁は、『大悟の法』で以下のように説かれました。

「人間には、五欲といわれる五つの欲があります。まず、財欲、「お金が欲しい」という金銭欲があります。この世は経済原理で成り立っているため、現代社会においては、一円も使わずに一日を過ごすことはできません。どれほど欲がなくても、一円も使わずに生活することは不可能です。それは、しかたがないことです。次に、色欲です。情欲ともいいますが、異性に対する欲望です。これも根強くあります。また、食欲もあります。何も食べずにいると、どれほどがんばっても、おなかがすいてきます。それから、名聞欲があります。名聞、名声を求める心です。「あの人は偉い」「エリートだ」「よいところの御曹司だ」「よい学校を出ているらしい」「一流会社に勤めているらしい」「人より出世が早い」「講師になるのが早かった」などという、人の評価を求める心です。こうした名聞欲も抜きがたいものです。さらには、睡眠欲があります。「眠りたい」という欲望です。これも否定できません。不眠不休で仕事をしようとしても、三日以上はなかなかもちません。もっと長くもつ人もいるかもしれませんが、起きているふりをして、実際は眠っているかもしれません。したがって、睡眠欲も否定できないのです。このように、人間にとって五欲は逃れられないものです。この世の人間として生きていて、財欲、色欲、食欲、名聞欲、睡眠欲を否定できるかといえば、否定できません。それでは、これらをまったくなくしてしまうために、自殺してしまえばよいのかといえば、それもまた、修行の目的に反しています。この世に生を持たなければ五欲もないでしょうが、この世に生を持っている以上、五欲からは逃れられないのです(色欲・声欲・香欲・味欲・触欲の五つの感覚欲を五欲という場合もある)。しかし、五欲をコントロールすることはできます。五欲をよく統御して、心の主人(あるじ)となることが大事です。心に振り回されないことが大事なのです。本章の1節において、「信解脱」、信仰による解脱という話をしましたが、解脱には、ほかにも幾つかあります。たとえば、「心解脱」、心の解脱というものもあります。心解脱とは、説明の仕方はいろいろありますが、簡単に言えば、五欲をはじめとした欲望に振り回されることから自由になることです。これだけでも充分な悟りです。この境地には、なかなか行けないのです。すべては心より生じ、幸福も不幸も心より生まれてきます。「心に支配されることなく、心を支配せよ。心を主とすることなく、心の主となるべし」、これが大事なのです。」

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