「勝つべくして勝つ」 ドラッカー経営学

ドラッカー経営は「ヒトラーの失敗」がヒント

 ドラッカーは、経営学を研究する以前に「全体主義」「ファシズム」を研究していた。ナチスが台頭するより前にその危険性を見抜き、『「経済人」の終わり』という本で警鐘を鳴らす。その後、ナチスの迫害から逃れてアメリカに渡り、「企業を繁栄させて、独裁国家が生まれるのを防ぐ」という動機で経営学を構築した。

 幸福の科学大川隆法総裁は、ドラッカー経営学とヒトラーの台頭の関連について新たな見方を提示した。

「『秀才程度なら手に入るが、天才はそんなに手に入らない。天才がいたら、それに困ることはないが、いたら、いたなりに、その天才に限界がきたとき、組織の運営が崩壊する』ということを、彼は見抜いていたと思うのです」

 ヒトラーは、軍事的天才として ナチスドイツ軍の勢力を伸ばした。しかし、戦線が広がれば、どこかで目が行き届かなくなる。その時、天才に頼る組織は崩壊し、ドイツは敗れた。ドラッカーの発想の源には、こうしたナチスの経営的破綻への洞察があった可能性が高い。

 

「天才」よりも「兵法」で勝つ

 そうした背景を持つドラッカー経営学の特徴は、「組織としての体制をつくり、教育・訓練していく」というもの。経営の勝敗をトップの勘や才能に頼るのは危ない。仕事の仕方を固めて、他の人に学ばせることで、経営担当者を養成する必要がある。その意味で、ドラッカーの経営学自体も、天才でなくても学習によって優れた経営を行うための「兵法書」なのです。

 大川隆法総裁は、こうした天才に頼らず組織と教育によって戦う考え方を、「一言で言えば、『勝つべくして勝て』」と述べる。

 また、総裁は、ドラッカーがマネジメントの2つの機能として挙げていた「イノベーション」や「マーケティング」についても解説した。

 イノベーションに関しては、「『何か新しいものをつくることだ』と考えがちだが、そうではない。体系的廃棄である」

 変化の激しい時代、経営者は常に「新しいやり方」を考えなければならない。しかし、人間は、年をとるほど過去の成功体験が忘れられず、考え方を変えられなくなる。その下にいる人たちも、上の真似をするので、組織はますます変われない。そのため、今までの方法を思い切って「捨てる」という発想を持たなければ前には進まない。

 また、イノベーションのもう一つの方法として、「異質なものの結合」という観点を挙げた。

 マーケティングについては、「顧客の創造が事業の目的」という つい見落としがちな視点を紹介。あくまで成果は外にあり、内部管理ばかり行う経営の無意味さに釘をさした。

 学術界ではドラッカーを高く評価しない人もいる。それは、過去の研究成果を引用しながら自分の理論を構築していく科学的な手順を踏んでおらず、学問的ではないという理由からである。

 しかし、その理論は、マーケットにおいて現在進行形で事業を行う数々の企業を研究し、その成功・失敗の原因の本質を洞察した知的結晶物といえるものである。何より、多くの経営者が、ドラッカーの経営学を用いて実際に大企業を生んでいる。

 総裁は、机上の空論ではないドラッカーの「勝つべくして勝つ」理論を、実際に使いこなした上で、そのエッセンスを「経営成功学」の形にして抽出している。成功を目指さない「兵法」などありえないと。

参考