潜在意識とは「神の働き」

 まず、一般的な潜在意識の考え方に比べて幸福の科学の潜在意識の理論が進んでいる点を説明します。

 潜在意識(無意識)の存在を最初に唱えたのは、精神分析で有名なフロイトでした。彼の理論は、私たちの「自我」の根底に、意識していない隠された自己である「無意識」というものがあり、この無意識が自我をいろいろと支配しているというものです。この考えによれば、無意識とはあくまで「自分の一部」に過ぎないことになります。

 無意識の概念を大きく広げたのが心理学者ユングです。ユングは、人間一人ひとりの無意識は根っこの部分で人類全体の「集合的無意識」につながっていると考えました。遠隔地の知り合い同士に同時に何かが起こるといった「共時性」(シンクロニシティ)などの神秘的現象を、心のつながりによって説明しようとしたのです。

 二人の研究によって、人間には意識されない心があり、それが不思議な働きをすることが分かってきましたが、その正体は、はっきりしませんでした。

 潜在意識の力を使った願望達成の方法を唱えた人物で最も有名なのが、ジョセフ・マーフィー博士です。博士の著書は日本でも1960年代から現在まで40年以上読まれ続けています。

 マーフィー理論は一言でいえば、「潜在意識に刻印したことは、何であっても実現する。それは宇宙の法則である」というものです。もともとキリスト教の牧師だった彼は、潜在意識とは神が創造した心の法則であり、神の働きとしての「無限の知性」であると捉え、潜在意識を「神」と呼ぶこともありました。フロイトやユングにはなかった、潜在意識は神的な働きであるという考え方が出てきたのです。

 

幸福の科学が解明した「潜在意識」の諸相

 そして、幸福の科学が説いている理論は、マーフィー博士が気づいた潜在意識の真実について、全体像を明かしています。

 それによれば、一般に潜在意識と呼ばれてきたものは大きく二つから成っています。一つは霊界に存在する、自分自身の心の一部(魂の兄弟。もう一つは、霊界に存在する自分以外のあらゆる霊的存在がネットワーク的に自分と影響し合う働きのことです。宗教的に言えば、神仏、高級霊(天使)、この世に生きている人の魂の兄弟、さらには悪霊や悪魔などです。

 幸福の科学では、潜在意識の力を使うとは、自分自身の霊的な潜在能力を発揮すると同時に、霊界の協力者やネットワークの力を借りて物事を実現することも意味すると言う。何もかもひっくるめて「潜在意識」と捉えるより、こうした中身を知っているほうが、潜在意識がよりよく働いてくれるのは言うまでもありません。一方で、悪霊などの影響を見分けて退ける智慧にもつながります。

 なお、マーフィー博士の霊が、幸福の科学支援霊団の一員として、『ジョセフ・マーフィーの霊言 心の力で富を引き寄せる方法』と題する霊言を送ってきました。そこでは、生前のマーフィー理論をさらに発展させた考え方が説かれています。

 

「信仰心」が一番強い

 本当は、祈りとか信仰心が一番強いんです。絶対なる仏や神への信仰心があれば、イメージを描くのでも強烈にやれます。普通に「イメージせよ」というのは、心理学的には信仰心より弱いんです。

 「信念、岩をも動かす」という言葉があります。単なる信念ですら、不可能はない。信仰は信念より、もう一つ下にある深いものですから、宗教をやっているのに思いが実現しないのは、失礼な言い方ですが、信仰心が弱いんですわ。

 とにかく、「イメージしたらそうなる」というのは突き詰めると、宇宙そのものがそうなっているのです。

 

潜在意識を最大に生かす「信仰の力」を

 人々が「潜在意識」という名で呼んできたのは、目に見えない高次元世界(霊界)にいる自分自身の一部である守護霊や、指導霊(天使)、神仏などの力なのです。心や霊界の研究が進めば、こうした存在が科学的にも説明されていくでしょう。

 けれども、私たちが電波の原理を知らなくてもスマホが使えるように、潜在意識の霊的な働きが今の科学で説明できなくても、宇宙に満ちるその力は誰でも使うことができます。幸福の科学が説いている心の法則は決して、信者にしか効かないような心の狭いものではありません。

 ですから信者でない方も、ただ「潜在意識を使う」と考えるだけでなく、遠慮なく「守護霊よ、指導霊よ。ありがとうございます」と感謝しながら、彼らを信じて願望を伝えてください。その願いに正当性があり、他の人を害するものでなく、あなたにふさわしい願いなら、必ず力を貸してもらえるはずです。

 そして、あなたが潜在意識の力を最大限に発揮したいなら、ぜひ、大宇宙の創造力そのものである主エル・カンターレと、信仰によって一体となってください。幸福の科学の扉をたたくことで、あなた本来の「無限の力」である潜在意識の扉が、大きく開かれることでしょう。

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