グローバリズムの幻想から目を覚ませ

 グローバリズムとは、貿易や金融などにおいて国家の枠を超え、世界を一つのルールで統一しようというもの。ソ連崩壊後の1990年代以降に世界に広まり、国境を超えて商売をする多国籍企業が台頭した。

 「グローバリズム」とはどのようなものか。明確な定義はないが、「国家を超えて、地球を一つにしようとする考え」と言える。多国籍企業が世界を舞台に活動を広めていったことも、グローバリズムが進んだ結果の一つです。

 

グローバリズムでアメリカから富が流出

 これまで、「アメリカ的な文化様式や価値観が世界を覆うことは可能か」が試されてきたわけだが、それは失敗に終わりつつある。

 幸福の科学大川隆法総裁は、日本だけでなく、グローバリズムを進めてきたアメリカの経済が低迷し続けている理由も、グローバリズムだと指摘している。

「グローバリズムそのものは、もともと資本主義的なものだったはずであり、『アメリカンスタンダードを広めれば、世界が豊かになって、幸福になれる』という考えだったのでしょうけれども、どこにでも同じルールを適用していくと、結果として共産主義に似てくるところがあるわけです。

 アメリカ人自身のなかにも、『グローバリズムによって利を食める』と考えた人たちはいたのだと思います。ただ、実際上は国内産業が壊滅していきました。自動車産業も壊滅し、石炭産業も壊滅し、大勢の人が失業のなかに置かれて、さまざまなものが人件費の安い国に奪われています」

 自らの国で各産業がさびれ、失業者が増えている状況ならば、まずは減税や規制緩和などで自国に企業を呼び戻し、雇用をつくり、自国経済を立て直すことが第一だろう。その意味で、イギリスのEU離脱やトランプ氏のアメリカ・ファースト政策も当然の流れと言える。

 一般的に、マスコミなどは「ナショナリズムの台頭」を嫌う傾向にあるが、日本も今一度愛国心を取り戻す必要があるだろう。政府は、日本企業が国内回帰できるよう、減税や規制緩和を行って国内経済を復活させ、自由や民主主義という価値観を大切にする日米によるリーダーシップで、世界に繁栄をもたらすべきです。

 

グローバリズムの弊害の例 BIS規制

 これまで、一般にグローバル化が進むことはよいことだと思われてきた。だが、実際はグローバル化によって、1990年代以降、日本経済が低迷したことも事実です。その一例として、国際決済銀行(BIS)が定めたBIS規制が挙げられる。

 1988年、世界各国の中央銀行の代表が集まるBISで、「一定の自己資金(当初は総資産の8%)がなければ、融資を拡大してはならない」というバーゼル合意、いわゆるBIS規制が定められた。だがこれは、当時、世界中に融資を拡大していた日本の銀行に対して、それ以上融資できないようにするための規制だった。

 1990年代、日本にもこのBIS規制が導入された結果、日本の銀行は国内外で融資を引き揚げなければならなくなった。その結果、1998年ごろには、融資を受けられなくなった企業の倒産が相次ぎ、失業者や自殺者も数多く出た。その後、長期間、低成長の時代が続いている。

 グローバリズムとは、事実上、”世界のアメリカ化”であり、アメリカの多国籍企業に都合のいいルールが、世界中に広められていった。

 

グローバリズムは共産主義に似てくる

 そもそも、グローバリズムには、世界を一つの価値観に染め上げるという点において、結果として、共産主義に似てくるという問題がある。

 共産主義はその理想に反して、一部の権力者が富を独占し、貧しい者は貧しいままという絶望的な格差社会を作り出してきた。

 近年、グローバリズムの流れに乗った一部の多国籍企業が莫大な富を得たものの、本来所属している国に富を還元せず、その国の経済が低迷する状況も生まれてきた。

 だからと言って、「反グローバリズム」で排外主義的な右翼政党が台頭するヨーロッパ諸国の流れを、単純に肯定するわけにもいかない。

 「グローバリズム」か「反グローバリズム」かの単純な二者択一ではなく、一人ひとりが自分の国に責任を持って、勤勉に働き、発展を目指す。いま世界の国々や人々に必要とされているのは、そうした当たり前の「自助努力(セルフ・ヘルプ)の精神」でしょう。

 

グローバリズムの幻想から目を覚まそう

 「グローバリズム」がもたらした結果は、その発信地であるアメリカの企業にとっても、日本の企業にとっても、理想的なものではなかった。それを知っているからこそ、トランプ氏は「米国第一主義」を掲げ、国家の立て直しに取りかかっている。

 では、日本はどうすべきか。

1 BIS規制よ、さようなら!  金融機関の再生 

 まずは、銀行をドケチにし、企業を苦しめ続けるBIS規制は、即刻拒否するべきだろう。

 銀行の使命は、集めたお金を投資した事業が成功し、新しく富を生むことだ。ならば、銀行が融資の際に最も重視すべきは、自行の自己資本でも相手企業の担保でもない。その事業に将来性があるか、その事業を担う人が信頼に足る人物かだ。

 「信用できる」。そう言って、不況で工事資金を調達できなくなった鉄道会社に、担保なしで多額の融資を決めた人物がいる。明治時代に奉公人から身を起こし、みずほ銀行の前身となった安田銀行を創立した安田善次郎だ。その鉄道会社は現在も営業を続けている。

 銀行が、企業を救い、育てるという本来の使命を果たせるようにしなければいけない。

 

2 日本文化に合った会計基準に  企業の再生

 「その時点の企業の価値」を計算することを重視した現在の国際会計基準は、短期的な株の売買で稼ぐ人にとっては都合がいい。しかし、どうやらこれは日本の文化に合っていないようだ。前出の安田善次郎もそうだが、長期的な成長を見込んで株を買い、その企業を育てるのが日本のやり方だったはずです。

 上場企業の会計監査を手掛ける公認会計士(58歳)は語る。

 国際会計基準はそのほとんどが日本の会計基準にも導入されており、上場企業は、まるで避けられない自然現象のようにそれを受け止めている感があります。海外に事業展開する企業も多いので、国際的な会計基準は必要でしょうが、新規の大型投資を止めてしまうようなら、見直しも必要です。

 固定資産の減損会計など、企業が短期的な指標に振り回されるような会計基準には見直しが必要です。

 

3 日本国内でも商売繁盛!  日本経済の再生

 交通手段の発達した今、企業が海外進出するのは当然のこと。しかし、いくら事業が海外に広がっても忘れてはならないことがあるのではないか。それは、かつて松下電器やトヨタの社訓の筆頭に挙げられていた「産業報国」の精神です。自社を発展させ、産業を成長させることで、国に報いる。毎日の仕事は、国の発展に直結していた。

 ところがバブル崩壊後、日本企業は、消費の伸びが見込めず、人件費も高い日本国内では生き残れないと見て、海外に進出していった。そうなれば当然、企業が払う法人税などが減る。すると政府は「税収不足だ」と度重なる増税をした。その結果、ますます消費は冷え込み、企業は日本から逃げていくという悪循環に陥っている。

 企業が「産業報国」の精神を取り戻すと同時に、減税や規制緩和で、日本でビジネスがしやすい環境をつくる必要がある。さらに交通インフラや宇宙事業などへの投資で、国内の産業を活性化させれば、日本のGDPはまだまだ成長する。

 そろそろ日本人は、グローバリズムの幻想から目を覚まさなければいけない。バブル崩壊後、アメリカ的な金融システムや経営手法を取り入れてきたが、日本的なやり方にもいいところがたくさんあった。それを現代に合った形で取り戻すことが、日本経済の復活につながる。

 日本もアメリカも、バック・トゥ・ザ「愛国経営」で行こう。