よい仕事をするための条件

 「本物の経営」には普遍的な考え方が必要です。

 『人格力』27ページには、習慣についての指摘があります。成功する人の多くは、よい習慣を持っています。考えなくてもできるようになるのが、習慣の力です。普段からしていないと、いざという時にできません。習慣力を身につけることはとても大切なことです。

「孤独の時間を持たないと、創造性が足りなくなる」(57ページ)という指摘もその通りです。

 経営者やリーダーには、一人で内省する時間や深く考える時間が必要です。

 また、「一定の経営力を身につけるために、優秀な経営者の書いた本を読む」(66ページ)ことも重要です。(『人格力』)

 

 他にも、「普段は優しく、時には厳しく」「Think big! Be positive! Be constructive! (大きく考える。積極的で建設的な考えを持つ)」「お客様を大切にする」といった点も、成功する経営者に共通しています。

 

内省し「人間力」を高める

 ビジネスパーソンとして成功するための要素は、「思考力」と「実行力」の2つだと思います。『人格力』に書かれていますが、深くものを考えるようになると、直観力も高まります。現在は情報量が多すぎるので、直観力を鍛えておかなければ、適切な判断ができません。ただ、普段から考える習慣がない人の「直観」はあてになりません。

 「人はどんな時に喜び、どんな時に悲しむか」というのは人情の機微です。自分のことしか考えない自己中心的な人には、人の気持ちが分かりませんし、それでは人を動かせません。

 経営には、「技」も必要ですが、技は、最終的にはお金で買えます。会社が小さいうちは、財務諸表の読み方が分からない、扱っている商品をよく知らないというのでは、商売になりません。しかし、ある程度会社が大きくなると、そうした仕事は専門家を雇って任せられるようになります。

 しかし、リーダーの人間観や人格的魅力は、人を雇ってもどうにもなりません。心は自分で磨くしかないのです。

 『人格力』は「人間力を高めよ」と言っています。「成功の根本は考え方にある」のです。

 

よい仕事をするための3条件

 さらに、『人格力』には「感動を与えることが大事」(192ページ)とありますが、感動をつくり出すのは、「お客様を喜ばせよう」という気持ちです。

 例えばディズニーランドにもマニュアルがありますが、「ゲスト(客)をもてなし、喜んでもらおう」という気持ちがベースにあるからこそ、マニュアルが生きてくるのだと思います。

 よい仕事をするには、シンプルですが「お客様に喜んでもらう」「働く仲間に喜んでもらう」「工夫する」という3つが大事だと思います。これに集中した会社はうまくいきます。

 また一定のところまで成功すると、人は二通りに分かれます。一方は、「金さえあれば何でもできる」と考えて、金の魔力に取りつかれる人。もう一方は、「今まで頑張ってここまで来たのは、お客様や働く仲間、社会のおかげ」と考えて、よりよい商品やサービスをつくろうとする人。

 もちろん後者の方がうまくいきます。お客さんにも従業員にも好かれるわけですから。

 よい仕事をする上で、欲を制御する必要はありません。正しい欲を持てばいいのです。

 「大欲は無欲に似たり」という言葉もありますが、「世の中をよくしよう」というのは大欲です。欲にも質があるので、欲のレベルを上げることが大切です。 

参考