組織の団結力を高めるポイント

 強みを発揮する組織は一人ひとりの想念の力を結集し、力につなげている。「組織レベル」で想念の力を管理しているわけです。

 『成功の法』(大川隆法著)によると、そのためには次の方法が大切です。

1 全員の理想とするに足るぐらいの大きな提案をする

 「売上げを1.2倍にする」「コストを3%削減する」などといった比較的手近な目標だけでは、なかなか全員を奮い立たせることはできない。小さな成功体験を積み重ねることは大事であるにしても、同時にだれにでも分かる大きな理想を掲げることも極めて重要である。

 戦国時代で言えば、織田信長の掲げた「天下布武」というスローガンは具体的で分かりやすかったため、多くの兵士が奮い立った。また、幕末の薩摩藩などが黒船を見て、「自分たちも同じものを造ってやろう」と志したのも、明治維新を成し遂げる上で、効果的だったと言える。 

 組織の成功には、全員の理想とするに足るぐらいの大きな提案をすることが大切です。

2 その提案の実現までにある程度の期間を区切る

 いくら魅力的な目標であっても、「いつか、そのうちに」では理想は絵に描いた餅になってしまいかねない。

 トヨタの場合、創業期から欧米のメーカーをライバル視していたが、数百倍の彼我の差があった。にもかかわらず、「3年で欧米に追いつけ」という指示を出し、生産性の向上に取り組んだ。その結果、5年後に当時の取締役が米フォードに視察に行ったところ、「技術面ではそう大きな差はなかった」と感じるまでになったという。「いつかそのうち欧米に追いつこう」といった思いであれば、今日のトヨタの発展はなかったかもしれない。

3 成果があがることによって、その想念を出していった人々が、何らかのかたちで喜びを享受できるようにする

 大きな目標を一定の期間に達成するには、どうしても厳しい努力が伴う。しかし、厳しさだけでは組織の力を長く発揮することはできない。何か「努力が報われる」仕組みが必要となる。給料やポスト、生活の安定といった、何らかの喜びをフィードバックする仕組みが求められる。あるいは、仕事そのもの、忠誠を尽くす生き方そのものにも喜びを感じるような組織文化をつくるという方法もある。

 どの方法にしろ、その喜びをどれだけ多くの人が享受できるか、それが組織の団結力を大きく左右するわけです。

参考

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