「ピーターの法則」

 昇進を続ければいずれ必ず無能になるという、あらゆる人をその影響下に置く、恐るべき「ピーターの法則」。

 しかし、だからといって避けがたい運命というわけではない。「ピーターの法則」を突破する方法はある。

1 上司の仕事を先取り研究  日常の心がけ

 「無能化の罠」に陥らない方法として、日常の心得として必要なのは何であろうか。それは「備えあれば憂いなし」。出世してから慌てて勉強するのではなく、日常の心がけとしてもう一段上の仕事を研究しておくことです。

「やはり先取りをして研究しておくことです。自分がもう一段スケールの大きな仕事をするためには、人の使い方や組織のつくり方において、どうしなければいけないのかということを、難しいことではありますが、考えていく必要があるのです」(『常勝の法』193ページ)

 例えば、課長になる前に、すでに課長の心境で課長の仕事をよく見据え、いつでも課長になれるぐらいの仕事を心がける。このようにいつも、何年後かに自分がもう一段出世したときに、その仕事ができるかどうかという目で、次の戦略を練って、上司の仕事を常に研究している必要がある。

2 緻密な自己分析と創意工夫  限界を感じ始めたら

 昇格や異動をきっかけに、すでに能力の限界を感じて苦しんでいる場合は、どうしたらよいのか。

 そんなときは、普段は見えない自分の欠点や弱点が見えてくるものだ。そうした時こそ成長のチャンスだと考えよう。

「研究心を持って、自分を観察し、他人を観察し、その魂の癖や傾向性、長所・短所を緻密に分析しながら、『自分を変えていこう。いまの自分を脱ぎ捨てていこう』と思っている人は、運命が変わっていくのです」(『幸福の法』65ページ)

 自分の欠点のなかから長所を開発し、長所のなかから次の失敗の種を発見していくことで、もう一段自分を成長させる。

 苦しいときこそ、くよくよ悩むのではなく、緻密に自分を分析し、創意工夫を重ねて、限界を克服しよう。

3 過ぎた欲望は身を滅ぼすと知る  どうしても壁が超えられない時は

 そうは言っても、一生懸命努力しているのに、一向に道が開けず、どうしても限界が突破できないときもある。そんなときは どうすればよいのでしょうか。

「それでも超えられないものに関しては、欲望のコントロールの問題だと思わなければいけません。『分不相応な成功は身を滅ぼすことになる』ということを知っている人は、失敗はしないのです」(『幸福の法』68ページ)

 「課長になりたい」「部長になりたい」「社長になりたい」という志も、それが過ぎれば「執着」となって不幸の原因となる。他人の目で自分を見て、自分の実力を超えて出世しようとしていないかどうか、よくチェックすることが大切です。

 限界を突破しようと努力することは大事だが、それが必要以上の苦しみや執着をもたらすようであれば、あきらめることもひとつです。自分の限界を知り、執着を捨て、実力の範囲内で生きることも大切です。

 限界を感じたときこそ、限界を突破するチャンス。「無能」になることを恐れて単に安定だけを目指すのではなく、この機会に自分ならではのポジションを確立しよう。前に進むにしろ、新しい生き方を選ぶにしろ、常に考え続けるという姿勢が大切。それが無限に成功を続ける道につながっていく。

参考