成果を上げるには 人の強みを生かす

成果をあげるためには、人の強みを生かすことも重要です。特に、人事においては、強みに焦点を合わせることが重要です。弱みを最小限に抑えるのではなく、強みを最大限に発揮させることです。組織の利点は、個人の弱みを意味のないものにすることができることです。

数字に強いけれど対人関係の能力が劣る人間は、独立して仕事をすることは難しいのですが、企業の経理部では強みを生かして成果をあげることができます。対人能力を必要とする営業は、それを強みとする者が行えばよいのです。弱みに配慮して人事を行えば、上手くいったとしても平凡な組織に終わってしまいます。それよりも、個人の強みを最大限に生かせるよう人事を行なわなければなりません。

私たちは、学校で得意分野を伸ばすことよりも苦手分野を克服するという教育を受けてきたため、どうしても強みではなく弱みに焦点をあててしまいがちです。大きな強みを持った人は、たいてい大きな弱みも持ち合わせています。しかし、全ての分野で強みを持つ人などはあり得ないし、人の卓越性は一つの分野でのみ発揮されるものです。個々の弱みを無意味化し一つの強みを最大限に生かせるから組織に意味があるのです。

成果をあげる為には、部下や同僚の強みを見出し、それを仕事に適用させることが必要です。

しかし、いくら強みを生かす人事をしなければならないからといって、個人の強みに合わせた職務設計をしてはなりません。仕事は、なすべきことにしたがって客観的に設計しなければなりません。しかし、客観的であっても、適切に設計しなければなりません。人にできない仕事は作ってはならないのです。前職で十分な実績のある人が、2~3人と挫折するような仕事は、そもそも最初から人にできるような仕事ではないと考えるべきです。また、一定期間仕事で成果をあげられない者がいた場合は、その人間の適性に合った部門に移動させてあげなければなりません。そして、人事の失敗はその人事を行った人間の責任としなければなりません。成果をあげられないのは、その人の強みを生かしきれなかったからだと考えなければなりません。 

組織の評価基準は、天才的な人間の有無ではなく、平凡な人が非凡な成果をあげられるか否かです。  強みを生かす人事ということを考えれば、人事考課も強みに焦点を合わせる必要があります。人事考課では、何が出来なかったかを見るよりも、何が非常に良く出来たかを見る必要があります。そうすることによって、弱みではなく強みを生かす組織を作ることができます。

また、強みを生かすのは、部下や同僚だけではありません。上司の強みも生かすことを考えなければなりません。実際、上司が出世しなければ自分が出世することも難しい。上司に媚びへつらうのではなく、上司の強みを理解して、その強みを生かすよう提案すべきです。もちろん、上司に対して、「あなたはこういったことが強みなのでここを生かしていきましょう」などと言っては角が立ちますので、上手なやり方を考えなければなりません。上司が成果をあげることは、自分にとってプラスになるのだと認識して、上司の得意なことを得意なやり方で行うよう提案できると良いと思います。人は自分のことより他人のことの方がよくわかるものです。

人の強みを見極め、それを生かすような仕事をさせることが、自分自身にとっても組織にとっても成果をあげる重要な要素なのです。