規制緩和

日本の規制緩和について考える

 幸福の科学大川隆法総裁は、「創造する頭脳」という法話でアベノミクスがなぜ限界に直面しているか、「自由」と「創造性」をキーワードに解き明かされた。

 景気回復のための政策といえば、ひと昔前は、政府による公共事業が有効だった。道路を舗装することで物流が便利になれば、道路建設に投じたお金以上の経済効果が生まれる。

 だが、現在の日本経済は、工業を中心とした第二次産業から、サービスを中心とした第三次産業へと移行している。大川隆法総裁は、「サービス産業のほうには、そうした設備投資がほとんど効かない」と、現在の経済政策が誤りであるとした。

 では何が有効なのでしょうか。大川隆法総裁は、手続きの簡略化や、参入障壁の排除、そして許認可行政の撤廃など、サービス産業の障害となっているものを取り除くことを挙げた。

日本は学校ひとつ建てるのにも、複雑な手続きが必要です。飲食業や旅館業などを営むのも許可が要る。タクシーの運賃も定められ、500円タクシーは姿を消した。こんな「不自由」な状況では、経済は活性化しないでしょう。

 残念ながら安倍首相はこれとは逆のことを行った。当初は規制緩和にも取り組もうとしていたが、各分野に利権を持つ政治家や官僚からの猛反対で頓挫。消費増税で低迷する景気を回復させようと焦った安倍首相は、民間企業に賃上げを要求し、女性管理職の割合を3割にすることなどを働きかけ、逆に「政府主導」の社会主義的な政策を進めてしまう。

 高度な社会になればなるほど、規制緩和などで自由を担保することが重要です。安倍政権の「大きな政府」志向は、アベノミクスの再生には繋がらないことを理解する必要がある。

 さらに、学問における創造性の高め方として、理系・文系を問わず、新しいものにチャレンジしていく精神の重要性があります。STAP細胞問題のように、理系の研究においても、長老が仕切る役所のような年功序列型のシステムが、チャレンジしにくい環境を作っている。特に「理系の場合は、文系よりも才能が出てくるのが早いことが多い」「発明・発見に関しては、年齢は関係ないことが多い」。もう一段の自由と寛容さを求める。

 アベノミクスをスタートさせるにあたって、安倍首相自身も「岩盤規制にメスを入れる」「聖域なき規制緩和を行う」と宣言してきた。しかし、森友学園や加計学園といったスキャンダルを見ると、安倍首相がやったのは岩盤規制を放置して、お友達の「倫理なきビジネス」の手助けをしたようにしか思えない。

 自民党政権は、長期にわたって規制緩和を掛け声に選挙を有利に戦ってきた。しかし、その実態は諸外国に比べて遅々として進んでいない現実もある。

参考

規制は本来「政治家」と「官僚」の利権だった?

 もともと、今回の規制改革推進会議は、首相官邸が主導してきた一連の「規制改革会議」がベースにある。自民党政権時代、民主党政権時代ともに、同様の会議が、名称などを次々に変えながら延々と続けられてきた。

 システムとしては、首相の諮問会議という形式にして、どんな規制緩和が適切かを審議して首相に答申する仕組みになっている。最も有名なのが森喜朗内閣、小泉純一郎政権時代に設置された「総合規制改革会議」(2001年4月1日~2004年3月31日)で、オリックスのCEOだった宮内義彦議長が、「製造業における労働者派遣事業の解禁」と「郵政民営化」などを答申した。

 正規社員を激減させて、パートやアルバイトばかりを増やすことになった労働者派遣事業の解禁も、もともとは規制緩和の一環だった。結果的に、国民を苦しめる規制緩和になったと言っても過言ではないでしょう。

 また、郵政民営化の議論では3年間の議事録が作成されておらず、会議でどんな議論がなされたのか詳細が不明で、議長の説明責任が問われたものの、2004年3月に閣議決定されて推進された。周知のように、郵政民営化は国会を解散して国民に信を問うた。小泉政権は大勝し、その流れで第1次安倍内閣も誕生した。

 その後も、「規制改革・民間開放推進会議」(第2次、第3次小泉内閣)、「規制改革会議」(第1次安倍内閣、福田康夫内閣、麻生太郎内閣、鳩山由紀夫内閣)と続き、第2次安倍政権時代にも「規制改革会議」の名で引き継がれた。2016年7月に規制改革会議の任期が終了し、現在の「規制改革推進会議」がスタートしたわけです。

 

日本にはまだ数多くの「岩盤規制」が残っている

 こうした一連の規制改革会議の議題や答申内容を見るとわかるのだが、おおむね自民党の支持母体である大企業などが、よりスムーズにビジネスを展開するための規制緩和が主であって、国民や納税者が主となる規制緩和は少ない。

国民が選挙で自民党を選択しているのだから仕方がないと言えばそれまでだが、そもそも同会議のメンバーの選別からして、企業サイドの人間が多い。

 

突破口として作られた「国家戦略特区」が狙われた?

 安倍首相自身が指摘するように、日本にはまだ数多くの「岩盤規制」が残っている。岩盤規制とは、規制を担当する官庁(役所)や族議員、業界団体などが「三位一体のスクラム」を組んで「緩和されること」を阻止している規制のことである。医療、農業、教育、雇用などの分野に多いといわれるが、解禁されて自由化されてしまえば、各省庁やお役所の役割がなくなり、仕事を失うことになる。政治家もまた「利権」を失うことになるわけです。

 その岩盤規制が、いまだ「道半ば」であることはさまざまなメディアでも紹介されているが、そもそも首相自身が岩盤規制の存在を認めていることにも違和感がある。岩盤規制があるとすれば、その主犯格は行政であり、そのトップが他人事のように「岩盤規制」などと発言することは、自分の至らなさを認めているのと一緒です。

 たとえば、いま世間を騒がせている加計学園の獣医学部新設問題の舞台となった「国家戦略特区」は、首相を議長として内閣府に設定された「国家戦略特別区域諮問会議」が提唱したものである。岩盤規制を突き崩すための切り札として、全国9ヵ所に特区を制定して、既存の省庁が介入できないようにした。

 そもそも規制緩和は、民間の有識者などを集めて諮問会議をつくり、公平かつ公正な立場で、どの分野のどの部分の規制を緩和すればいいのかを審議させ、そのうえで規制緩和の推進をしていくというのが普通のプロセスである。その点、国家戦略特区は首相が自ら議長となって、自分の意図する分野の規制を実施していこうというプロセスをたどっている。これまでのボトムアップスタイルとは真逆の「トップダウン」方式のプロセスが採用されている。

 そういう意味で言えば、加計学園のスキャンダルが噴出した背景には、岩盤規制を守っているスクラム側の反撃と言えなくもない。とはいえ、「お友達」を優遇したのではないかと疑われるような方法で、数百億円もの資金が動くプロジェクトを推進してしまったところに問題がある。

 いずれにしても、日本の規制が綿々と守られ続けている背景には「縦割りの行政機構」があり、省庁が握っている「許認可」の数に問題があると言われてきた。かつて、英国のマーガレット・サッチャー政権や米国のロナルド・レーガン政権時代に「規制緩和(ディレギュレーション)」が景気回復の方法として断行され、それなりの成果を上げた。

 

日本の規制緩和はさまざまな分野で進んでいない

 ところが、日本では大胆な規制緩和と呼ばれるものが、なかなか実現してこなかった。さすがに携帯電話などの通信事業やIT事業といった、技術革新による時代の変化には対応せざるをえなかったようだが、それでも日本の規制緩和はさまざまな分野で進んでいない。

 日本の司法はつねに判断を避けてあいまいのまま放置し、代わりに行政が勝手に判断している状態である。結果的に、日本は規制緩和が進まず、経済の成長を阻害しているわけです。

 現在の省庁の許認可数は1万4908件(総務省行政評価局、2015年4月1日現在)。近年ずっと1万4000件台で横ばい状態だ。許認可というのは、許可、認可、免許、承認、検査、登録、届け出、報告等といったもの。最も多くの許認可を抱えているのは、国土交通省で2699件に達する。なお、1993年3月時点で最も多くの許認可を抱えていたのは通商産業省(現経済産業省)で1986件だった。

 

日本の規制緩和が遅れているのは「司法」の怠慢

 日本ではなぜこうも規制緩和が進まないのでしょうか。綿々と続けられている規制緩和のための諮問会議も、高い税金を使って有識者を集めている割に大胆な案はさっぱり出てこない。

 岩盤規制を守っている三位一体のスクラムを組んでいるグループに対して、「忖度(そんたく)丸出し」「配慮だらけ」の答申しか出てこない。政府があらかじめ作った原案をそのまま踏襲するだけの答申しか出せない。そんな会議や制度が必要かどうか疑問だし、官僚や政治家の干渉を受けない抜本的な規制改革を打ち出せるような仕組みに変えたほうがよいでしょう。

 経済学者ハイエク(1899~1992年)は、最低限のルールを事前に決めて、そこからはみ出さなければ何をやっても構わないという「法の支配」を唱えた。そのルールは、特定の人たちや企業だけを優遇するものではなく、だれにでも当てはまる普遍的な法(ノモス)であるべきだとした。

 この考え方に基づけば、法律というのは、車の流れをスムーズにする交通ルールや、植物の成長の邪魔になる要因を取り除く「樹木の剪定」に近いものとなる。この結果、どの車に対しても同じルールが適用されるので「機会の平等」が保障される。「剪定」が適切に行われれば、企業が「自由」に成長していくことができる。

 ハイエク流を実行すれば、省庁で最終的に残るのは、法務省や外務省、防衛省、それに総務省と経済産業省の一部ぐらいになるという。

 

規制緩和はなぜ大切なのか

 景気を良くするために政府がすべきことが3つある。

 一つ目は、消費税の減税。

 二つ目は、すぐには利益が出ないような大きな事業に政府がお金を使うこと。具体的には、航空・宇宙産業などへの投資や、国防に役立つ防衛産業だ。そうすれば、慎重になっていた企業もお金を使い始める。

 三つ目には、企業や銀行の仕事を邪魔する古い法律や必要ない政府の仕事などの「規制」を取り除くことである。アベノミクスで最も踏み込めていない規制緩和である。

 IT技術の導入で、農業の効率化や品質向上を目指す取り組みが進んでいるが、企業参入の障壁をもう一段外せば、大規模化によって農業はまだまだ富を創出する可能性を秘めている。航空・宇宙産業も日本の技術力を発揮する潜在的な可能性が高い。

 公共事業においても、建築規制などを緩和すれば、空中を活かして、よりダイナミックな都市開発が可能になる。高層建築が増えれば、都心の安くて広い部屋に住めるようになり、通勤も楽になる。

 高速道路やリニア新幹線の開通を前倒しし、羽田・成田空港の24時間運用などによって、東京を国際都市に飛躍させる。こうした中長期的な日本経済の発展を見据えた、大胆な投資が望まれる。

 国民が起業家精神を発揮し、潜在力を解放する環境を整えるために、規制を緩和していくのが政府の役割である。

  リニア新幹線の早期敷設や宇宙・防衛分野への大規模投資など、胸躍るような成長の青写真が必要です。それは世界経済のためでもあります。米欧中の経済が回復途上にある中で、日本が力強い成長で世界経済を回すべきです。

 新幹線やリニア新幹線などは、地方の経済成長を促す重要な交通インフラですが、交通網のみを発達させるだけでは不十分です。同時に新産業の誘致にも力を入れる必要があります。

 景気回復基調が続けば、税収が増え、財政問題の解決が見える。政府は東京五輪に向け、より積極的な投資を行う。リニア新幹線敷設も前倒しできる。

 好景気と将来への明るい見通しの中で、新エネルギーや新産業への投資も進む。これがもう一段の経済成長のエンジンとなる。日本は再度の高度経済成長の中、盛大に2020年東京五輪を迎える。

 人口が少ない地方でもベンチャー企業などの誘致に成功すると、新しく雇用が生まれます。従業員には給料が支払われ、その給料からは所得税が収められます。ベンチャー企業の成長に伴い、関連産業が発達していくとさまざまな形で税収が増え、さらに人口も増えて、地方の活性化につながるのです。

 企業誘致を進めるために地方自治体がなすべきは、企業に対する税の優遇です。法人税を減免するなどし、ベンチャー企業を育てる土壌をしっかり作ることが重要でしょう。企業家を集め、投資を呼び込むことを地方活性化の柱と考えることです。

 

創造するには自由が必要

 今、日本が最も必要としているものは、富を生む新しい基幹産業を打ち立てることです。

 日本は、防衛産業、宇宙産業、エネルギー産業などにおいて、先進各国に遅れをとっている。これらの産業の発展を阻害しているのが、高い税金であり、数々の規制であり、実用性ある学問を教えない大学である。

 これらの障害を打破するには、「消費減税」「規制緩和」「教育の自由化」が必要である。共通している概念は、「自由」であり、それは政府の仕事を減らすことである。Fotolia_28597867_XS

 この「自由」こそ、創造性を高めるカギである。

 政治家は、自由の範囲を拡大し、国民の創造性を最大限に発揮できる環境を整えることこそ、政治の仕事であり、国を富ませる道であることを知らねばならない。

 同時に、国民の側も、創造力を発揮し、未来を切り開いていこうとするチャレンジ精神が必要である。

 

法律や規制をどんどん作り直すのが「自由の創設」

 「岩盤」を破るポイントは、農業や医療、教育などの分野で新規参入を認められるかどうか。いずれの分野も新規入のハードルが極めて高い。例えば農業では、株式会社が農業に参入しようとしても、その会社の役員が「年に60日以上、農作業をしなければならない」という馬鹿げた規制がある。

 新しく漁業を始めたいと若者や民間企業が考えても、江戸時代からの伝統で、漁業権は地元の漁協の組合員に優先的に与えられており、入り込む余地はほとんどない。人気の回転寿司チェーンが漁業に参入して、生産・加工・流通を一体として営んでもいいはずだが、これも簡単なことではない。

 医療は、政府がサービスの価格や量を決め、新規参入も厳しく制限する「統制経済」となっている。

 教育は私立学校であっても、役所が細かく口を出せる。保育園に入れない待機児童が全国で2万4千人以上いるのは、民間企業の新規参入を積極的に認めないためだ(横浜市では株式会社の参入を積極的に認めたため、2013年に待機児童ゼロを達成したが、この方式が全国に広がるまでにはなっていない)。

 こうした法律や規制をどんどん作り直すのが「自由の創設」です。さまざまな参入規制をなくしていけば、農水省や厚生労働省、文科省は最終的に廃止しても構わないでしょう。

 

規制緩和の余地はまだまだある

 介護サービスの価格自由化

 株式会社による病院経営の自由化

 株式会社による農業への参入要件の緩和

 公立・私立学校の区別をなくし、設立を自由化

 テレビや携帯電話会社の電波オークションの採用

 保育所の価格・参入の自由化

 

旅館業法を緩和
  家に観光客を泊める
  「民泊」が増え消費が伸びる
  予算0円→経済効果10兆円

建築基準法などを緩和
  東京都内の特区で投資・住居需要・商取引が増加
  予算0円→経済効果10兆円
   都内28ヵ所の特区で、建物の高さや、外国人を含む起業の手続きなどを緩和した場合の政府試算。

 

減税と規制緩和で救われた1980年代のイギリス

 実際に減税と規制緩和で経済の低迷から脱出した例がある。1980年代のイギリス、サッチャー政権です。国が国民の面倒を見ようとして高福祉政策で生じたイギリス病と呼ばれる国の停滞からイギリスを救った。

 サッチャー氏は、税金に関しては、所得税の最高税率を83%から40%、最低税率を40%から30%にし、法人税率を中堅・大企業は52%から35%に、小企業は42%から25%まで減税した。規制緩和では、長距離バスの規制廃止やメガネの独占販売制度の廃止、事務弁護士が独占していた不動産譲渡手続きも一般に開放するなどの政策を実施した。 

 

許認可行政の行く末は

 社会保障の中にはたしかに必要なものも多い。しかし、3分の1となるとバランスを欠いていると言わざるを得ない。補助金や商品券の配布など、バラマキの要素の強い施策も目立つ。これではいくら税金があっても足りなくなってしまう。政府の「人気取り」だと言われても仕方ない。

 さらに、日本には、政府の側にも民間の側にも、「困ったことは、お上がお金を出したり、決まりをつくって解決すべき」という意識がある。これもバラマキに拍車をかけているのではないでしょうか。

 しかし、こうして政府があらゆる方面に補助金を出し続けた結果、政府の借金は膨らみ、その額は1千兆円を超えた。それだけではなく、規制や資格を設けて補助金を出すなどの許認可行政は、「全ての事業体を政府の支配下に置く」という考えにつながる。これは、「国家社会主義」への道である。

 

許認可行政をやめ、自由競争をつくり出す

 幸福の科学大川隆法総裁は、講演会『夢を実現する心』の中で、安倍政権の経済政策について次のように指摘した。

「一生懸命、人気取りに励んでいるように見えて仕方ありません。許認可行政と、補助金および政党への支持団体づくりを組織的にやっているので、この辺を解体していかないと、公正な政治はできないのではないでしょうか。この辺を考え直さないと、駄目でしょう」

 政府は、できる限り規制を少なくし、民間企業に任せることが重要です。自由にサービスが行える場をつくることができれば、民間企業は自由競争の中で、新たなサービスを生み出していく。

 「自助努力」で道を切り拓く二宮尊徳精神が、日本経済復活のカギかもしれない。 

「尊徳精神」に基づく大減税と規制緩和

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