アスペルガー症候群

 「アスペルガー症候群」は自閉症の一つのタイプで、オーストリアの小児科医ハンス・アスペルガー(1906~1980)にちなんでつけられた診断名。1980年代に広く知られるようになった。

 ①他の人との社会的関係を持つこと、②コミュニケーションをとること、③想像力と創造性、の3分野の障害を併せ持っている場合に、アスペルガーと診断される。

 

アスペルガー症候群の診断基準

  3つを併せ持っていることが一般にアスペルガーの診断基準

①社会性の特徴=人との関わりが苦手

 いわゆる空気が読めない。場の雰囲気を直感的に読むことが苦手で、他人の反応には関係なく自分の関わり方を貫く。例えば、初対面の相手にいきなり肩を組んで奇異に思われたり、教室で真面目な話をしていてシーンとしている時に、場違いな話を言ったりして、周りから浮きやすい。本人には悪気はないのだが、先生からは「悪ふざけしている」と思われたりする。  「暗黙のルール」が分からないので、他の子どもから嫌われたり、イジメられたりするアスペルガ症候群の子どもが少なくない。

②コミュニケーションの特徴=会話のキャッチボールが苦手

 よく喋る子が多いが、会話のキャッチボールが苦手。  話が飛んだり、一方的に話たりしがちで、自分の関心のあることを相手の興味に構わず話し続けたりする。  相手が迷惑な顔をしても、空気を読むのが下手なので、「もうその話は止めて」と言われないと分からない。  相手の言葉を字面通りに受け止める(「まっすぐ帰りなさい」と言われて「僕のうちは曲がらないと帰れません」と大まじめで答え、揚げ足とりと思われるなど)。  言葉の裏の意味や皮肉、冗談などを解するのが苦手で、からかわれると本気で傷ついたりする。

③イマジネーションの特徴=柔軟性が苦手  
・興味の範囲が特定のものに偏る  
・いろいろな物を集めたがる  
・自分なりの秩序や行動パターンが決まっており、急な変更を嫌ってパニックになったりする  
・思い込みやすく、頭をリセットするのが苦手  
・機械的な記憶や論理的な認知は得意だが応用は利かない。こうすれば こうなると予測可能なゲームやコンピュータ、計算などは得意なことが多い。  
・人にも秩序を守ってほしく、融通が利かない  
・何かに注意が向くと、切り替えがしにくい(先生の話にすぐ注意を向けられない)  など

 

 アスペルガー症候群は、知能に遅れがない点で通常の自閉症と区別され、言葉能力に関する遅れがない点で高機能自閉症と区別されるが、それぞれの定義や区別は研究者の間で一致していない場合もある。学習障害やADHD(注意欠陥・多動性障害)を伴っていることもある。

 原因は解明されていないが、多因子と考えられており、脳の機能不全であると推定されている。

 100人に1人程度の割合でいるとされるが、小学校のクラスに1人はいると感じている医師もいる。ここ10年、20年の間で増加しているというのが世界的な共通認識です。

 ADHDやアスペルガー症候群と呼ばれている子どもの真実は、脳に障害を抱えているわけではないのです。 障害や病気ではなくて、一つの個性の現われなのです。

 相対性理論で有名な物理学者のアインシュタインや数多くの芸術作品を残している天才芸術家であるミケランジェロなども、アスペルガー症候群であったと言われています。 アスペルガー症候群は、「普通と違う車」を運転していると思ってください。

発達障害 詳しく

 このような子どもさんをお持ちの方は、決して障害児でなく能力が低い訳でもないということを理解してください。アインシュタインみたいな天才や偉人になる可能性を秘めた子どもかもしれません。天才というのは、能力に偏りがあるし、幼少時には周りの人間に理解されないものだそうです。

 大切な事ことは、子供の能力を信じてあげる事であると思います。ご両親は、「子供には苦労ばっかり掛けられる」って思っているかもしれないけど、子供は両親を信じ、両親を選んで、あなたの元に生まれてきたってことが真実の姿なのですその事実を信じ、愛する子供の能力を解放してあげることが大切なのです 例えば、アスペルガー症候群の子どもには、愛情を与えても普通の反応が返ってこない。そんな気持を持つかも知れません。

 しかし、それでも見返りを求めず、愛を与え続けることが出来るかどうか。 目の前の悪く見える状態に執われないで、子どもの本質が素晴らしいものであると信じられるかがどうか。 たとえ天才的な能力がなかったとしても、子どもの存在自体を慈しみ、あるがまま子どもを愛することができるか。それが両親に試されているのです。それには、ご両親が「愛」という普遍の教えが数限りなく説かれている幸福の科学の真理を学ぶことが一番効果的です。アスペルガー症候群やADHDの子どもたちは、強烈な特徴、個性を持って生まれてきたというのは事実です。しかし、そういう特徴や個性があるからこそ、人と違う発想、能力を持っていて、大きな仕事を成し遂げることができる可能性を秘めているのかもしれないのです。そのような視点に立ったとき、その子どもたちを先生役として、周囲は理解し、助け合うことを学ばなければならいのではないでしょうか。また、そういう観点に立つことができれば、子どもも両親もともに霊的に向上することができ、幸福な人生を歩んでいくことができるのです。  

 発達障害を真に理解するには、人間はあの世とこの世の転生輪廻を繰り返して魂を磨いている霊的存在である、という霊的人生観が必要です。

 幸福の科学大川隆法総裁は、著書『じょうずな個性の伸ばし方』の中で、次のように語られました。

 「ADHD(注意欠陥多動性障害)などについて、一般的には、『魂の個性や多様性の問題だ』と考え、『現代の管理社会に合った子どもばかりがいるわけではないのだ』ということを信じたほうがよいでしょう。そして、『だれもが仏の子なのだ』と考えてください」

 アインシュタインやエジソン、モーツァルトなど、後に発達障害と言われるようになった人が天才性を発揮する事例も多い。現代医学では、こうした人たちを医学的に説明しようとして、障害の名前をつけて単純にカテゴリー分けする傾向がある。しかし、障害というレッテルを通して、その人を見ることになりかねず、「周りと違う」というだけで本人の持つ可能性を見落としたり、長所を十分に生かすことができないままになってしまうこともある。

 20世紀最大の科学者と言われるアルバート・アインシュタインは、話し始めるのが遅れていたり、言語のトラブルが目立ったため、失読症や自閉症、アスペルガー症候群の可能性があったと言われる。

 また、発明王トーマス・エジソンも、強すぎる好奇心ゆえに学校の授業を妨害したり、自宅の納屋を全焼させるなどしており、現代ならば注意欠陥多動性障害(ADHD)や学習障害(LD)、アスペルガー症候群などと診断されていたでしょう。

 こうしてみると、発達障害は、非常に強い個性を持つ一種の天才児だといえる。

 強烈な個性を持つ子を育てることは非常に困難である。人によっては、普通の社会生活も難しい場合もある。しかし、変わっているからと言ってすべてを「障害」としてしまうことは問題がある。

 教室の中でもアスペルガーの子たちが増えていると聞きます。彼らは知的にそこそこ高いので、特別支援学級に入りたくても拒否されることがある。だから普通学級にいるけれど、やはり個別の理解と対応が必要な子たちなんです。そのへんが苦しいところで、国が打ち出した特別支援教育は理念的にはいいと思いますが、教育委員会や学校現場レベルではまだ追いついていません。

 一番大きいのは、先生の対応です。子供たちはそれを見て同じようにしますから、先生が質的な違いを理解しないで「お前の努力が足りないからできへんのや」と叱ってばかりだと、ほかの子供たちも「お前が悪い」という扱いをする。だからいじめられます。先生が発達障害のことを理解していて、「この子はこういう生きにくさを抱えて人生修行を歩んでるんだ。頑張っとるな」と応援する目で見てかかわってあげたら、ほかの子もそうなっていきます。担任や学校の姿勢が大きいのです。

 

アスペルガーの天才たち

 アスペルガー症候群が提唱されたのは1940年代で、それ以前の人々が子供時代などにアスペルガーと診断されていたわけではない。だが伝記などを研究した結果、過去の天才たちの多くが、アスペルガー症候群の診断基準を満たしていたと推定されている。

アインシュタイン (1879~1955 相対性理論の物理学者)

 アインシュタインは発達段階において、社会的能力の欠如、コミュニケーションの問題点、強迫的な常動行動を示した。暗記が苦手で言語能力も弱かったがイメージ力は豊かで、「私はめったに言葉を使わずに考えている。(中略)思考はある明瞭なイメージとして現われ、それを好きなように再生したり組み合わせたりしている」と自ら説明している。相対性理論もこうしたイメージ操作から生まれたらしい。

ミケランジェロ (1475~1564 ルネッサンスの彫刻家、画家、建築家、詩人)

 数多くの大作を遺したミケランジェロが超人的なエネルギーと集中力で制作したことは、よく知られている。彼は日課を繰り返すことに強くこだわり、コミュニケーションや会話に困難を感じており、突然かんしゃくを起こすことがあったという。システィナ礼拝堂のフレスコ画のために、短期間で何百ものスケッチを描くことができたのは、彼の視覚的記憶力が突出して優れていたからと考えられている。

グレン・グールド (1932~1982 カナダのピアニスト)

 バッハなどの鍵盤作品を革新的スタイルで演奏した彼の数々の録音は、現在も不朽の価値を認められている。子供のころは太陽の光や赤や黄色の色彩を嫌がり、視覚、味覚、嗅覚は劣り、体に触られることを異常なまでに拒否したが、聴覚は大変優れていた。後年「6歳ごろには自分が人と違うことに気づいていた」と語った。独特の姿勢で歌いながらピアノを弾き、録音したピアノ曲にも歌声が混じっている。

 

 発達障害と診断されると、抗精神病薬や中枢神経刺激薬が処方されることがある。薬の効果はあるものの、副作用や薬漬けに苦しむケースも少なくない。

発達障害の子供への投薬が逆効果

 発達障害に対する対処について、幸福の科学大川隆法総裁は、著書『上手な個性の伸ばし方』の中で、自閉症の定義が曖昧であることに触れた上で、以下のように述べられました。

「『仏の子だ』と思って見てあげてください。人間の魂には、それぞれ、いろいろな傾向があるため、変わったことをする子も数多くいるのです」「ある方面への天才性が、他の機能を封じ込めている場合もあります」

 

「アスペルガー症候群」の正しい見方

1 子供は理由があって困っている

 運転手の車の例えで言えば、ADHDの子どもの心や魂という「運転手」は基本的に健全であるということを知っていてください。ただ、外部の情報が入りにく「車=脳など」を運転しているため、周囲とトラブルをや衝突が起きやすいということです。感覚や情報処理の仕方が独特で、本人の説明能力も不足しているので、周囲はその子の怒りやパニックなどの原因を理解し難いこともありますが、決して人を「困らせようとしている」訳ではないのです。何らかの理由でその子自身が「困っている」のです。

2 穏やかに接し、その子に分かるやり方で、褒めて育てる

 アスペルガー症候群の子どもは感情的なストレスに弱いので、ストレスが高まる状況は極力さけてあげてください。親や教師は感情的に叱らず、穏やかに接することが大切です。また、指示は具体的にする(早くしなさい ではなく、「8時までに歯磨きしなさい」と指示するなど)、絵で示す、やることのリストを作るなど、アスペルガーの子どもにも分かりやすい教え方というものがあり、療育教材もいろいろ開発されています。褒めるとのりやすい子どもたちなので、上手に褒めることで「できた」という体験を積むことで自分に自身が持てるようになります。

3 一人ひとりが「違った花」でいい

 日本社会では「人と違っている」ということ自体がマイナスと思われがちで、アスペルガーの子どもたちにとってはかなり息苦しい社会であると思います。日本はもっと、互いの違いに寛容で、一人ひとりに必要な支援を与え、人との比較ではなく、その子自身の個性や政調を喜ぶような、いい意味で個人主義的な価値観を取り入れていきたいものです。

4 「必ずよくなる」と信じる力で変わっていく

 子ども時代のエジソンが学校から放り出された時、それでも母親だけは息子の隠れた才能を信じて疑わなかったことは有名な話です。アスペルガーの子供たちも、普通の発達の子どもたちと違うということは、裏を返せば「それだけ強い個性を持っている」ということに他なりません。親や教師がそれを強く信じれば、その信念は子どもにも、言葉や表情の端々から伝わっていきます。ただし、「信じるだけで全てがよくなる」のではありません。個性という種に、努力や工夫という水分や養分が加わってこそ、素晴らしい花が咲くということを忘れないでください。

参考

 現実的に、発達障害とされた人の中には、周囲との違和感や感覚の違いに悩む人も多いかもしれない。しかし、その感性や個性を生かし、第一線で活躍している人もいる。強い個性を持った人こそ、現状を破り、世の中を変えていく可能性を秘めている。

 人間の魂にはいろいろな傾向があるため、変わったことをする子もいるだけであり、自閉症も、ADHDも、アスペルガー症候群も、LDも、「仏の子だ」と思って見てあげてほしい。

 家庭に問題があったりして動物霊などが憑いている子には、奇行が多くなるので、奇行が多い子に関しては、いちおう動物霊の憑依を疑ってみるべきである。

 宗教のほうがずっと進んでいるので、とにかく分類しているだけの医学をあまり信用してはいけない。

 アスペルガー症候群の子供を育てる考え方

才能を生かす道はある

 対処法を身につければ、社会生活や職業生活を送れる。人の気持ちがわからない面はあるが、勤勉に働く人なのです。研究職とかコンピュータ関係の仕事とか、人とのコミュニケーションが少ない仕事は向いていると思います。ルールをきちっと守る生真面目さがあるし、関心のあるものへの熱意や集中はすごいから、それなりの道につけば成果を発揮したりする。

 多くはありませんが、そういう一部の能力に長けた子供たちが存在します。

 彼らの人生は彼ら自身の成長、修行のためだけではなく、周囲や社会がそういう面でもっと進歩していくために与えられている「課題」なのだという気がします。本人の可能性を伸ばしていくために、必要な努力をすることが大切です。

 人とは違う個性を持つ人のほうが、新しいことをしたり、それを成功するまであきらめないことも多い。長い目で見れば、薬に頼りすぎず、子供たちの個性や才能を信じ、伸ばしていけるように育てることが、より良い処方箋となるでしょう。

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