ドラッカーによるマネジメント理論

ドラッカーの概略

 「マネジメントの父」とも言われるドラッカーは、「マネジメント」という分野を初めて体系化した経営学者です。何気なく使っている「マネジメント」という言葉も、20世紀に生まれた比較的新しい言葉なのです。

 ドラッカーが処女作を出版した1939年以降、数十年間にわたって全ての著書がベストセラーとなり、世界中で翻訳されています。最もドラッカーを有名にしたのが「マネジメント」です。その思想は企業経営だけにとどまらず、投資など幅広い分野で参考にされているのです。

 

ドラッカーの「マネジメント」の概要

 ドラッカーが定義するマネジメントとは、「組織をして成果を上げさせるための道具、機能、機関」となります。

 ここで「組織」と「成果」に注目してみましょう。ドラッカーは、組織を社会のあらゆる機関だと位置づけています。そして、社会やコミュニティ、個人のニーズを満たすために存在しなければならないとしています。

 組織とは社会やコミュニティ、個人のニーズを満たすことを成果とするのであり、これができなければ存在理由がないと言えるのです。そして、組織を企業と置き換えれば、顧客(コミュニティや個人)のニーズを満たすことが企業の存在理由となります。

 ドラッカーのマネジメント理論は、決して「管理」が目的なのではなく、組織をして存在理由となる「成果を上げさせるためのもの」なのです。

 

マネジメントに求められる役割

 マネジメントと言う言葉は、頻繁に使われているものの、その具体的な役割についてはっきりとしないという方もいるでしょう。ドラッカーは、マネジメントの役割について3つあると言っています。

 自らの組織に特有の使命を果たす

 組織であれば、企業や商店、学校など何であっても、それぞれの顧客のニーズを満たす使命があります。この使命とは、「存在理由」のことです。

 例えば、企業であれば顧客のニーズを満たすことが使命となるので、永遠にニーズを満たし続けなければなりません。そのために、企業はその企業「特有の使命」を果たし続けなければなりません。ドラッカーは、そのための機能は2つだけだと言っています。それが「マーケティング」と「イノベーション」です。

 企業マネジメントとは、部下の管理をするだけではなく、この2つを機能させることが重要な使命となるのです。

仕事を通じて働く人たちを生かす

 ドラッカーが言うマネジメントにおいては、常に「成果」を上げさせることが求められています。成果とは、組織全体の成果である場合もあれば、そこに属する個々の成果である場合もあり、個々の成果が上がれば、ひいては組織全体の成果につながると考えられます。

 企業において働く人たちは ほとんどの場合従業員となります。従業員一人ひとりの自己実現(成果を上げること)ができるように、それぞれに責任(目標)を持たせ、それに見合った仕事内容と収入が保障されなければいけません。

 マネジメントを行う者は、従業員の特性の理解や成果の評価を行い、より適した仕事によって自己実現ができうるよう、サポートすることも必要です。

社会の問題について貢献する

 ドラッカーは、組織とは心理的、地理的、文化的、社会的にもコミュニティの一部であるべきとしています。そして、企業が行う経済活動のすべてが、顧客や地域、社会に対して何らかの影響を与えるため、そこには責任が生じるとしています。

 例えば、排煙や騒音、都市部の人口集中や地価の高騰など、あらゆる問題に対してそのコミュニティに属する企業には責任があると言えます。また、企業の持つ技術が環境問題に流用できるのであれば、将来的な社会貢献につながります。

 企業マネジメントでは社会が抱えるあらゆる課題に対して重要な役割を負う可能性があり、それを解決するためのイノベーションに取り組まなければならないとしているのです。

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