境界性パーソナリティ障害の診断基準

 境界性人格障害のDSM-Ⅳにおける診断基準

 対人関係、自己像、感情の不安定および著しい衝動性の広範な様式で、 成人早期に始まり、種々の状況で明らかになる。    

 以下のうち5つ(またはそれ以上)で示される。

①現実に、または想像の中で見捨てられることを避けようとする気違じみた努力。
  基準で取り上げられる自殺行為または自傷行為は含めないこと。

②理想化とこき下ろしとの両極端を揺れ動くことによって特徴づけられる   不安定で激しい対人関係様式。

③同一性障害:著明で持続的な不安定な自己像または自己感。

④自己を傷つける可能性のある衝動性で、少なくとも二つの領域にわたるもの (例:浪費、性行為、物質乱用、無謀な運転、むちゃ食い)。  
  基準取り上げられる自殺行為または自傷行為は含めないこと。

⑤自殺の行動、そぶり、脅し、または自傷行為の繰返し。

⑥顕著な気分反応性による感情不安定性  (例:通常は2~3時間持続し、2~3日以上持続することはまれ)。

⑦慢性的な空虚感

⑧不適切で激しい怒り、または怒りの制御困難   (例:しばしばかんしゃくを起こす、いつも怒っている、 取っ組み合いのケンカを繰り返す)。

⑨一過性のストレス関連性の妄想様観念または重篤な解離性症状

(DSM-Ⅳ 精神疾患診断・統計マニュアル:医学書院1996年から抜粋)

境界性パーソナリティ障害の治療 に続く