摂食障害 疫学的統計頻度

 様々な摂食障害は、思春期と青年期の学生の4%以上にみられます。神経性無食欲症においては、思春期以前の女性や男性にもみられ、特にこの数十年は以前に比べてかなり高い頻度で認められます。もっとも頻繁に発症する年齢は10代半ばですが、20代初期にも高い確率でみられます。思春期の女子においては、約0.5~1%に神経性無食欲症が発症すると推定されています。摂食障害は圧倒的に女性に多く発症し、男性の10~20倍の割合で発生しています。神経性無食欲症の症状がいくつかみられても、神経性無食欲症と診断されない若い女性は5%近くいると言われます。この疾患は、初期には上流階級者のなかに頻繁にみられていましたが、最近の調査では階級間の差はなくなってきています。先進国に多く発生していて、モデルやバレリーナなど、痩身を必要とする職業についている若い女性の頻度が特に高いと報告されています。

 一方、神経性大食症は神経性無食欲症より発生率が高くなります。若い女性の1~3%に神経性大食症が起こると予想されています。神経性大食症は神経性無食欲症と同じように、男性よりも女性に際立って多く発生しています。また、神経性無食欲症の発症と比べて、神経性大食症は10歳代の後半20歳代の早い時期に発症することが多くなっています。女子大生の40%には、1回限りのむちゃ食いと排出などの一過性の神経性大食症の症状が報告されています。正常体重の女性にもしばしば神経性大食症が認められますが、この場合は過去に肥満の時期があったようです。

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