フリーラン事件 東京地方裁判所(平成6年11月25日)
(分類)
退職
(概要)
1.バイク便会社の元従業員らが退職後新たなバイク便会社を設立して同種のバイク便業務を営んでいる場合でも、それには何らの法的規制もなく、業務は自由に遂行できるものであるから、社会通念上自由競争の範囲を逸脱する違法な行為ということはできない。
2.雇傭契約終了後の競業避止義務は法令に制約の定めがある場合、及び当事者間に特約がなされた場合に合理的な範囲内でのみ認められるものであり、右の競業避止義務が認められない場合は、元従業員等が退職後に従前勤務していた会社と同種の業務に従事することは原則として自由であるけれども、元従業員等の競業行為が、雇傭者の保有する営業秘密について法の定める不正取得行為、不正開示行為に該当する場合はもとより、社会通念上自由競争の範囲を逸脱した違法な態様で雇傭者の顧客等を奪取したとみられるような場合、あるいは雇傭者に損害を加える目的で一斉に退職し会社の組織的活動等が機能し得なくなるようにした場合等も、不法行為を構成することがあると解すべきであるところ、本件において、被告らの行為は、いずれも社会通念上自由競争の範囲を逸脱する違法な行為であるということはできない。
(判例集・解説)
判例時報1524号62頁 判例タイムズ877号242頁
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