精神障害者保健福祉手帳には、障害の重い順に1級、2級、3級の3段階があります。
障害等級は、医師(精神保健指定医その他精神障害の診断又は治療に従事する医師)の診断書をもとに判定されます。
精神疾患(機能障害)の状態の判定に当たっては、現症および予後の判定を第一とし、次に原因及び経過を考慮します。
現時点の状態のみでなく、概ね過去の2年間の状態、あるいは、概ね今後2年間に予想される状態も考慮します。
長期間の薬物治療下における状態で行うことを原則とします。
「能力障害の状態」は、精神疾患(機能障害)による日常生活あるいは社会生活の支障の程度について判断するものであって、「精神疾患(機能障害)の状態」とともに「障害の程度」を判断するための指標として用いられます。
能力障害の状態の判定は、保護的な環境(例えば、病院に入院しているような状態)でなく、例えばアパート等で単身生活を行った場合を想定して、その場合の生活能力の障害の状態を判定するものです。
1級
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精神障害が日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のものである。
この日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度とは、他人の援助を受けなければ、ほとんど自分の用を弁ずることができない程度のものである。
〈精神疾患(機能障害)の状態〉 ・統合失調症によるものにあっては、高度の残遺状態又は高度の病状があるため、高度の人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があるもの ・気分(感情)障害によるものにあっては、高度の気分、意欲・行動及び思考の障害の病相期があり、かつ、これらが持続したり、ひんぱんに繰り返したりするもの ・非定型精神病によるものにあっては、残遺状態又は病状が前記1、2に準ずるもの ・てんかんによるものにあっては、ひんばんに繰り返す発作又は知能障害その他の精神神経症状が高度であるもの ・中毒精神病によるものにあっては、認知症その他の精神神経症状が高度のもの ・器質精神病によるものにあっては、認知症その他の精神神経症状が高度のもの ・その他の精神神経疾患によるものにあっては、上記に準ずるもの
〈能力障害の状態〉 ・調和のとれた適切な食事摂取ができない ・洗面、入浴、更衣、清掃などの身辺の清潔保持ができない ・金銭管理能力がなく、計画的で適切な買い物ができない ・通院・服薬を必要とするが、規則的に行うことができない ・家族や知人・近隣等と適切な意思伝達ができない。協調的な対人関係を作れない ・身辺の安全を保持したり、危機的状況に適切に対応できない ・社会的手続をしたり、一般の公共施設を利用することができない ・社会情勢や趣味・娯楽に関心がなく、文化的社会的活動に参加できない ・社会情勢や趣味・娯楽に関心がなく、文化的社会的活動に参加できない(上記のうちいくつかに該当するもの)
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2級
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精神障害の状態が、日常生活が著しい制限を受けるか、または日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものである。
この日常生活が著しい制限を受けるか、または日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度とは、必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は困難な程度のものである。
〈精神疾患(機能障害)の状態〉 ・統合失調症によるものにあっては、残遺状態又は病状があるため、人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があるもの ・気分(感情)障害によるものにあっては、気分、意欲・行動及び思考の障害の病相期があり、かつ、これらが持続したり、ひんぱんに繰り返したりするもの ・非定型精神病によるものにあっては、残遺状態又は病状が前記1、2に準ずるもの ・てんかんによるものにあっては、ひんぱんに繰り返す発作又は知能障害その他の精神神経症状があるもの ・中毒精神病によるものにあっては、認知症その他の精神神経症状があるもの ・器質精神病によるものにあっては、認知症その他の精神神経症状があるもの ・発達障害によるものにあっては、その主症状が高度であり、その他の精神神経症状があるもの ・その他の精神神経疾患によるものにあっては、上記に準ずるもの
〈能力障害の状態〉 ・調和のとれた適切な食事摂取は援助なしにはできない ・洗面、入浴、更衣、清潔などの身辺の清潔保持は援助なしにはできない ・金銭管理や計画的で適切な買い物は援助なしにはできない ・通院・服薬を必要とし、規則的に行うことは援助なしにはできない ・家族や知人・近隣等と適切な意思伝達や協調的な対人関係づくりは援助なしにはできない ・身辺の安全保持や危機的状況での適切な対応は援助なしにはできない ・社会的手続や一般の公共施設の利用は援助なしにはできない ・社会情勢や趣味・娯楽に関心が薄く、文化的社会的活動への参加は援助なしにはできない(上記のうちいくつかに該当するもの)
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3級
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精神障害の状態が、日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、または日常生活若しくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のものである。
〈精神疾患(機能障害)の状態〉 ・統合失調症によるものにあっては、残遺状態又は病状があり、人格変化の程度は著しくはないが、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があるもの ・気分(感情)障害によるものにあっては、気分、意欲・行動及び思考の障害の病相期があり、その症状は著しくはないが、これを持続したり、ひんぱんに繰り返すもの ・非定型精神病によるものにあっては、残遺状態又は病状が前記1、2に準ずるもの ・てんかん によるものにあっては、発作又は知能障害その他の精神神経症状があるもの ・中毒精神病によるものにあっては、認知症は著しくないが、その他の精神神経症状があるもの ・器質精神病によるものにあっては、認知症は著しくないが、その他の精神神経症状があるもの ・発達障害によるものにあっては、その主症状とその他の精神神経症状があるもの ・その他の精神疾患によるものにあっては、上記に準ずるもの
〈能力障害の状態〉 ・調和のとれた適切な食事摂取は自発的に行うことができるが、なお援助を必要とする ・洗面、入浴、更衣、清掃などの身辺の清潔保持は自発的に行うことができるが、なお援助を必要とする ・金銭管理や計画的で適切な買い物は概ねできるが、なお援助を必要とする ・規則的な通院・服薬は概ねできるが、なお援助を必要とする ・家族や知人・近隣等と適切な意思伝達や協調的な対人関係づくりはなお十分とはいえず、不安定である ・身辺の安全保持や危機的状況での対応は概ね適切であるが、なお援助を必要とする ・社会的手続や一般の公共施設の利用は概ねできるが、なお援助を必要とする ・社会情勢や趣味・娯楽に関心はあり、文化的社会的活動にも参加するが、なお十分とはいえず援助を必要とする(上記のうちいくつかに該当するもの)
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精神障害の程度の判定に当たっては、診断書のその他の記載内容も参考にして、総合的に判定するものであるが、「日常生活能力の程度」欄の(1)~(5)のそれぞれにより考えられる能力障害の程度は、概ね次表の通りと考えられています。
日常生活能力の程度
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障害等級
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(1) 精神障害を認めるが、日常生活及び社会生活は普通にできる
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非該当
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(2) 精神障害を認め、日常生活又は社会生活に一定の制限を受ける
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概ね3級程度
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(3) 精神障害を認め、日常生活に著しい制限を受けており、時に応じて援助を必要とする
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概ね2級程度
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(4) 精神障害を認め、日常生活に著しい制限を受けており、常時援助を必要とする
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概ね1級程度
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(5) 精神障害を認め、身のまわりのことはほとんどできない
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概ね1級程度
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