先天性心疾患

 先天性心疾患とは、生まれつき心臓に何らかの異常を認める病気です。さまざまな異常があり、その種類により診断名が決められています。1000人あたり6〜10人に認められます。
 心臓は血液を体中に循環させるポンプとしてはたらいています。主に心筋という特殊な筋肉でつくられており、弁や壁により仕切られた4つの部屋(左心室、右心室、左心房、右心房()からなっています。また4つの大きな血管(大動脈、肺動脈、上大静脈、下大静脈)により体と肺につながっています。
 これらの部屋、壁、弁、血管のつながり方などに異常が認められる場合、血液の循環に異常を来し、心臓や肺、体に負担がかかるため、さまざまな症状を示します。

原因
 原因としてわかっているものは単一遺伝子病、染色体異常、先天感染(風疹、コクサッキーウイルスなど)、環境因子(アルコール、薬剤、母体の糖尿病など)です。
 しかし先天性心疾患の多くは多因子遺伝といわれています。多因子遺伝とは遺伝的要因と環境要因とが相互に作用しあい、その作用の度合いがある閾値を超えると病気として現れるものです。つまり、これが原因だと何かひとつをあげることはできません。
 先天性心疾患の成因のうち2〜3%が単一遺伝子病、染色体異常によると考えられています。近年の遺伝子技術の進歩に伴い、新たな遺伝子異常の解明が進むものと考えられます。

症状の現れ方
 疾患によりさまざまです。以下に解説する各疾患の項目を参照してください。
 代表的な症状としては、母乳やミルクを飲む量が少ない、体重の増え方が少ない、呼吸の数が多い、汗が多い、体の色がさえないなどがあげられます。

検査と診断
 X線検査、心臓超音波検査、心電図、血液検査、心臓カテーテル検査が、必要に応じて行われます。とくに心臓超音波検査は、痛みもなく有用です。
先天性心疾患に気づいたらどうする
 近隣の小児科を受診します。先天性心疾患が疑われたら、診断のため検査が行われます。
 受診した病院で診断、治療が難しい場合は、それが可能な病院へ紹介されます。その後は主治医の指示を受けてください。

 

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