びまん性軸索損傷

 頭部外傷のうち、受傷直後から6時間を超えた意識消失がある場合を、臨床的に「びまん性軸索損傷」と定義しています。
 通常は、明らかな脳組織の挫滅(ざめつ脳挫傷)や血腫がない場合に付けられる病名で、意識のない原因を、脳の細胞レベルの損傷が広範囲に生じたためと考えたものです。

原因
 頭部に回転性の外力が加わることにより、脳の神経細胞の線維(軸索)が広範囲に断裂し、機能を失うと考えられています。頭部に直接の打撲がない場合でも、強く脳が揺れることにより起こります。

症状の現れ方
 受傷直後から意識がありません。重症例では脳の深部にある生命維持中枢(脳幹)が直接侵され、呼吸が損なわれたり急死することがあります。

治療の方法
 効果的な治療法はありません。脳挫傷や血腫を合併していれば、それに対する治療を行います。合併症を防いで全身状態を保ち、二次的な脳の障害を予防して(脳への十分な血液や酸素の供給など)、脳の回復を期待します。

 予後は一般的に昏睡の持続時間に比例します。受傷から24時間以内に意識の回復がなくて脳幹の障害が認められる場合は死亡率が約6割とされ、生命が助かっても意識障害などの後遺症が残ります。
 びまん性軸索損傷は高次脳機能障害を来しやすく、知能や記憶などの後遺症を残しやすいとされています。

 

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