採用内定
採用内定とは、卒業を条件とし、誓約書の提出等の手続きを経て、完全な労働契約である本採用に達するまでの過渡的状態と言えます。
採用内定の法律的性質
判例では、応募者が企業から正式な内定通知を受け、両者間で採用・入社の意思を確認した段階で、「始期付解約権留保付労働契約」が成立するとの説が最も有力とされています。
(1) 採用内定は始期付であること
この契約は入社予定日を就労の始期とするためです。
(2) 採用内定は労働契約であること
就職の希望(=契約の申し込み)に対して企業からの採用内定通知(=申し込みに対する承諾)を発した時点で労働契約は有効に成立します(民法第526条1項)。
これによって両者に「始期付きの解約権を留保した労働契約」が成立します。
採用内定取り消し事由が生じたときにこれを取消すことは、労働契約の解約ができるということです。 (大日本印刷事件 最高裁 昭54.7.20)
新卒者の内定は、通常本採用の6ヵ月以上前に行うことが多いようです。
その間に新卒者の都合あるいは会社の都合で、内定を取り消すケースも考えられますので、内定取り消し理由を就業規則に明記しておくとともに、内定者には書面で説明を行い、同意を得るのがよいでしょう。
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