鼻腔・平衡機能・そしゃく・嚥下機能

鼻腔の障害

 

障害の程度

障 害 の 状 態

1級

2級

3級

障害手当金

鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの

 

外傷性鼻科疾患とは、事故や病気など様々な原因により鼻の大部分を摘出・欠損してしまい、鼻呼吸が困難になってしまう症状である。

鼻副鼻腔の血管系を損傷してしまうことにより、嗅覚を失うといった症状が出る場合がある。また、鼻の軟骨の全部分や大部分を欠損することにより鼻呼吸に障害が出ることがあり、口呼吸に頼らなければならないという弊害を生じる。鼻呼吸がうまくできないと、飲食や睡眠など日常生活に支障が出る場合もありますし、業務内容によっては労働にも支障をきたす。

 

外傷性鼻科疾患にて、事故や病気など様々な原因により鼻の大部分を摘出・欠損してしまい、鼻からの呼吸が困難になってしまった場合等に、障害手当金(一時金)が受けられる可能性がある。

 

容貌(ようぼう)の醜悪は認定対象外とされる。

 

嗅覚脱失は一般に認定の対象とならない。

臭覚は人の五感のなかで退化の程度が比較的大きいことから、この感覚が消滅したとしても日常活動能力や労働能力にはさしたる影響はないという判断がされている。

 

 

 

 

平衡機能の障害

 

 末梢迷路性平衡失調、後迷路性及び小脳性平衡失調、外傷又は薬物による平衡失調、中枢性平衡失調  など

 

平衡機能の障害は、耳の感染症や頭部の損傷、低血圧、高血圧、又は薬剤が原因であることもあり、原因は多岐にわたる。

 

障害の程度

障 害 の 状 態

1級

2級

平衡機能に著しい障害を有するもの

3級

中程度の平衡機能の障害のために、労働能力が明らかに半減しているもの

障害手当金

めまいの自覚症状が強く、他覚所見として眼振その他平衡機能検査の結果に明らかな異常所見が認められ、かつ、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のもの

 

障害の程度 2級

「平衡機能に著しい障害を有するもの」・・・

四肢体幹に器質的異常がない場合に、閉眼で起立・立位保持が不能若しくは開眼で直線を歩行中に10メートル以内に転倒あるいは著しくよろめいて、歩行を中断せざるを得ないものをいう。

 

障害の程度 3級

「中程度の平衡機能の障害のために、労働能力が明らかに半減しているもの」・・・

眼で起立・立位保持が不安定で、開眼で直線を10メートル歩いたとき、多少転倒しそうになったりよろめいたりするが、どうにか歩き通す程度のものをいう。

 

「労働能力が明らかに半減しているもの」について、「半減」とはフルタイム勤務の半分、1日4時間程度(以下)の勤務が辛うじて可能な状態程度と考える。

 

 

聴覚の障害(特に内耳の傷病による障害)と平衡機能障害とは併存することがある。この場合は併合認定の取扱いを行う。併合されるのは下肢に器質的異常がない場合に限る。

 

平衡機能の障害には、その原因が内耳性のもの(三半規管の障害など)のほか、脳性のもの(脊髄小脳変性 など)も含まれる。

 

肢体の障害と平衡機能障害が併合されることがある。下肢に器質的異常がない場合に限る。

 

○メニエール病

メニエール病(内リンパ水腫とも呼ばれる)は、日常に支障を来すような回転性めまい(自分や周囲がぐるぐる回るような感覚)の発作が繰り返し起こり、聴力低下や耳鳴りを伴う病気である。

 

この病気は、内耳の液体が正常に存在している量のバランスが崩れることで起こると考えられています。

液体は分泌と再吸収が絶えず行われて、一定量に保たれています。ところが液体の産生量が増えるか再吸収量が減ると、この均衡が崩れます。

 

症状としては、明らかな原因もなく日常に支障を来す重度の回転性めまいが突然生じ、吐き気や嘔吐を伴います。このような症状の持続時間は通常は2~3時間ですが、まれに最長で24時間も続くことがあります。

 

 この病気の原因は「内リンパ水腫(内耳のリンパが増え、水ぶくれの状態)」である。その根底には、ストレス・睡眠不足・疲労・気圧の変化・几帳面な性格などがあると考えられている。

 内耳には、  ①聞こえの細胞が詰まっている蝸牛  ②平衡機能を司る三半規管と耳石器 があります。  この両方もしくはどちらか一方が強く水ぶくれになるかにより症状が異なります。

 蝸牛が強く水ぶくれになれば、めまいは感じず難聴だけを自覚します。  水ぶくれが弱ければ難聴を自覚せず、「耳が詰まった感じ」や「耳鳴り」、「音が響く感じ」のみ出現する場合もあります。  反対に三半規管・耳石器が強く水ぶくれになれば、難聴や「耳が詰まった感じ」などは感じず、めまいのみを自覚します。  めまいの強さも「グルグル回転する激しい」ものから、「フワフワ雲の上を歩いている感じ」のものまでさまざまです。  めまいの持続時間は10分程度から数時間程度であることが多く、数秒~数十分程度のきわめて短いめまいが主である場合、メニエール病は否定的です。

 

 

 「めまい=メニエール病」と考えがちですが、メニエール病には厳密な診断基準があります。

メニエール病の診断基準は「難聴、耳鳴り、耳が詰まる感じなどの聴覚症状を伴うめまい発作を反復する」である。重要なのは「反復する」という点です。めまい発作や難聴発作が1回起きただけではメニエール病とは診断できない。この診断基準を満たし、かつ、類似の他の病気を除外できたものを「メニエール病確実例」と診断する。

 

 聴覚症状のみ、めまいのみをくり返すタイプは「メニエール病非定型例」と診断します。非定型例は確実例よりさらに除外しなければならない病気が多く、厳密な検査と経過観察をすることが推奨されています。

 その他に外リンパ瘻、内耳梅毒、聴神経腫瘍、小脳・脳幹を中心とした中枢性疾患など原因既知の疾患もメニエール病と類似の症状を呈し、鑑別が必要です。

 

 症状のない初期の段階での診断は必ずしも容易ではなく、初回発作時ではめまいを伴う突発性難聴との鑑別が困難な場合もあります。

 

治療  強い発作で嘔気が強く、薬を飲む事も出来ない時は安静の上でめまい止めの点滴を行います。内服が可能であれば、めまい止め・利尿剤を中心に抗不安薬や循環改善薬・ビタミン剤などを組み合わせて使用します。発作の初期に上手にめまい止めや抗不安薬などを用いることで、大きな発作の予防や症状の軽減を図る事ができます。

減塩食と利尿薬(尿の量を増やす薬)によって発作の頻度を減らせる場合もあります。発作が起こったときには、メクリジン、ロラゼパム、スコポラミンなどの薬を内服すると、一時的にめまいが軽減する場合もあります。

吐き気や嘔吐は、プロクロルペラジンを含む坐薬で軽減できる場合があります。

 

薬物治療を行っても回転性めまいの発作が頻繁に起こり、日常生活に支障を来す場合にはいくつかの治療法があります。

治療は、内耳の液体の圧力を下げるか、内耳の平衡感覚機能を破壊することが目的となります。内リンパシャントは最も穏やかな処置で、しなやかな薄いプラスチック製シートを内耳に留置する方法です。ゲンタマイシン溶液を鼓膜から中耳へ注入し、内耳の平衡機能を低下させる方法もあります。ゲンタマイシンは聴力が低下する前に平衡機能を選択的に低下させますが、やはり難聴が生じるリスクはあります。ゲンタマイシンを1回だけ注入し、再度注入が必要な場合は数週間の間隔を空けてから繰り返すことで、難聴が生じるリスクを下げることができます。

内耳前庭神経を切断すると内耳の平衡機能が永続的に破壊されますが、聴力は残り、回転性めまいも95%はコントロールできます。この処置は通常、内リンパシャントの実施後も症状の改善がみられない場合や、回転性めまいを完全になくしたい場合に行われます。

めまいが日常生活に支障を来すほど激しく、発症している側の耳ですでに著しく聴力が損なわれている場合には、迷路摘出術という処置で半規管を取り除く方法があります。

このような回転性めまいに対する外科的治療法のいずれも、メニエール病にしばしば伴う難聴の治療には効果がありません。

 しかし、メニエール病にはストレス・睡眠不足・疲労が関与していると考えられており、薬による治療だけでは根本的な治療にはなりません。「薬によって症状を抑える事が出来る」事で少し安心しつつ、ゆっくりとストレスの原因を見つめ直したり、生活習慣を正すことが必要です。

 

 

 メニエール症候群から始まった場合には、その激しいめまいゆえに、耳鼻咽喉科ではなく、脳神経外科などを受診することがある。この場合、脳神経外科を受診した日が「初診日」となる。

 障害年金を請求する際には、初診日の証明が難しくなるケースが少なくありませんので、どれだけ有効な客観的資料が提出できるかがポイントとなります。

 

 めまいの自覚症状が強く、他覚所見として眼振その他平衡機能検査の結果に明らかな異常所見が認められ、かつ、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度の場合は併合認定される。

 

 メニエール病では、診断書や「病歴・就労状況等申立書」などの資料から、「よくなる見込みがない」「労働に制限がある」「日常生活において、一部家族の援助が必要なこと」などが読み取れるかにかかっている。

 

遅発性内リンパ水腫

 

遅発性内リンパ水腫とは何らかの理由で片耳、あるいは両耳に高度難聴を発症し長い年月を経て(数年~数十年後)メニエール病に似た回転性めまい発作を起こす病気です。

自分や周囲のものがグルグルと回るように感じられ、吐き気を伴って実際に嘔吐したり平衡感覚を失ったりします。難聴を患った耳が原因で発生する「同側型」、反対側の耳に変動する難聴が現れる「対側型」の2種類があり後者の場合聞こえが良い方の耳に耳鳴りが伴うこともあります。

 

詳しい原因はまだ解明されていませんが、もともと難聴のある耳に長い年月の中で何らかの異常を発生し、内耳に内リンパ水腫が続発的に生じてめまいの原因になっていると考えられています。内リンパ水腫はメニエール病の原因でもあるため酷似した症状が現れるのです。先行する難聴を引き起こす原因として挙げられるのはムンプスウイルスによる流行性耳下腺炎、上気道感染、ジブテリア、先天性・若年性一側聾などの疾患です。

 

遅発性内リンパ水腫は主に聴力検査と平衡機能検査によって診断がなされます。純音聴力検査で片耳あるいは両耳の高度難聴もしくは全聾が、平衡機能検査で機能低下が認められます。またその症状も判断基準となります。めまいは誘因なく発症し、10分から数時間程度持続するため数秒から数十秒の短いめまいでは遅発性内リンパ水腫とは診断できません。まためまいに伴って聴覚症状が変動しないのも特徴に挙げられます。

 

根治できる治療法はありませんが、メニエール病と同様の薬物療法が行われます。内リンパ水腫を軽減させるための副腎皮質ステロイド薬や、めまい発作予防のために内耳のむくみを防ぐ利尿薬が用いられますが、有効性が認められない場合には内リンパの摘出や耳の奥に直接投薬するといった外科的処置がとられることもあります。同側型の場合はめまいを抑えることを中心に治療が行われますが、対側型では聞こえが良い方の耳の聴力保持が一番に考慮されます。

 

食道

食道は、のど(咽頭)から胃までをつなぐ中空の管です。

食べ物がたどる経路となる食道や胃、小腸や大腸などの臓器を消化管といい、食道から胃までを上部消化管といいます。

食道の役割は、口から入った食べ物や水分を、蠕動(ぜんどう:波のような筋肉の動き)運動によって胃へと運ぶことです。食道と胃の接合部である噴門が開閉することで食べ物や水分が胃へと送られ、一方で、胃からの逆流を防ぎます。

 

食道の働き

 

 

飲みこんだ食べものは、

① 口からのど(咽頭)へと移動します。

② 食べものが食道に入るように上部食道括約筋が開き、

③ ぜん動と呼ばれる筋肉の収縮運動によって食べものが先へと送られます。

④ 食べものは、下部食道括約筋を通り、

⑤ 胃に入ります。

 

のどと食道の境界のすぐ下には、上部食道括約筋と呼ばれるリング状の筋肉があります。また、食道と胃の境界のすぐ上には、下部食道括約筋と呼ばれる別のリング状の筋肉があります。食道が働いていないときは、食べものと胃酸が口の方に逆流しないように、この2つの括約筋は収縮しています。食べものを飲みこむときは、これらの括約筋がゆるむため、食べものが胃へと送られます。

食道の収縮力や食道括約筋の張力は、加齢とともに低下します。この状態を老人性食道といい、高齢者は特に、食後すぐに横になったときに胃酸の逆流を起こしやすくなります。

食道の病気で特によくみられる症状には、嚥下(えんげ)困難(ものを飲みこみにくいと感じること)と、胸痛や背部痛の2つがあります。

嚥下困難や、胸痛、背部痛はすべての食道の病気で起こりますが、最も深刻なのは食道癌です。
食道に起こるおもな病気

 

 

逆流性食道炎

胃液や胃の内容物が食道に逆流して、食道の粘膜に炎症を起こす病気で、食道の病気のなかでも近年増えています。胃液の逆流は、胸やけや、呑酸(どんさん:胃液が口のなかに逆流すること)、つかえ感などの症状を起こします。逆流性食道炎は、それ自体は命に関わるような病気ではありませんが、慢性化すると食道の粘膜が胃の粘膜のように変化して、食道がんにつながることもあります。

 

食道アカラシア

逆流性食道炎とは反対に、噴門がゆるまず、食べ物が胃に流れにくくなる病気をいいます。食べ物や飲み物が食道にたまるため、食事のつかえ感や嚥下(えんげ)障害などのほか、食後や就寝中に嘔吐することもあります。遺伝的要因などが考えられていますが、はっきりした原因はわかっていません。

 

胃や食道の粘膜の一部が隆起したものを「胃ポリープ」または「食道ポリープ」といいます。胃や食道のポリープは数ミリほどの小さいものから、2~3cmのものまであり、形も球形やキ

ノコ形などさまざまです。ポリープができる原因としては、炎症によってただれた粘膜が修復される過程で、粘膜上皮が過剰につくられてポリープをつくることがあります。また、原因不明のものも少なくありません。  ポリープの多くは良性ですが、内視鏡でポリープが見つかった場合は、念のため組織を調べます。調べた結果、良性であることが確認されれば、とくに心配はいりません。

 

 

そしゃく・嚥下機能の障害

 

障害の程度

障 害 の 状 態

1級

2級

そしゃく・嚥下の機能を欠くもの

3級

そしゃくの機能に相当程度の障害を残すもの

障害手当金

そしゃく・嚥下の機能に障害を残すもの

 

そしゃくとは、口の中に食べ物を入れ細かく噛み砕いて唾液を分泌させて消化しやすくし、嚥下とは、噛み砕いたものを口の中から咽頭、食道を経て、胃へ送り込む一連の流れをいう。

この一連の動作に障害があると、飲食したものがしっかり噛み砕けなかったり、飲み込めないなどの障害が生じてくる。

 

そしゃく・嚥下機能障害の主な原因は、脳梗塞や脳卒中、脳内出血などの脳に障害が起こってしまったことによる麻痺や、神経・筋疾患、もしくは加齢による筋力低下があげられる。

 

そしゃく・嚥下の障害は、歯の障害によっても起こることがあるが、その場合は治療を行って、それでもなお障害が生じる場合にその結果により認定を行う。

 

障害の程度 2級

「そしゃく・嚥下の機能を欠くもの」・・・

流動食以外は摂取できないもの、経口的に食物を摂取することができないもの、及び、経口的に食物を摂取することが極めて困難なものをいう。

例えば、食餌(しょくじ)が口からこぼれ出るため、常に手、器物等でそれを防がなければならないもの、または、1日の大半を食事に費やさなければならない程度のもの

 

 歯が喪失したことを原因とした咀嚼障害や、発音障害などの障害が残る場合があり、上下顎(あご)欠損により「音声又は言語機能に著しい障害を有するもの」の場合には、障害等級2級に該当するケースがある。

 

障害の程度 3級

「そしゃくの機能に相当程度の障害を残すもの」・・・

経口摂取のみでは十分な栄養摂取ができないために、経管栄養の併用が必要あるいは摂取方法に著しい制限があるものをいう。

例えば、ゾンデ栄養(細いカテーテルを胃内に挿入し,留置したままで栄養物を注入する方法)の併用が必要なもの、または、全粥または軟菜以外は摂取できない程度のもの

 

障害の程度 障害手当金

「そしゃく・嚥下の機能に障害を残すもの」・・・

ある程度の常食は摂取できるが、そしゃく・嚥下が十分できないため、食事が制限される程度のものをいう。

 

 

嚥下障害

 嚥下障害とは嚥下困難とも呼ばれ、食べ物や唾液を飲み込むことがつらい状態をいいます。

 そしゃく・嚥下機能障害の主な原因は、脳梗塞や脳卒中、脳内出血などの脳に障害が起こってしまったことによる麻痺や、神経・筋疾患、もしくは加齢による筋力低下があげられます。

 食べ物を食べると、口でかんだ後、唾液とともに、口腔から咽頭に送り込まれ、喉頭蓋を越えて食道入口部に達します。その後食道を通って胃まで達しますが、そしゃく・嚥下機能障害では、これらの過程のどれかがうまく機能せず、食べ物がうまく飲み込めない状態になります。そのため、食べ物を食べることが困難になり、体重の減少が起こります。また、舌、軟口蓋の麻痺や協調運動障害が発生します。さらに味覚障害が発生する場合や、三叉神経障害を代表とする神経障害を併発する可能性もあります。

 そしゃく・嚥下機能障害の治療には、まずは栄養補給のため、静脈内に注射による高カロリー輸液の投与、胃瘻カテーテルなどの栄養法が採用されます。

 本疾患患者が最も気をつけなくてはならないのは誤嚥です。

 

嚥下障害の症状から考えられる病気  

  声帯麻痺、重症筋無力症、逆流性食道炎、咽喉頭異常感症、全般性不安障害、うつ病、

食道アカラシア、食道がん、扁桃炎、扁桃周囲膿瘍  など

 

 声帯麻痺とは、声を出す筋肉の収縮をつかさどる反回転神経が麻痺する病気です。声帯麻痺になると、食べ物を飲み込むときにむせやすくなりますが、痛みはありません。

 

 重症筋無力症とは、免疫異常が原因で筋力低下を引き起こす病気です。嚥下障害のほかに、手足の力が入らない、まぶたが下がる、といった症状がみられます。

 

 逆流性食道炎は、胃液や十二指腸液が食道に逆流して、食道内に粘膜に炎症が起きる病気です。特徴的な症状は胸焼けで、その他に胸の痛み、食べたときの食道付近の詰まった感じ、咳や喘息のような発作を引き起こします。

 

 咽喉頭異常感症では喉に何か異物感がある感じを訴える病気です。物を飲みにくい違和感を感じますが、喉には疾患はみられません。この原因には、甲状腺機能異常やがんなどの要因が隠れていることがあります。

 

 咽喉頭異常感で検査を行っても異常がない場合は、うつ病や全般性不安障害といった心の病気から身体症状があらわれている可能性があります。

 

 食道アカラシアとは食道の筋肉が緊張して、食道のぜん動運動ができない状態をいいます。  食べ物を飲み込むときに、胸がつかえる感じを覚え、胸部の痛みや圧迫感といった症状もみられることもあります。

 

 食道がんはタバコ、お酒、刺激のある食べ物が原因であると考えられています。嚥下障害のほかには、体重減少や胸がつかえる感じを覚えたりします。

 

 扁桃炎は扁桃に炎症が起こる状態で、急性扁桃炎と慢性扁桃炎があります。  風邪の後に喉が痛んで嚥下障害を引き起こす場合は急性扁桃炎の可能性があります。

 

 扁桃周囲膿瘍とは、扁桃炎が進行して扁桃の外側に膿が溜まって大きく腫れる状態です。激しい咽頭痛、物を飲み込むのがつらい嚥下障害、発熱、口を開けることが困難になる開口障害等の症状がみられます。

 

そしゃく・嚥下機能障害の治療には、栄養補給のため静脈内に注射による高カロリー輸液の投与、胃瘻カテーテルなどの栄養法が採用される。

 

 そしゃく・嚥下機能の障害は、歯、顎(顎関節も含む)、口腔(舌、口唇、硬口蓋、頬、そしゃく筋等)、咽頭、喉頭、食道等の器質的、機能的障害(外傷や手術による変形、障害も含む)により食物の摂取が困難なもの、あるいは誤嚥の危険が大きいものであるとされています。

 

 

 食道の狭窄、下、航空、咽頭の異常等によって生じる嚥下の障害については、咀嚼機能の障害に準じて、すなわち、摂取し得る食物の内容によって認定を行います。例えば、舌に腫瘍(または炎症)ができて地元のクリニックを受診したとします。その後、腫瘍(炎症)が治らないため大学病院を紹介されて癌の告知を受けたとします。この場合には、因果関係がありますので、地元のクリニックでの初めての受診日が障害年金での初診日となります。

 

「そしゃく機能」の障害と「嚥下機能」の障害が重複している場合でも、併合認定の取り扱いはしない。

他の障害との併存の場合については併合認定される可能性は高い。

そしゃく・嚥下機能の障害と言語障害の一部は、口内癌などで生じ並存することが多い。そしゃく・嚥下機能の障害に加えて言語機能の障害も認められる場合は、併合認定により障害等級が上がる可能性がある。

 

顎関節症

 

顎関節症は、関節やあごの筋肉、あるいはそれらをつなげている線維性組織に起こります。

症状には、頭痛、咀嚼筋の圧痛、関節のクリック音などがあります。

通常は診察するだけで診断されますが、ときには画像検査が必要になります。

主として用いられる治療法はスプリント(マウスピース)療法と鎮痛薬です。

顎関節は、頭蓋の側頭骨と下顎の骨(下顎骨)とをつないでいる関節です。顎関節は両耳のすぐ前に1個ずつ、計2個あり、靭帯(じんたい)、腱、筋肉に支えられて下顎を動かしています。

 

顎関節は、体にある関節の中でも最も複雑な関節の1つで、蝶番のように開閉できるだけでなく、前後左右にずらすこともできます。食べものをかんでいる間(咀嚼中)、顎関節は上下の歯の位置と健康状態に応じて加わる大きな圧力を受けとめ、口を閉じているときは、ドアストッパーのような役割をします。顎関節には関節円板と呼ばれる特殊な軟骨が存在しています。この円板によって頭蓋骨と下顎骨は互いにこすれ合うことがありません。

 

顎関節症は、20歳代前半と40~50歳の女性に多い病気です。まれに生まれつき顎関節異常がある人もいます。顎関節症には、関節、筋肉、またはそれらをつなげている線維組織の問題が含まれます。

 

原因

多くの場合、顎関節症は、顎関節部にある筋肉の緊張と解剖学的な形の問題の組合わせによって起こりますが、時には心理的原因による場合もあります。具体的には、筋肉の痛みと緊張、関節内部の障害、関節炎、強直症、可動域の過剰などの原因があります。

 

筋肉の痛みと緊張:

あごの周囲の筋肉の痛みと緊張(筋筋膜性疼痛症候群)は、主に筋肉の酷使によって起こります。筋肉が酷使されるのは、上下の歯並びとかみ合わせが悪い、歯が抜けた、頭部や頸部への外傷、歯痛などがあるときです。痛みは、口を大きく開けようとしたときなどにも起こります。また筋肉の痛みと緊張は、心理的ストレスや睡眠障害のストレスがもたらす就寝中のかみしめや歯ぎしりによっても起こります。就寝中のかみしめや歯ぎしりの方が、目覚めているときの歯ぎしりよりも、顎関節にはるかに大きな負担がかかります。

 

 

顎関節内障:

顎関節内障で最も多いタイプは、関節内にある円板が正常位置よりも前にずれるものです。そのずれが整復する場合としない場合があります。整復とは円板がもとの正常な位置に戻ることを意味します。元の位置に戻るタイプの方がより一般的で、成人の約3分の1に発生します。このタイプの顎関節内障では、口を閉じているときにだけ円板が前方にずれ、口が開いてあごが前方にスライドすると円板は正常な位置に戻ります。しかし、口を閉じると円板は再び前方へずれます。元の位置に戻らないタイプの関節内障害では円板が正常位置には戻らないため、口の開き方が制限されます。

 

顎関節炎:

顎関節の関節炎は、変形性関節症、関節リウマチ、感染性関節炎、外傷(特に関節内の出血を引き起こすもの)などの障害によって起こります。外傷は、おとがいの横をぶつけた小児に多くみられます。

 

変形性顎関節症は、関節の軟骨が変性する病気で、高齢者に最も多く起こる関節炎です。顎関節の軟骨は、他の関節の軟骨ほど丈夫ではなく、特に関節の円板を失ったり円板に穴が開いたりすると変形性顎関節症が起こります。

 

関節リウマチは、体が自分の細胞を攻撃して炎症を起こす自己免疫疾患で、この病気の約17%で顎関節が侵されます。一般に、顎関節は関節リウマチが最も起こりにくい部位です。

感染性顎関節炎は、感染が頭部や頸部の隣接領域からあごへ広がったり、体の他の部分から血流によってあごへ運ばれてきて発症します。

 

顎関節強直症:

顎関節強直症とは関節内部の骨の癒着や関節周囲の靭帯の石灰化(体の組織内にカルシウムが沈着すること)によって、あごの関節が動かなくなる病気です。

 

顎関節の過剰運動:

顎関節を連結している靭帯が無理に伸ばされると、顎関節の過剰運動(あごが外れた状態)になります。過剰運動が生じると、関節の形状、靭帯のゆるみ、筋肉の緊張によって顎関節が脱臼します。口を無理に大きく開けようとしたり、顎をぶつけたときなどに、顎関節が脱臼します。

 

症状

顎関節症の症状には、頭痛、咀嚼筋肉の圧痛、関節のクリック音、開口障害などがあります。痛みは、関節の内部ではなく、関節の近くで起こることもあります。普通の頭痛薬が効かず、しかも頭痛が繰り返し起こる場合は、顎関節症が原因である場合があります。その他にも頸部から腕へ放射状に広がる痛みとこわばり、めまい、耳の痛みや耳詰まり、睡眠障害などの症状も現れます。

顎関節症があると口を大きく開くことができません。顎関節症がない人は、上下の前歯の間に人差し指・中指・薬指の指先を縦に3本そろえても口に入りますが、顎関節症がある人は通常もっと小さくしか開きません(可動域が過剰な人は例外です)。

 

筋肉の痛みと緊張:

筋肉に痛みがある場合は、関節自体にはほとんど痛みが起こりません。どちらかと言えば、目覚めた直後や日中にストレスの多い時間を過ごした後などに、顔の両側に痛みとこわばりを感じます。就寝中に歯をかみしめたり、歯ぎしりをする人は頭痛で目が覚めますが、この頭痛は日中徐々に消えていきます。口を開けるとあごが左右のどちらかへ少しずれます。咀嚼筋を触れると痛みを感じます。

 

顎関節内障:

関節円板の前方へのずれが整復する(元の位置に戻る)タイプの顎関節内障では、口を大きく開けたりあごを左右に動かしたときに関節の位置で、カチッ、またはパチッという音がします。多くの人ではこうした音の症状しか出ないのですが、中には特に硬い食べものをかむと痛みを感じる人もいます。歯がなくなった人や歯ぎしりをしたりする人のごく一部では、病気が進行して開口障害が起こります。

関節円板の前方へのずれが整復しない(元の位置に戻らない)顎関節内障では、痛みと口が大きく開かないなどの顎関節症特有の症状が現れます。痛みは、6~12カ月で減少しますが、口が十分に開かない症状は通常続きます。

 

顎関節炎:

変形性顎関節症では、顎関節の円板がなかったり円板に穴が開いていたりするため、この病気の人は口を開閉すると顎関節がきしむように感じます。重症になると、顎骨の上部が平らにつぶれてしまい、大きく口が開かなくなります。場合によってはあごが障害のある側へずれて、戻そうとしても戻らなくなります。

関節リウマチでは、左右両方の顎関節がほぼ同程度に侵されますが、これは他のタイプの顎関節障害ではまれな現象です。関節リウマチが重症になると、特に若い人では顎骨上部が変性して短くなり、そのために突然、上下の歯並びの大部分あるいは全部が乱れてしまいます。さらに、障害が大きいと、最終的には顎骨が頭蓋骨に癒着することがあります(顎関節強直症)。

 

顎関節強直症:

顎関節周囲の靭帯が石灰化(体の組織にカルシウムが沈着)する顎関節外強直症では痛みは起こりませんが、口が約2.5センチメートル未満しか開かなくなります。一方、関節内部の骨が癒着する関節内強直症では、痛みが起きてあごの動きがさらにひどく制限されます。

顎関節の過剰運動: 可動域が過剰になると、あごが関節窩から完全に外れて前方へ移動する脱臼が起こり、痛みが起きて口が閉まらなくなります。顎関節の脱臼は突然に、しかも繰り返し起こります。

 

診断

ほとんどの顎関節症は、医師や歯科医師が病歴を聞いて診察するだけで診断をつけられます。検査の一部として、医師または歯科医師は、口を開けたり閉めたりしてもらいながら、その人の顔の横をそっと押したり、耳の内側を小指でそっと前方に押したりします。咀嚼筋をそっと押して痛みや圧痛がないかどうかを調べたり、歯をかみ合わせたときにあごがスライドするかどうかもチェックします。

 

顎関節内障が疑われる場合は、さらに詳しい検査が行われます。MRI(磁気共鳴画像)検査は、顎関節運動障害の有無の診断や、治療に反応しない理由の評価の標準検査です。また筋肉の活動力を分析する筋電図が、治療効果の確認に使われるほか、たまに診断にも利用されることがあります。検体の検査は、この病気の診断にはあまり役立ちません。

 

口を開けるときしむような音(関節摩擦音)が聞こえる場合は、医師は変形性顎関節症を疑います。X線検査とCT(コンピュータ断層撮影)検査で診断を確定できます。顎関節の上部と周囲に炎症が起きていたり、関節を動かすと痛みがあってあごの動きも悪い場合は、感染性顎関節炎が疑われます。このとき、体の他の部分に感染が起きていれば、診断の手がかりになります。感染性顎関節炎の診断確定のために、穿刺針を顎関節に差しこんで中の液を吸引し、細菌の分析が行われます。

顎関節の過剰運動によって顎関節症が起きていると、3本の指をそろえた幅よりも大きく口が開きます。このような人はあごの位置が慢性的にずれていると考えられます。顎関節強直症による場合は、顎関節は著明に動きが悪くなります。

 

治療

治療は、原因に応じて非常に多岐にわたります。主な治療法はスプリント療法と痛みを和らげる鎮痛薬の2つです。

 

筋肉の痛みと緊張:

スプリント療法は、あごの筋肉の痛みと緊張を和らげるための主要な治療です。歯をかみしめたり、歯ぎしりがある人には、その癖を直すためにスプリントが使われます。薄いプラスチック製のスプリントを上顎の歯か下顎の歯にかぶせて、かみ合わせが均等になるように調整します。スプリントは通常夜間に装用し(ナイトガード)、歯ぎしりが減り、あごの筋肉を休めて回復させる効果があります。日中の痛みに対しても、スプリントを装着することであごの筋肉の緊張をゆるめ、かみ合わせを安定させて、不快感を減らすことができます。スプリントは、歯ぎしりによる過剰な圧によって歯が損傷するのを防ぎます。日中使用するスプリントは、症状が治まるまで着用します。通常は8週間以内に症状は治まりますが、それ以上長く使用するかどうかは症状の程度に応じて判断されます。

 

理学療法も適用されます。理学療法では超音波治療、筋電図によるバイオフィードバック法(筋肉を弛緩させる訓練)、スプレー・アンド・ストレッチ運動(冷却剤のスプレーや氷で痛みがある部分をしびれさせてから、あごの受動運動を起こさせる器具を使ってあごを開かせる治療)、摩擦マッサージなどが行われます。経皮的電気神経刺激法(TENS)も、有効です。筋電図バイオフィードバック法と併せて、あごにかかる圧を減らす治療を行うと劇的に回復することがしばしばあります。

 

薬物療法も役立ちます。たとえばシクロベンザプリンなどの筋弛緩薬は筋肉の緊張と痛みを鎮めるために処方され、特にスプリントができるまでの間に使用されます。ただしこれらの薬によって顎関節症が治癒するわけではなく、高齢者には使われません。また、短期間に限って処方され、通常は1カ月以内です。アスピリンや非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)などの鎮痛薬は、痛みを和らげる効果があります。ただしオピオイド鎮痛薬は依存性があるため、ある程度の治療期間が必要な顎関節症には使用されません。睡眠補助薬(鎮静薬)は、痛みのためによく眠れない場合に短期間使用されることがあります。最近では、筋肉へのボツリヌス毒素注射療法が筋肉のけいれんを軽減するのに成功しています。

どの治療法でも、ほとんどの人の症状が約3カ月以内にかなり改善します。症状がひどくなければ、多くの人は治療をしなくても2~3年で回復します。

 

顎関節内障:

顎関節内障の人では、顎関節のずれが元に戻る、戻らないにかかわらず、あごに痛みがあり、あごがよく動かない場合は治療が必要です。症状が現れたときにすぐに診察を受ければ、歯科医師または医師は外れた顎関節円板を手で正常な位置に戻すことができます。発症後3カ月以内であれば、下顎を前方へ出しておくためのスプリントが装着されます。このスプリントで顎関節円板の位置を固定できれば、顎関節を支えている靭帯のゆるみがなくなります。関節円板がそのまま正常位置からずれないことを期待しながら、2~4カ月間かけてスプリントを調節し、あごを正常位置に戻します。

顎関節内障がある人はあくびをしたり、分厚いサンドイッチをほおばるなど、口を大きく開けないように注意がすべきです。顎関節が損傷すると正常な場合と違って、こうした動作から守られないためです。この障害がある人は、食べものをかみやすいように小さくカットして食べるようにします。

ときどき、関節円板がずれて顎関節の前でつかえてしまい、あごが十分に開かなくなることがあります。その場合は手でつかえた場所から関節円板を動かすと、顎関節が正常に動きます。あごのストレッチを行うために使用される受動運動装置は、あごの運動機能を徐々に高めていく効果があります。この装置を用いたストレッチは、1日に数回行われます。この装置のうち、ねじ式のタイプは前歯の間に入れて使用し、ちょうど車のジャッキのようにねじを回して徐々に広げていきます。この装置が使用できない場合は、医師は前歯の間に何枚か重ねた舌圧子(へら)を挟み、さらにそれらの舌圧子の間にさらに別の舌圧子を追加していき広げます。

手術以外の方法で治癒しなかった場合は、顎顔面口腔外科医による顎関節円板を整形して元の場所へ戻して縫合する手術が必要になります。しかしながら、従来型の手術は関節鏡視下手術が導入されて以来、比較的まれになってきています。どの手術の場合でも、スプリント療法が併せて行われます。

 

顎関節炎:

顎関節に変形性関節症が起きているときは、あごをなるべく休ませ、筋肉の緊張を減らすためにスプリントなどの装置を使用します。痛みには、鎮痛薬(アスピリン、アセトアミノフェン、その他の非ステロイド性抗炎症薬など)を服用します。多くの場合、治療の有無にかかわらず痛みは6カ月ほどで消えます。また治療をしなくても、ほとんどの症状は治まります。これは、関節円板の後ろにある帯状の組織が瘢痕化して、関節円板と同様の機能をもつようになるためとみられます。あごは以前ほど開かなくなりますが、普通の動作を行う分には支障ありません。

 

顎関節の関節リウマチに対しては、一般の関節リウマチ治療薬が使用されます。顎関節の運動性維持と癒着防止が特に治療に重要です。通常は理学療法士の指示の下であごの体操をするのが、目標達成のために最良の方法です。症状を軽減するため、特に筋肉の緊張を和らげるために、夜間にスプリントを装着します。スプリントはあごの動きを制限しないものを用います。関節癒着のためにあごが動かなくなった場合は手術が必要で、まれにあごの運動性を回復するために人工関節が使われることもあります。

感染性顎関節炎は抗生物質で治療します。細菌検査の結果が判明して最適な抗生物質が選択されるまでの期間は、まずペニシリンを使用します。また関節に膿がたまっている場合は、穿刺針を刺してたまった膿を吸引します。

 

顎関節強直症:

関節が石灰化している場合はあごのストレッチ体操が効果的ですが、石灰化や骨の癒着がある人には、あごの運動性を回復するために手術が必要な場合があります。

 

顎関節の過剰運動:

顎関節の可動域の異常によって起こる顎関節脱臼の治療と予防は、他の原因による顎関節脱臼の場合と同様に行われます。あごが外れた場合には、人の手を借りて、あごを元の位置にカチッとはめ直します(整復)。何度もあごが外れる人の中には、顎関節の入れ方を覚えて自分で外れたあごを入れ直している人も多くいます。方法としては、意識的に筋肉をゆるめ、下顎が元の位置にカチッとはまるまで軽く動かしていきます。脱臼の再発防止のために顎関節の靭帯を締める手術が必要になることもあります。