熊本セクハラ(バドミントン協会)事件 熊本地裁(平成9.6.25)

(分類)

 セクハラ

(概要)

被告:県バドミントン協会副会長、市バドミントン協会会長である県議会議員 原告:元国体選手で実業団(T電気)のバドミントン部に所属する女性

 原告は被告に食事を誘われ、2人で食事をしたが、飲酒した後被告の車に同乗したところ、ホテルに連れていかれ、「そういうつもりじゃありません。」と言ったが部屋に連れ込まれ、ベッドの上に押し倒され、性関係を強いられた。原告は被告に強姦された後、傷心のため恋人と別れ、部も会社も退社した。被告による強姦とその後の性関係の強要により精神的苦痛を受けたとして、500万円の損害賠償を請求した。被告は、原告を食事に誘った上、原告の被告に対する信頼を裏切り、無理矢理ホテルに連れ込み、原告の意に反して性行為に及んだのであって、この被告の行為は、刑法上の強姦又はこれに準ずる行為というべきものである。また被告は、その後も原告との性関係を継続したのであり、この関係は、被告が意識するとしないとに関わらず、原告に対し、結婚したいなどと甘言を弄し、あるいは自らの社会的地位と影響力を背景とし、被告の意向に逆らえば選手生命を断たれるかもしれないと思わせる関係の中において、形成され維持されたものであるから、結局、原告は、被告から強姦又はこれに準じる行為によって辱められた上、その後も継続的に性関係を強要されたのであり、被告によって性的な自由を奪われたということができ、しかも、これが原因で恋人と別れた上、バドミントン部を辞め、会社も退職するに至ったのであり、多大の精神的苦痛を被ったといわなければならない。

 控訴審で和解(平成11.5.24)、謝罪と300万円。

(判例集・解説)

 判例時報1638号

 

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